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そろそろ、転生のお時間です ~せめて転生先は固定にしてくれ~  作者: さんも
禍福は糾える縄の如し

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2/11

とある出会い

今回は割と長めかもしれません

それでも一文一文噛みしめていただくと絶対に面白いと思います!

 胸を張り、ずんずんどんどん前方へ

 堂々と、周りを威圧するような圧倒的強者感を放ち歩く


 なわけがなく

 実際は、なるべく身体を丸め

 顔を手で隠し、周りをキョロキョロ

 その様子は不審者同然

 というか裸で歩き回っている時点で不審of不審なんだけどな


 何分か歩いた後、トンネルがあった

 そこに立て札があり

「村へのルート」と書いてある

 あからさますぎる…と思ったが、これも

 神様のお導きだろう 

 ありがたや~ありがたや~


 トンネルの中は暗かったし汚いし

 まるで心霊スポットだ

 妖怪ウォッチのえんえんトンネルを思い出す

 ちなみに俺は道中のスイッチを押して爆死する生粋のギャンブラータイプだ

 あと、怖い上に裸だからなんか寒気がする…


 トンネルは長かった

 ずーっと、ずーっと道は続いた

 途中上から水が落ちてきたときは心臓が一時停止した

 マジで心霊スポットやん

 進んでるうちにさっきまであった、恐怖や緊張はなくなり、思考も巡りにくくなってきた

 ゲシュタルト崩壊というやつだろう


 もう早く終わってくれ…このトンネル…

 道端のお兄さんに話しかけたら距離が近くなるとかいうイベントないん?

 顔は青ざめ、頭は真っ白、身体はまっさら

 とりあえず警察行きは覚悟しよう

 ついに俺は座り込んでしまった

 もう無理だ…こういうときは


「神様、もう一度手を貸してください

 お願いします」


 俺の頭には確かにこんな声が聞こえた


「フォッフォッフォ、良いだろう」


 すると…

 あ…ああ…、目の前に光が…

 俺は光を追った

 すると…


 あ、あれ?


 人がいっぱいいる


 全員の目線が俺に集中した

(ちゃんとパンツは履いてるよ)


 その瞬間、俺は人生で1番素早く動いた

 一目散に走り出した、向かう当てもなく

 ただ、ただ走り続けた

 速度だけならボルトとタイマンを張れるだろう


 後ろから声が聞こえた


「変態だああああ!

 捕まえろーーーー!」


 まずい

 ここで俺は一気に速度を上げた

 野球のライトが後逸したボールを追うように

 馬が目の前のにんじんを食べようと追いかけるように

 俺は路地裏へ方向を変えた

 走ってる最中にも意外と羞恥心があり

 一刻も早く誰かの目から逃れたかった

 よし、この路地裏には誰もいない!

 後ろを振り返るとまだ誰も来てなかった


「今のうちに隠れよう…」


 どこだ…隠れられそうなところ…探せ探せ…!

 ない…!やばい!追っ手が来てしまう!くそーーーー!


「あのー、」   ん?




「おい!奴はこの路地裏に逃げたぞ!」


「ハッ、馬鹿な奴だ

 この路地裏は狭い上に逃げ場がない

 捕まえて衛兵に渡すぞ!」


「裸の変態を捕まえたんだ

 相当な金稼げるぜ」


 この世界では、犯罪者を捕まえると

 賞金が貰えるようです


「さあ、正体を晒せ!」


 と、路地裏を見渡したが


「あん?いねえぞ」


「そんなはずねえだろ

 どっかにはいるはずだ!」


 追ってきた男たちはしらみつぶしに探したが全く見つからなかった


「クソ…!どっかに逃げやがったか…

 おい!このまま町中探すぞ!」


 男達は路地裏を離れ、他の所へ行った


 ヒラメはどこへ?




「ふうー、危なかったですね」


「本当にありがとうございます泣」


 少し前のこと



「クソ!隠れる場所がない

 異世界で捕まって以上終了です!お疲れ様でした!なんてダサすぎる!

これじゃあこの小説も打ち切りだああ!」


 あわあわと焦りを募らせていたヒラメのところに


「あのー、大丈夫ですか…?」


 可愛らしい声がヒラメの耳に届いた


「へ?うあああああ

 すみませんすみません何でもします!!!

 なので警察だけは勘弁してください!」


「あ、いやそうではなくて…大変そうだったので…」


「てか、この路地裏には誰もいなかったはず

 なんで…」


「透明術の練習をしてまして

 あまり目立たないようこの路地裏で」


 透明術、これを聞いた瞬間

ヒラメは目の色を変え、その女の子に土下座して言った


「その透明術を俺に使って助けてくれませんか!お願いします!」


「んー、出来ないかも知れませんがやってみます!」


 結果、できた

 そして今の状況である


 というわけで、俺は路地裏で透明術練習中の女の子に助けてもらった

 その女の子は、茶色い髪が肩の少し下ぐらいまであって、身長は俺よりも低かった。

 だが、一般的には高い方だろう。

 異世界の一般とか知らんけど

 綺麗な二重、青い瞳、天使のような声

 極めつけはむn…なんでもない

 普通に考えて、異世界で女の子と出会い、助けてもらうなんて最高のシチュエーションでしかないが

 何を隠そう、俺は色々アカン状態

 早くここからいなくなりたい

 てか、もしかしたら女の子ではなく、女装してるという線は…?


「助けていただいたところ申し訳ないのですが少し質問させていただいてもよろしいでしょうか?」


 裸体のインタビュアー


「あ、私もいろいろ聞きたいことあります!そちらからどうぞ」


いろいろて…1つしかなくないか?


「あ、はい!えーっと、女性ですか?」


 ポンコツインタビュアー


「はい」


 アキネイター?


「あ、質問は以上です」(異常です)


「えええ!それだけですか!」


 流石に相手も驚いている様子だ

 というか法がなかったら鈍器で殴って良いレベルである

 質問自体失礼だし、第一この見た目と声は女性以外の何者でもない

 相手が女性だと確定したためもうここから立ち去りたくなった

 こんな醜態もう見せたくないねん


「あ、では次はこちらから質問させていただきますね!

 えーっと、何故その格好…?」


デショウネ


「これが俺の趣味なんです

 この背徳感、たまりませんねえ!」


 と言いたいところだが、最悪の場合殺し屋を雇われる可能性があるため


「起きたら服がなくなっていて…

 家もなくて…」


 嘘ではない、うん。


「それは災難でしたね…

 うーん…」


ん?どうしたのだろう。

女の子は何かを迷っている様子だ


「うーん…もしよければ、私の家に服あるので貸しましょうか?」


「え、いいんですか?」



「はい!困った時はお互い様と言うじゃないですか。それに、あなたのおかげで透明術も少し上達できましたし」


 女神だ、いや天使だ。

ちなみに、嫌だけど仕方ないなみたいな感じだったのは見なかったことにしたい


 透明状態のまま俺達は家に向かった

 透明の時は喋るとバレるため会話がなく普通に気まずかった、いろいろと。


「着きました」


「へーー、ここが家か」


 女の子の家は、森に囲まれた神秘的な場所であった

 家に入ると小鳥が一羽いるだけで他は誰もいなかった


「今服を持ってきますのでゆっくりしていてください」


 優しい人だなあと思った

 その瞬間小鳥が俺を突っついてきた


「いって…!なんだこの躾のなっていない鳥は!やきとり屋に提供するぞ」


「うるさい、黙れ部外者は入ってくるな」


 へ?この鳥喋れるんだけど

 もう意味分からん


「もー、リンったらー

 ごめんなさい、少し人見知りの子で…」


「あー、なるほど…?」


 俺は考えるのをやめた。小鳥は何かピーチクパーチク言ってるし

 俺は服をもらって着た

 久々のこの布の感覚が心地よかった

 いつも当たり前にあるものを大切にしようと思う。レベルアップ!


「いろいろと大変でしたね…」


 と、紅茶を出してくれた

 ちなみに俺は紅茶が苦手


「はい、助けていただいてありがとうございます

 助けていただいて言うのもなんですけど

 なんでこんな変な奴を助けたんですか?」


 常識で考えたらこんな奴通報の一択だろう


「んー、最初見たときは流石にやばい人かも

って思ったんですけど…」


「私、今まで悪い人たくさん見てきたんです。だけど、何故か悪い人に見えなくて

何か理由があるのだろうと思って

反射的に声をかけました」



 マジで優しすぎる

 小鳥はピーピー鳴いていたが気にしなかった


「お名前なんて言うんですか?」


「あ、ヒラメって言います

 あなたは?」


「ミラノと言います!

 よろしくお願いします」


「ミラノさんね。ちなみにミラノさんは見た目的にまだ若い方だと思うんだけど

 一人暮らししてるんだ」


「あーはい…元々は両親と住んでいたのですが追い出されてしまって…」


「追い出された?それまたなんで…」


「父と母は、妹を溺愛していまして

 妹は私と違ってとても優秀でしたし

 私の両親はこの町を治めるほど高貴な人で

 私みたいなのは要らないと追い出されてしまいました」


「酷すぎる…こんなに優しい人なのに」


「あはは…そういうものですよ」


「追い出された後は本当に大変でした

 お金も家もない、そんな状態で…

 でも、なんとかお金を稼いで今家も買えました」


 俺たちはその後も様々なことを話した

俺は久しぶりに「楽しい」と心の底から思えた気がする



「久しぶりに人と話せて楽しかったです!」


「俺も楽しかったです」


 俺はミラノさんに共感できる

「不必要」と思われる怖さ

 自分はいなくても良いと思われる辛さ

 高校の時、俺もそうだったから

 俺がそこにいてもいなくても変わらない

 一人になるのが怖い

 でも、俺とミラノさんは絶対に違う

 俺は報酬を求める善 ミラノさんは報酬を求めない善

 前者が悪いとかじゃない

 ただ、俺はミラノさんを尊敬する


 けれどもやはりどの世界でも優しい人は損をしてしまうのだろうか

 頼まれたことはすべて引き受けてしまうような

「いい人」は確かに損をする

 けど、この人は、人をしっかり見極めてる気がする

 さっきまで「いい人」だと思っていたけれど

「いい奴」なのかもしれない

 俺はこの人が損をするのは嫌だ

 救ってくれた恩を返したい


「あの!」


「はい!何でしょうか」


「俺を数日でもここに泊めてくれませんか?

 この世界について、ミラノさんについていろいろ知りたいです」


 ミラノさんは少し考えた後

微笑んで言った


「分かりました

 こんな人放っておけるわけないですし。それに、私もずっと一人で寂しかったので歓迎です!」


 こんな人…?まあ確かに


「本当ですか!ありがとうございます」


 見知らぬ裸の男性を助けるお人好し

 さらに、服も貸してくれて

 紅茶も入れてくれる

 俺のクソみたいな質問にも怒らずに答えてくれる

 家族のこと、笑ってごまかしていたけれど本当は傷付いているんだと思う


 俺は木に囲まれた家で

 なんの作為もなく、「この人は幸せになって欲しい」と初めて思えた気がする
















しっかり読んでくれましたか!!!

3話はミラノについて深掘りします

流石にこんな男助けないでしょ…

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