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前世の記憶を手に入れた女子高生は、終わりを迎える地球で世界と幼馴染のどちらを選ぶ  作者: 茉莉レイ
第二章

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第63話 想像を絶するアトラクション

「なんか水の上を進んでるって面白いね!」


「確かに! ボートに乗ってる気分だね!」


 私の言葉に(そら)()がそう返した。

 前世(リカネア)では任務の都合で水上都市に行った事がある為乗ったことがあるが、地球に来てからは水の上を進む乗り物に乗った記憶は無い。

 船と違いこの乗り物は船酔いしなそうだ。安定している。


「2人はしっかり目の前の手すりに捕まっとくんだよ〜!」


 私は後ろにいる穂乃果(ほのか)(りん)()君にそう言った。


「言われなくてもそうしてるよ!」


 穂乃果がそう言った。


「良かった! 凛兎君は穂乃果の事見ててあげてね!」


「え、僕? わ、分かった」

 

「ちょ、紫伊香(しいか)! 変な事言わないでよ!」


 顔を見なくても2人の表情が分かってしまう。面白いな。


 そんな会話をしていると乗り物が揺れ始め、周りの景色は荒れた海のようだった。

 空は黒く、雷がところどころに降り注ぎ、大きな波が押し寄せてきていた。

 安全性のためなのかこちらまでは届かないが、軽く水しぶきがかかった。


「わあ〜! すっご〜! しーちゃんすっごいよ!」


 空音ははしゃいでいた。

 

「そうだね! 凄いね!」


 カーブを曲がるとついに巨大海洋生物が現れた。

 イカやタコのようなものでは無かった。


 簡単に言い表すなら恐竜がいいだろう。

 厳密には海に恐竜は存在せず、海生爬虫類というものに分類される。


 鋭く黄金色に輝く目と、よく磨がれた刃物のような牙が特徴的だった。

 それが水槽のようなものの中に入っていた。


 他にはサメや、神話上の人魚のようなものもいた。


「なんか、不気味だね……」


 後ろから穂乃果がそう言ってきた。


「怖いの?」


「お化けとかとは違った怖さだけど、なんか水槽から出てきて襲ってきそうじゃない?」


 私の問いに穂乃果はそう返した。

 海洋恐怖症じゃなくても潜在的恐怖はあるのだろう。


「あはは! ほのちゃんビビリだね! あれは作り物だから安心してよ!」


 空音は笑いながらそう言った。


 確かにあれは作り物だが、魔法を使えばあれに意志を持たせて動かす事もできるだろう。

 わざわざそんな変な事をする人はいないと思うが、悪意を持つ人間は沢山いる。


 そんな事を考えていると、水槽ゾーンを抜けた。

 しかし明かりが見えたと同時に、急に逆方向に進みだした。


「何か始まりそうだね!」


 空音は楽しそうだ。


 水槽ゾーンの方には戻らず、別のルートに入った。

 透き通った水が見える空間だった。

 何だか水の流れが変わったように感じる。


 そんな事を考えていると、前方の水面に影が見えた。

 最初は1つ。そしてもう1つ。

 巨大な生物が動いている。

 そして徐々に数を増やしていき、距離が近づくとはっきりと分かった。

 水槽にいた生物だ。


「キャァァァ!」


 穂乃果と空音の叫び声が耳に触れた。

 後ろを見ると凛兎君は震えて声が出ていなかった。


 そして四方八方から、こちらめがけて飛んで来た。

 決して乗り物に触れる事はないが大迫力だった。

 けど多分これは、年齢制限するべきだ。

 ホラーよりもホラーだ。


 

 最後まで無事終える事ができた。


「はぁ、中々ハードだったね……」


 途中までハイテンションだった空音はぐったりと疲れていた。


「私絶叫、もう無理かも……」


 穂乃果も魂が抜けたように、その場に座り込んでいた。


「まあまあ、普通のジェットコースターなら大丈夫だと思うから元気出して!」


 そう言い穂乃果を励ました。


 凛兎君は心ここに在らずといった具合だった。


「大丈夫? 体調悪くない?」


 私はそばに近づきそう聞いた。


「だ、大丈夫——」


 顔が赤かった。もしかしたらまた熱が出たのだろうか。


「どれどれ? うん、熱は無さそう!」

 

 私は凛兎君のおでこに手を当てて確かめた。


「紫伊香さん! 大丈夫だから!」


「あ、うん! ごめん!」


 少し距離を詰め過ぎてしまったかもしれない。

 親しき中にも何ちゃらって言うもんね!


「みんなお疲れのようだし、少し休憩しよっか!」


 私がそう言うと3人は賛成してくれた。


 現在の時刻は10時半である。

 お昼ご飯にはまだ早いため軽食と飲み物を買い、椅子に座る事にした。


 

「はいどうぞ!」


 3人は疲れてそうだったため、私が全員分を購入した。

 

「ありがとうしーちゃん!」


「ありがとう紫伊香!」


「ありがとう紫伊香さん」


 空音と私はコーラで、穂乃果と凛兎君は水にした。

 そしてみんなで食べられるポテトとナゲットセットを頼んだ。


「さっきは死ぬかと思ったよ! ね、しーちゃん?」


「そこまで物騒なアトラクションは無いよ!」


「確かにね!」


 空音はもう元気を取り戻していた。

 流石としか言いようが無い。


「紫伊香って魔法を使えば遊園地作れるの?」


 穂乃果が真剣な表情でそう聞いてきた。

 この子はいろんな事に興味津々なんだな。


「何かを作り出す事は可能だけど、この規模の物を作り出すのは無理かな」


「そうなんだ! ありがとう!」


 穂乃果は笑顔でそう言った。

 疲れも取れてきたのだろうか。



 30分ほど休憩した。

 次は激しいアトラクションを避けたい。


「次ここはどう!?」


 私はマップを指差し、3人に見せた。

 それは歩いて様々な可愛いキャラクターが展示されているのを見るというものだ。

 癒しもあって、さっき食べた物も消化できるだろうしちょうどいいだろう。


「いいね! それにしよう!」


 空音はそう言い賛成してくれた。

 穂乃果と凛兎君も無言で頷き賛成してくれた。

読んでいただきありがとうございます!

様々な巨大海洋生物が飛びかかってきたら恐怖ですよね。


ぜひ、面白い、先を読んでみたいと思っていただけましたら、リアクション、ブックマーク、コメント等していただけると励みになります!

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