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この世界にクリアできないゲームなんて存在するはずがない!  作者: きたばぁ
最終章 〜光と闇の街 セイントとシュヴァルツェ〜
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第4話 ミクマリ真の姿

ミクマリを倒したかに思えた光。

果たして本当に倒しているのか。


それとも、倒すことはできていないのか

本編へお進みください。

民家の方へと吹っ飛ばしたはずのミクマリの声が不気味を増して聞こえてくる。

「うっ・・・今の攻撃は一番痛かったよ。フフフ、この姿のままじゃあもう君のその力には歯が立たないようだね。」


トドメを指そうと近づくともう人間の姿をしたミクマリの姿はどこにもなく、肩からは黒い翼ような物が現れ、後ろには尻尾がむき出しになっていた。

武器も、細剣だったはずが大鎌を引き下げていた。

サキュバスと言った方がよいのか、はたまた死神と言うべきかそんな風貌していた。


「フフフ、これが私の本来の姿。今度は確実に君の命、狩り取らせてもらうよ。」

やっとボスらしい敵と戦うことになった。今まで人型のものとしか相手にしていなかったせいかすごく新鮮な気持ちになった。

今の力とその風貌、これなら遠慮なく殺せる。


「さあ来いよ。化け物らしくなってくれたお陰で遠慮なくぶっ殺せる。」

「フフフフ・・・・」

不気味な笑い声とともにミクマリは大鎌を振りながら襲いかかってくる。

簡単に攻撃を受け止めることができると思ったのだが、そう上手く反撃をさせてはくれないみたいだ。


「フフフ、どうしたのかな? ホラ、反撃してきなよ。私を殺すんでしょ?」


反撃出来ずに攻撃を受け止めることしかできない僕を見てあざ笑うかのように翼を羽ばたかせている。

長いリーチで攻撃を仕掛けて来てはトリッキーな動きで攻撃を交わしてくる。

下手に攻撃をしたらあの大鎌で簡単に首を落とされかねない・・・


「くそっ・・・この力を持っても倒せないのか・・・」

「フフフ、私に狩られるのももう時間の問題になりそうだね。」


よく考えろ。落ち着け、集中だ。

攻撃時の特徴を捉えるんだ。

あの大きな鎌、どれだけ化け物になっても負荷は相当な筈だ。

さっきまで剣で受け止めていたが避ければバランスを崩させることができる。

あいにく、そのためか人型の時よりも動きが少し鈍い。


「考え事かな?そんなことしていたら、君、死んじゃうよ。」

ミクマリが仕掛けてくる。今度は今までと違って攻撃を剣で受け流して避け、反撃を試みた。しかし、見切られているのか受け止められてしまった。


「おっと・・・まともに攻撃を受けずにかわす事にしたんだ・・・でも、その手には乗らないよ。」


この手もダメか・・・なんとか弱点を見つけないと模索していては本当にミクマリの言う通り、時間の問題になってしまう。

いや、弱点はもう見えてるじゃないか。いける・・・


「どうしたの?怖気付いちゃったのかな?仕掛けてこないなら殺しちゃうよ!」

「いや、お前こそ時間の問題だ。」

ミクマリは同じように大鎌を振り下ろしてくる。

次はその攻撃を受け止めながら下に潜り込み、見事にミクマリの背後を取ることができた。

「終わりだ!」

「うっ・・・」

攻撃をすかして前かがみに態勢を崩したミクマリを後ろに引きよう寄せるように尻尾を引っ張り、黒い立派な翼を片方、切断した。

ミクマリの悲痛な叫びと共に空中から落下し、座り込んだ。と同時に無惨に肩翼が地面に落ちる。

「い、痛い・・・君、なんて事を・・・」

「なんて事をって、お前の立派な翼を斬ったんだ。」

僕は落ちた肩翼を拾い上げて言い放った。

肩翼のミクマリは絶望に苛まれるように座り込んでいた。

そりゃそうもなる。命を奪われたと言っても過言ではないだろう。


「なんて事を・・・君は・・・鬼だ・・・悪魔だ!」

「そんな事を言って油断させるつもりか。鬼?悪魔? お前の方がよっぽど悪魔の姿に似ているぞ。」

そう言いながら拾い上げた翼を持ち、ミクマリの前に立つ。

そして、見えるようにして魔法を唱えた。


「ごめんな、悪く思うなよ。恨むなら、お前を悪役にしたツバキか化け物を恨むんだな・・・ フラム。」

剣を鞘に戻し、右手に炎を宿らせて翼を燃やした。

ここで、初めて2つ目の魔法と正真正銘、心を鬼へと変える瞬間だった。


「君、何をしているか・・・わかってる? 許さない・・・死んでも君を殺す!」

「無駄だよ。翼を斬られた悪魔はもう何もできない。」


鋭い眼光で僕をにらめつけ、今まで持っていなかった細剣を生成して懐めがけて突いてきた。

僕は簡単に攻撃を剣で弾き飛ばし、ミクマリを突き刺した・・・


「うっ・・・ぐはっ・・・君は何・・・者・・・」

吐血しながらミクマリが囁きかけてくる。

残った片方の翼もみるみるうちに消えていき、元の女性の姿に戻っていく。

「僕は・・・この世界を・・・このゲームを潰しに来た者だよ。」

「フフフ・・・最後まで・・・面白いね・・・だから、こそ・・・殺したかった。」

ミクマリの言葉を最後まで聞き、スッと剣を引き抜いた。


「今度は誰かのためになれるような役柄に生まれ変わってくれ。」

徐々に消えていくミクマリの姿を見て囁き返した。

良い人柄のNPCまでもこんな悪役にしたてあげる行為・・・決して許せない。

僕はさらに憤りを感じた。


ミクマリが完全に消滅したところから紫の宝玉が現れた。

これで僕の手元にあるのはエイギールから受け取った赤色の宝玉の2つ。

おそらく残りの宝玉はツバキが持っているだろう。


結局、ツバキを殺さないとゲームはクリアできないと言うわけだ。

そんな事を考えていると体にみなぎっていた力が一気に抜けていき、膝をついてしまった。

「くそっ・・・これからだというのに・・・」

すると暗闇の中から足音がどんどん、近づいてくる。

僕はとっさに足音が聞こえる方に銃を向ける。

「誰だ!」


「おやおや、そんな物騒なものをお持ちで、私は悪者ではありませんのでその武器を納めて頂きたい。」

暗闇の中から現れたのは黒いローブを身にまとった老人だった。


ようやく、ミクマリを倒すことのできた光。


間髪入れずに暗闇から声が聞こえて来た。

この老人は一体何者なのか。


次回、物語は大きく動く。


そうではまた、違う物語でお会いしましょう!

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