第52話 わちゃわちゃ作戦会議
「じゃあ改めて、4人全員が仲間って事で話を進めよう」
「おっけ〜。じゃあしーちゃん言いたい事どうぞ」
空音がやっと真剣な表情になった。
「まずは現状を整理すると、穂乃果と凛兎君は簡単な魔法を使える。空音はハッキング技術はあるけど、実際に元素を操作する魔法は使えないって感じかな」
私がそう言うと3人は頷いた。
「そして私の今の目標は政府から情報を引き出す事。万が一のために2人には魔法を頑張って覚えてもらっているの」
「万が一ね〜、向こうも魔法使えるかもだもんね」
空音がそう言った。
「空音は何も知らないんだよね?」
「本当に嘘ないよ、知らない!」
「ハッカーでも分からないんですか?」
穂乃果が真面目な顔でそう聞いた。
「紙で管理されてるかもなんだって」
私はそう答えた。
「そ、そういうことなんだ……」
「ねえ、今私の事煽ったよね? ほのちゃん?」
空音は鋭い目を穂乃果に向けた。
「ち、違います。もし気に障ってたらごめんなさい」
「大丈夫だよ! 私そんな怖い人じゃないから!」
空音は笑いながらそう言った。
本当にこの人は誰かをからかうのが好きなんだな。
「つまり私達はあの全国放送での情報しか持ってないって事」
私はそう言い、緩んだ空気をまとめた。
「じゃあ、やっぱ政府をボコボコにしないとなんじゃん〜」
「そんな事言ってない! 空音はもっと真面目に聞いてよ!」
「私はめちゃくちゃ真面目だよ! しーちゃんの力になりたいって思ってるよ!」
そう言いまたこちら側のソファに飛び出してきて、私の両手を握った。
「ちょ、分かったから戻って!」
「分かってくれて良かった!」
そう言い空音は戻った。
これじゃあ全然話が進まない……
次また変な事しようとしたら魔法で拘束しちゃおうかな。
「政府が何か企んでいた場合は時間を戻す事もできるから、まず最初に対話からかな」
「紫伊香平気な顔して時間を戻すとか言ってるけど、未だに驚いちゃうな」
穂乃果が私の隣で笑いながらそう言った。
「今は初級の魔法しか使えないかもだけど、そのうち中級、上級って覚えていけるからさ!」
「うん! ありがとう!」
「凛兎君もね?」
「う、うん!」
突然話を振られると思っていなかったのか驚いていた。
「初級とか中級とか私魔法使えないからよく分からないけど、それ私にも教えてよ! ビームとか出したい!」
「やっと言えるよ。私は最初からその話もするつもりだったんだからね? 空音が変な方向に話引っ張っていくからさ」
「あはは、そっかそっか、ごめんごめん!」
反省しているのかどうかは全く分からないが、まあ一旦はいいだろう。
「空音もマナ回路が開いてるって前にも言ったと思うけど、魔法を使う準備はいつでも出来てるの。ただその方法を私が教えないと使えないと思う」
「そうなんだ! 今教えてよ!」
「今はだめ。今度穂乃果が訓練している空き地みたいなとこあるからそこで教えるよ」
「おっけ〜!」
空音はそう言いながら、足をバタバタさせて喜んでいるようだった。
「私から紫伊香に聞きたい事があるんだけど、いい?」
穂乃果がそう聞いてきた。
「うん、もちろん! 何でも聞いて!」
「紫伊香の前世についてもっと詳しく知りたい」
予想外の質問だった。
確かに前世の話はしたが、そこまで詳しい話はしていない。
せいぜいどんな星かとか、魔法が使えるとか、その程度だった。
「私がどんな人だった、とか?」
「そう。後は、仲が良かった人とか」
「私はね、エリーって名前で、魔法を使う特殊部隊みたいなところのリーダーやってたよ」
「なんかカッコいいね!」
「しーちゃんリーダー向いてそうだもん!」
穂乃果と空音にそう言われて少し恥ずかしかった。
「その時よく一緒にいたのがローラって子で、明るくて優しかったんだ」
私は前世のローラと、時間を戻す前の異空間で遭遇したローラの顔を同時に浮かべていた。
「その子の事が好きだったんだ!」
「まあ好きだよ。友達として、仲間としてだけどね」
私は空音の冗談を直接受け止めず、受け流す事にした。
「その人は地球で生まれ変わったりとかはないの?」
穂乃果がそう聞いてきた。
「ど、どうだろう。無いんじゃないかな」
私はそう言い誤魔化した。
わざわざ言う必要は無いだろう。
ローラは死んだんだ。私が異空間で見たあれはローラじゃない。
心の中でそう言い聞かせた。
「そうだよね、きっと紫伊香が特殊なんだよね」
「多分ね!」
私は笑顔でそう答えた。
「これから力をつけていって政府と交渉するみたいな流れだと思うんだけど、具体的にいつとかは決めてるの?」
空音がそう聞いてきた。
真面目な質問をしてくれるだけで嬉しく感じてしまう。
「具体的な日付は決めてないけど、手遅れになったりしたら嫌だから長くても1ヶ月かな? それより早く行けそうならそれでいいけど」
「1ヶ月あれば私は最強になるから大丈夫だよ!」
「どこからそんな自信がでてくるんだか! まあ、その気持ちは大事だよね! 穂乃果と凛兎君も負けないようにね!」
「もちろん!」
「僕も頑張るよ!」
「うん! そうこなくっちゃ!」
3人ともやる気に満ちているようで私は安心した。
これで前回とは違って仲間と共に戦える。
「じゃあ今日はこれくらいで解散しよっか!」
「え〜私としーちゃんの甘い時間はないの〜?」
「そんなのは無いです! じゃ、2人とも帰ろっか!」
私は2人の手を引いてエレベーターへ向かった。
「はあ〜少しは冗談に付き合ってくれてもいいのに! じゃ、訓練の詳細とか決まったらまた電話でもしてね〜」
「はいはい、分かったよ! 電話しなくても知られそうで怖いけどね!」
「あはは、そんなにしょっちゅうは見ないからさ」
空音がそう言うと同時にエレベーターが閉まり上昇した。
何だか1回目の集まりから疲れた。
全部空音のせいだ。
読んでいただきありがとうございます!
ぜひ、面白い、先を読んでみたいと思っていただけましたら、リアクション、ブックマーク、コメント等していただけると励みになります!




