第61話 ホラー×絶叫アトラクション!
「お待たせみんな!」
日曜の集合時間7時ちょうどに着いた。
少し時間がかかってしまった。
すでに3人は着いていた。
「おはよう! 今日は楽しみだね!」
穂乃果がそう言った。
「ね! 楽しみ!」
「そろそろ電車来るし行こっか」
凛兎君がそう言い、4人で改札へ向かった。
「しーちゃん、私とこうやって出かけたかったんだ!」
「みんなとね!」
空音は朝から調子が良いな。
私はまだ眠いのに。
4人で予定通りの電車に乗る事が出来た。
魔法を使って行った方が早いが、こうやって行くのも遊びに行く時の醍醐味だろう。
「この時間なのに電車混んでるね?」
穂乃果がそう聞いてきた。
「こっち方面はみんな私達と同じ目的だと思う!」
「ああ! 確かにそれなら納得!」
穂乃果は知識が増えて喜んでいるようだった。
凛兎君の方を見ると、なんだかソワソワしている様子だった。
「あれ、凛兎君緊張してる?」
女の子3人と出掛けてるんだ。それで緊張したのだろう。
「遊園地とか初めてで、ちょっと緊張してる」
そっちか。私の勘違いだった。
「そんな緊張する事ないよ! 楽しむ事だけ考えて! 大丈夫!」
「そうそう気にしない! 可愛い女の子3人と出掛けられて幸せでしょ!」
空音がそう言うと凛兎君は顔を赤くし、窓の方を向いてしまった。
「年下いじめて楽しい?」
「どちらかというと、私はしーちゃんにいじ——」
「あ〜もう! 電車では静かに!」
勢い余って大声を出してしまい、乗客の視線が私に刺さった。
「す、すみません」
私は小声でそう言い周りに頭を下げた。
ああ、何してんだろ私。てか全部空音のせいじゃん!
「紫伊香が私達より何年も生きてる人には見えないね!」
穂乃果がそう言い、口元を抑え笑ってきた。
「え〜穂乃果も私をそうやって煽るの〜?」
私は少し、穂乃果を咎めるような口調でそう言った。
「ち、違うよ? 私はただ、そんなところも可愛いなって……!」
穂乃果は少し心配そうな顔で、私の顔色を伺うようにそう言った。
「ふ〜ん、可愛いならいっか!」
私がそう言い笑顔を見せると、穂乃果はホッとしたのか笑顔を取り戻した。
なんかいじりがいあって可愛いな。
空音もこんな気持ちなのかな。
いや、空音はただ人をからかう事が好きなだけだろう。
まだ朝も早いというのに、入場門には沢山の人がいた。
いつもこんなにいるのかな?
「わあ〜! 人すっごいいるね〜!」
空音が早速飛び出しはしゃいでいた。
もしかしたらこの人が一番楽しんでるかもな。
「こんなに人が沢山いたら魔法を使える人もいたりしてね!」
穂乃果が何気ない顔でそう言った。
確かにいるかもしれない。考えても無かった。
「3人も使えるもんね!」
「紫伊香さんが1番だと思うけどね」
私の言葉に凛兎君がそう返した。
そう言われると少し恥ずかしい。
入場するまで色々な会話をして時間を潰した。
4人もいると話題が尽きないものだ。
「わ、わあ凄い!」
入場して早々、凛兎君は目の前の景色に驚いていた。
巨大な龍の形をしたジェットコースター、マグマのような巨大なアトラクション、小さな子供でも楽しめるようなメリーゴーランドや、コーヒーカップ。
まだ一部でしかないはずなのに、夢のような景色が広がっていた。
「朝イチの特権! 人気なアトラクションも最初の方はそこまで並ばずに乗れるよ!」
「確かに! じゃあどれが良いかな?」
私の言葉に穂乃果が頷き、パンフレット内のマップで人気アトラクションを探していた。
そこには人気ランキングも書いていたのだ。
「これとかどう〜? しーちゃん好きそう」
「どうせまたふざけたものでしょ?」
「違うよ! ホラーと絶叫の融合ってやつ!」
「ふ〜ん。ちょっと楽しそう」
「えぇ、私絶叫はいいけどホラーは苦手……」
穂乃果は行きたくなさそうだ。
「大丈夫だよ! しーちゃんが手繋いでてくれるから!」
「ちょ、なにそれ!」
「それなら……いいかも?」
「え! それでいいの?!」
私がそう聞くと穂乃果は顔を赤くし無言で頷いた。
「凛兎君は大丈夫?」
「僕は問題ないよ!」
「おっけい! じゃあ行こっか!」
まあホラーと言っても乗り物に乗っているだけだから、いざとなれば目を閉じれば大丈夫だろう。
どんな方向性のホラーかは知らないけど。
歩いて5分の所にあった。
まだ開園してそこまで時間が経っていないのにも関わらず既に30分待ちだった。
相当人気なアトラクションなのだろう。
パンフレットを開くとアトラクションの簡易的な説明が載っていた。
ホラーに関する詳細はこうだ。
首のない化け物や、目が8つ腕が8本ある化け物などが追いかけてきたり、突然現れたりする。
そこから逃げ延び、奥にある宝石を回収するというもの。
「詳細って言ってもあんまよく分からないね」
「確かにね」
空音の言う通りこれだけじゃ分からなかった。
待ち時間もあっという間、ついに乗り物に乗り込んだ。
それを見てなんとなく理解した。
アトラクションに乗り込んだ人全員の安全確認をスタッフが行なった後、注目を集めた。
「それでは遊び方を説明させていただきます! 皆さんは今から宝石を回収する任務があります! しかし途中で見たこともないような化け物が襲ってくる可能性があります。そこでお手元をご覧ください!」
やっぱりそうだ。
「皆さんの手元にある銃は、化け物に有効な弾が込められています! それで迫り来る敵を倒しながら進んでください! それではお気をつけて!」
ただ乗っているだけじゃなく、これで攻撃したりするタイプのやつか。
結構面白いかもしれない。
徐々に動き出した。
絶叫といっても最初はゆっくりなのだろう。
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