第51話 守るための変態行為
本日より連載再開します!
【ここまでのあらすじ】
地球が滅ぼうとした世界で、風山紫伊香は青瀬琳寧の力によって3年前に戻った。
時間を戻した先で、紫伊香の記憶から琳寧が消えていた。琳寧の前世であるサイカの記憶も消えていた。
時間を戻した先で、飯島穂乃果と再開し、過去の記憶にいなかったクラスメイトの瀬山凛兎、ウィザード級高校生ハッカーの三城空音の3人と仲間になり、共に訓練する事になった。
「空音、私達と仲間になるんだったら勝手に見たりするのやめて?」
私は真剣な表情でそう言った。
「え! なんで、どうして! 生活の隅々まで見せてよ〜!」
空音はおどけるようにそう言った。
私は真剣な話をしているのに……
「はあ、ごめんってしーちゃんそんな顔しないで。私がただ君達を覗いてる変態に見える?」
「うん、見える」
私は即答した。
「あはは、それは心外だな〜! 私はね、君達を守るためにそうしてるんだよ?」
「守るって、何から?」
「しーちゃんは政府に攻撃をしようとしてるんだよね?」
「攻撃って、対話できる可能性も——」
「まあ実際に攻撃するかどうかは置いといて! 政府側も、もしかしたらしーちゃん達を狙うかもよ?」
私はその言葉にゾッとした。
穂乃果と凛兎君も拳を握り、緊張している様子であった。
「私達を?」
「そう! どこから情報が漏れるか分からないからね! もしかしたら既に政府は更に先の事を知っていてしーちゃんレベルでも手がつけられない可能性も!」
考えてもいなかった。
それはあくまで空音の想像だが、ありえなくは無い。
「まあなんとなく言いたい事は分かったよ。私達のためを思ってインターネット上を監視してるって事でしょ?」
「そうそう! 私は君たちの保護者みたいなものなの! こう見えて18歳! つまり成人してるからね?!」
空音はウインクをしながらそう言った。
悔しいけど確かにこの中では保護者のような存在になるだろう。
「こんな人だけど、きっと頼りになるから仲間に入れていい?」
「僕は大丈夫だよ」
「私も悪い人だとは思わないよ。勝手に色々知られちゃってるのは恥ずかしいけど」
2人はそう言ってくれた。
「私から質問したいんですけど、空音さんってレズなんですか?」
穂乃果の口から想定外の言葉が飛んできた。
「え?!」
あの空音も混乱しているようだった。
「だってさっき、紫伊香が彼女って……」
「だ、だからあれは違——」
「あ〜その事! 私は女の子もいけるけど、男の子の方が好きかな〜!」
私が穂乃果の誤解を解こうとするのを妨げるように空音がそう言った。
「そうですか」
穂乃果は無表情でそう言った。
「どうしたのほのちゃん、私の事が好きになっちゃった?」
「ちょ、ほのちゃんて……違います!」
「じゃあ、しーちゃんの事が好き?」
空音はニヤニヤしながらそう言った。
「ちょっと空音、変なこと言うのやめてよ!」
私はそう言った。
穂乃果もいい迷惑だろう。
「はいはい、分かりましたよ、お母さん」
「誰がお母さんじゃ!」
私がそう言うと空音は声を出して笑っていた。
穂乃果の方を見ると、顔を赤くして汗をかいているようだった。
空音のせいだろう。
凛兎君も緊張しているのか、固まっていた。
「一旦茶番は終えよっか」
本題に入るため私がそう言うと、凛兎君と穂乃果は姿勢を正した。
空音は、あくびをしてあぐらをかいていた。
「まず現状をまとめると——」
私は、私達の状況、世界の状況、これからどうしていきたいかを空音に伝えるように話した。覗いていたからといって全て分かる訳じゃないだろう。
「まだ1つ言ってない事あるんじゃない?」
「え?」
「しーちゃんは普通じゃない。だからこそ、もっと色々知っているっていうのが私の予想なんだけど?」
空音の目は真剣さを持ち、口では笑っているように見えた。
既に知っていて鎌をかけているのだろうか。
「私は、前世の記憶がある。そして、私は時間を3年戻してここにいる」
空音にも全て伝えた。これで隠し事はもうない。
「え、流石の私もビックリだよ。 ちょっとよく分からない」
空音が困惑しているようだった。
本当にただ知らずに気になっていただけだったのか。
「私が魔法を使えるのは前世のおかげ。前世は地球とは別の星ね。時間を戻す前の地球は私以外魔法を使えなかったはずなんだけど、今のこの世界は少しおかしいの」
「まとめると、しーちゃんのせいで、私達が魔法少女ごっこに強制参加させられたと……」
「もしかしたら私のせいかもだけど、私だって知らないし! しかも少女だけじゃなくて凛兎君も魔法使えるから!」
「ん〜、凛兎君。瀬山凛兎君。君よく見たらかっこいいかも。しかもちょっと可愛さもある」
空音はそう言い、至近距離で凛兎君を見つめていた。
「ちょっとびっくりしちゃってるじゃん! 離れて!」
私はそう言い空音を向かい側のソファに戻した。
「そうかな? 顔を赤くして喜んでるみたいだけど?」
確かに顔が赤くなっていた。
年上で、しかも可愛い。
男の子なら仕方がないのかもしれない。
「確かに空音は可愛いから、男の子ならきっとそうなるよ」
「しーちゃん嫉妬しないでよ〜! 私は君達3人一緒に4人でしてもいいんだからね?」
「4人でって、何をですか?」
穂乃果は純粋無垢な顔でそう聞いた。
「え? それはもちろん、4人でセ——」
「空音!!」
私は大声を出して言葉を遮った。
「わあ、びっくりした!」
空音はニヤニヤしながらそう言った。
穂乃果と凛兎君も驚いているようだった。
「もういい加減にしてよ!」
「もうそんな顔赤くして怒らないでよ〜」
空音はそう言った。
確かに私は自分でも顔が赤くなっているのが分かる。
怒りからではなく、恥ずかしさからだ。
「じゃあ、怒られないように、清く正しくしてね?」
「はいはい、分かりましたよ。清く正しくね!」
私と空音だけが理解していたのだろう。
2人は何が起こっているか分かっていないようだった。
読んでいただきありがとうございます!
これからまた力を入れて執筆していくのでよろしくお願いします!
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