闇夜
「うむ…やはり天上五座を…」
俺たちは、ここに来た経緯を詳しく話した
「おじいさん!どうにか俺たちを鍛えて欲しいです!」
「たわけぇぇ!おじいさんと呼ぶな!
師匠と呼べ!」
そういって頭をしばかれた
この人よぼよぼのくせに痛い
「よぼよぼだと…?」
そういえば忘れてた
「たくっ…調子が狂うわい」
「師匠さん、私たちは天上五座を一人でも倒したいんです!お願いします!」
「ああ、鍛えることは可能じゃ
だが、今のお主らじゃ無理じゃな」
「え…!なんでですか?」
「お主らの天上五座を倒す理由が、己の利益のためでしかないからじゃ
有名になりたい? そんな生ぬるい覚悟で
倒せる敵だと思ってるならほのぼの暮らしている方がマシじゃ。帰れ」
確かに、理由だけ聞けばそうだろう
でも、思考を読めるあんたならわかるだろ?
ミラノさんの気持ち
「最初は、私は家族に私のことを見直してほしい。そう思って挑戦しました。
でも、だんだんそんなこと、どうでもよくなったんです。それでも続けてる理由は
誰かが幸せに生きてほしい
自分が失ってしまった分、誰かには手に入れてほしい。私は、本気でやるつもりです」
いつもの優しいミラノさんとは違う
何か、強いものを感じた
「うむ…そうだな。思考を読む限り嘘はついてなさそうだ」
「……なるほどのう」
師匠はしばらくミラノさんを見つめた
「お主、本当にそれだけのために戦うつもりか?」
「はい」
「……そうか」
ミラノさんは全くぶれない
俺を救ってくれたときと変わらない
ずっと本当の善人として生きている
そういうところが…
「お主はどうなんだ?」
「え…俺は…」
そういえば
俺は誰かを救いたいなんて思ってなかった
ただミラノさんが幸せになってほしい
そのためだけだったな
「うむ…お主も一緒みたいだな」
え…?
「これから一週間、みっちり鍛えてやるからな!覚悟しろ!」
「良かったですね!ヒラメさん!」
「あ、ああそうですね…」
俺は師匠に目を向けた
表情からはなにを考えているのか分からなかったが、少し微笑んでいるように思えた
【天上五座】
――100年前、国を滅亡寸前まで追いやった五人。現在でも人を襲う事例が後を絶たない
「女は透明術を使えるようだな
中々珍しいぞい」
んんーーー…
「はい!嬉しいです!」
「おそらく、そこの野郎よりも何倍も役に立つ女じゃろう」
んんーー…
「そもそも、女が戦場に立つことも珍しい
女の役目は料理だからな!」
「ちょ、師匠!」
「あん?なんじゃ?」
「その女って呼び方やめて貰えます?
ちゃんと彼女は、ミラノという名前があります!あと、微妙に初登場からキャラ変してません?」
もう一つ言うと考え方が昭和!
「何を言ってるのか分からんが、女は女だ」
「私もあまり気になりませんでした」
そう言えば、ミラノさんも考え方が昭和だった…
やっぱりこの世界合わねえ
「あと、俺は剣を振りたいのに
なぜマスコットバットを振らないといけないんですか!イチロー目指してませんよ?俺は
せめて木刀とか…」
「本当にわけの分からんこと言うやつだな
お主に剣は早い。木刀も早い。それを黙々と振れ
それかもうやめるのか?女を一人にするのか?」
くそぉ…それはダメだ
「ヒラメさん!この人はおそらくすごい方です。従うのが良い選択かと」
「…やります」
俺は諦めた。これで何の成長もなかったら
揚げ物と肉食わせて胃もたれさせてやる
――翌朝
「透明術のコツはイメージすることじゃ
見る限り女は基礎的なことはできておる
あとは、正確性
目をつぶり、想像する
自分がだんだん薄れていく感覚を…」
こんな感じで俺たちはおじいさん…ではなく
テンプレ老害…ではなく師匠に鍛えてもらった
結局、俺は体力をつけるために走って
重いマスコットバットを振って終わった
夕飯は師匠が作ってくれる
「ほれよ、ワシの飯は絶品じゃ
がんがん食え」
「んーー!美味しいです!」
「だろ?さすが女じゃ」
確かに美味い
「ちなみに、師匠はどんな人だったんですか?俺たちにいろいろ聞かせてくださいよ」
「あん?特別なことはありゃせんよ」
「天上五座とは戦ったことあるんですか?」
「いや、ないが…妻が戦った。
それ以来、あいつは行方不明
ワシは独り身になったというわけだ」
一瞬だけ、師匠の表情が曇った
なんか重い話になってしまった
「なんか…すみません…」
「ほっほっほ、いいんじゃよ
ワシも昔は剣を振って、モンスターを倒していたな。懐かしい」
この人、こんなに野太い声してるのに
笑い方が「ほっほっほ」なの違和感すぎる
あと、出会ったときは優しそうな爺さんだと思ってたのに
「そうじゃのぉ、お主らにアドバイスじゃ」
「天上五座と戦うなら絶対に複数人で戦え
ワシのようにはなりたくないじゃろ」
それで夕飯は終わった
俺たちは布団を敷いて、寝る準備をした
「師匠さん…辛そうでしたね…」
「そうですね。まあ、俺たちが敵をとってあげますか」
「ふふっ、余裕そうですね」
「いやいや、そんなことないですよ」
ちなみに、俺はミラノさんと一緒に寝てる
結構恥ずかしいな
ちゃんと布団は分かれてるからね?
俺たちは布団に潜った
「ヒラメさんは、本当にありがとうございます。私、今がとても楽しいです。
前までは、話せる人もいなくて、
生きてる価値も分かりませんでした
でも、ヒラメさんのおかげで…」
「とっても幸せです!」
――ミラノさんの笑顔
夜は大嫌いだ
いつも色んな不安が混ざり合う
両親のこと…現世のこと…これからのこと…
でも、今はミラノさんの笑顔が脳裏に焼き付いて消えない
「俺もですよ」
大嫌いだった夜を
少しだけ、好きになれた…気がする
僕がラノベを読み始めた理由は中学の頃
親友が急にアニメとかラノベにハマって
俺も見てみたらおもろかったから
1番最初に見たのは確かリゼロの漫画
その後アニメ、その後ラノベ
それから、ラノベにハマりました
ちなみに、エミリアをめちゃくちゃ好きになっちゃって、それが原因か知らないけど当時付き合ってた彼女と別れました




