街へ
どうしても長くなるなー
飽きずに読んでくれたら嬉しいです!
「ふぅー、疲れたー」
今日はいろいろなことがあった
怖い男たちに追いかけられたり
可愛い子に出会ったり
…転生したら裸だったり…
……タイトル変える?
「どうですか?湯加減は」
ミラノさんが風呂でくつろいでいる俺に声をかけた
もちろん、ちゃんと見えないようになってますよ
「最高です!」
野球選手のヒーローインタビューみたいな感想だな
「良かったです!ごゆっくりどうぞ
服は置いときますね」
何から何まで本当にありがたい
ミラノさんも入りたいだろうし、長風呂はやめておくか
俺は湯船の中で少し足をマッサージして、さっさとあがった
置いてあった服を着てミラノさんに風呂からあがったことを告げた
「早かったですね。部屋はここです」
「部屋の用意まで…泣きそうです」
「それでは、何かあれば下にいるので声をかけてください!」
ミラノさんはそう言って風呂場へ向かった
ミラノさんの家は2階建てで
俺の部屋は2階にある
一人暮らしなのに2階建てって珍しいような?
しかも、部屋もいっぱいあるし
お金持ちなんだろうけど、どうやってそこまで稼いだのか見当がつかない
さすがにずっと泊めさせていただくわけにもいかないし、俺も金を稼がないと
でもどうやって?というか、なんで俺がこの世界に…いや、それは俺が願ったからか
願っただけで叶うのも普通に考えればすごい話だし…
考えなければならないことが多く
思考するのに疲れた
「また明日考えればいいか」
俺はふかふかなベッドにダイブして
すぐに寝た
こうして異世界生活1日目が終わった
翌日、俺はミラノさんと共に
街を出歩いた
この世界について様々なことを知るために情報収集だ
「この辺りはいろんな店がありますよ」
俺が追われていた場所だ。確かに商店街みたいな感じで店がいっぱい並んでる
「何が売ってるんですか?」
「んー、果物が多いですかねー
栄養もあって美味しいですよ!」
そういえば朝も果物とパンを食べた
米とか麺は売ってないのかな
さらに俺たちは、公園などにも行った
そこでは小さい子供たちがワイワイ楽しんでいた
現世では、最近公園で遊ぶ子供たちは減っているのに
この世界では楽しそうだなー
もし、小中学生が見てたらしっかり外でも遊ぼうな。(ほぼ見てない)
公園を見た後、皇居みたいな立派な建物があるところに行った
「ここは騎士さんたちや、偉い人たちがいるところです」
「へえー良い暮らししてそうですねー」
城なんかもあって、こんなところにぽっと出の俺が来て良いのだろうか
「お姉ちゃん?」
すごい豪華そうな服をした女の子が話しかけてきた
お姉ちゃんとは?
「かぐや…?」
多分妹だろう。前に話していた
「なんでお姉ちゃんここにいるの?
しかも、その男の人は誰?」
「この人は、えーっと…
知り合いで…」
「ふーん、私たちに追い出されている間そんな男手に入れたのね」
そんな男?俺は生まれつき顔には自信あるんだけどな?うん。
「なんか失望したわ。追い出された後頑張ってるのかなーって思ってたけど
どんどん落ちぶれていくだけね」
「…あはは。そうかもね…」
「相変わらずムカつく姉だわ
二度とここに来ないでね。じゃあね」
そう言って妹は帰っていった
身内だとはいえあそこまで言うのは…
でも、俺は何も言うことができなかった
本当は俺だってあいつが言ったことを否定したかった
けれど、あの威圧感、あの服
明らかに身分が高そうな相手だ
そんな人に喧嘩を売ったらどうなるかわかったもんじゃない
「ミラノさん…」
「ごめんなさい見苦しいところお見せしてしまって…」
「ミラノさんは頑張ってるよ
じゃないとあんなに立派な家を一から建てられないし…」
「違います。あれは私を追い出すために父親が建てた家なんです
なので私は何もしてません
お金も、幼少期にもらったものが余っていただけなんです」
「で、でも…」
「かぐやの言うとおりです
私は、何もしていません。ただ何も考えず過ごして…何もできない無能なんです」
…違うだろ、俺はミラノさんを無能だと思わない。あんなに俺を労ってくれて、
路地裏で透明術だって練習してた。
頑張ってないわけないのに
「さあ、家に帰りましょうか」
パッ
「…どうしたんですか?ヒラメさん」
俺はとっさにミラノさんの腕を掴んでしまった
何を言えば良いんだっけ、なんで俺はミラノさんの腕を掴んだのだっけ
「…俺はミラノさんの幸せを手助けします
なので困ったら俺を頼ってください!
辛かったら俺を頼ってください!
例えば、今みたいに…
そんな顔しないでください…!」
ミラノさんが笑ったとき、俺は嬉しい
この人が「幸せ」だと感じたとき俺はもっと嬉しい
助けてもらったからそれをお返しするなんて薄っぺらいものじゃなくなった
「だから……!!」
「ヒラメさん、少し公園でお話してよろしいでしょうか?」
「あ……はい…」
「私の家は、代々受け継がれてきた伝統のある一家なのです
だから、生まれてくる人たちは全員優秀で
大人になればこの国に貢献する人間になるはずなんです
でも、私は違いました
勉強も得意じゃない、魔術もろくに使えない
人ともちゃんと話せない
私は、史上最低と呼ばれました
そんな私を見て父は悲しんでいました
だって、自分が生んだ娘がそんな風に言われたら……自分の尊厳まで傷ついてしまう。当たり前ですよね
一方、妹はとても優秀でした
魔術も勉強も容姿も
神に愛されたような人と評され
史上最高傑作と呼ばれました
史上最高傑作の妹と史上最低の姉
父からはお前には価値がない
今後一切関わるなと言われ追い出されました
結局、その後も勉強や魔術を練習しました
勉強はできるようになったのですが
魔術は全然できなくて…使えるようになったのは透明術のみ。しかもまだ未完成で…
妹に会って再度分かりました
私は、無価値な人間だと」
気付いたらミラノさんは涙を流していた
「本当にごめんなさい、こんな醜態を…」
もし、ミラノさんが普通の家庭に生まれていたら。優しくて、お人好しで、可愛くて。
もっと違う人生になっていたはずだ
俺は、このまま死ぬまでのうのうとこの世界で生きようと思ってた
けど、それじゃあ前の世界と同じだ
「ミラノさん
一緒に見返してやりませんか
あいつらを
俺が手伝います」
「……え?」
俺はこういうとき相手を救うような言葉は出ない
だからこそ行動で
ミラノさんを助ける
今まで漠然としていた「助ける」が少しだけ具体的になった気がした。
次のエピソードはいよいよです…
正味ここまでは序章
って言うのは嘘だけどね




