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前世の過ちを今世で活かす。そして君の存在を次元を超えて証明する。  作者: 茉莉レイ


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第5話 美味しいものは半分こ

 時刻は22時を過ぎ、本格的にお泊まり会をしていることを実感し、世界の未来とか自分たちの過去だとかを全て忘れ2人の少女として過ごしていた。

 

「紫伊香はさ、将来の夢とか、何かやりたいこととか決まってるの?」

 

「夢か〜、そこまで先のことはわからないけど、私は琳寧と一緒の大学に行きたいと思ってるよ!」

 

「一緒の大学か〜、勉強時間足りるかな?」

 

 紫伊香の突然の返事に嬉しさと恥ずかしさを感じ、照れ隠しのように答えた。

 

「またバカにしてる〜! 絶対、絶対頑張って入るからね!」

 

「一緒に勉強して入れるといいね」

 

 琳寧は微笑みながらそう答えた。

 

「琳寧は将来の夢とかあるの?」


「私はずっと紫伊香と仲良く出来ていたらなんでもいいよ」

 

「琳寧ちゃん可愛いとこあんじゃん!!」


 私は琳寧の言葉に無性に嬉しくなり調子に乗って答えた。

 琳寧は顔を赤くしていた。

 

「あ、いきなりなんだけどさ、次の土曜日旅行に行こうよ!」


「旅行か……」

 

 琳寧は返事を躊躇った。

 

「嫌?」


「嫌というわけじゃないんだけど……お金ないし……」


「なんだ、そんなことか! お金のことなら私に任せてよ!」

 

「ありがとう。わかったよ」

 

 紫伊香の半ば強引な誘いに笑顔を上手く作り、その場を乗り切るように返事をした。


 いろいろな会話をしているうちにすでに24時をとっくに過ぎていた。


「もうこんな時間だね」


「そうだね、今日はもう寝よっか」


 未曾有の事態が起こる前から何度もお泊まりはしていたが今日はなんだか緊張していた。

 

「ね、ねえ琳寧ベッドで寝ていいよ、私床で寝るからさ!」

 

「え〜急にどうしたの? いつも一緒にベッドで寝てたじゃん!」

 

「私太っちゃってきっと狭いしさ!」


 琳寧はお腹をつまんできた。


「私より細いじゃん、このアスリートめ」

 

「急に何するの!」

 

 紫伊香は顔を赤くして注意した。

 

「はいはい分かったよ、紫伊香ちゃんは思春期でちゅもんね」

 

 琳寧の挑発に乗らず、布団を敷いて一言残して眠りについた。

 

「おやすみ」


 

 朝を迎えた。

 なんだか頭が揺れて、ぼんやりと目の前に何かが現れた。琳寧だった。

 

「寝すぎだよ! おはよ!」

 

「もう少しだけ寝させてよ」

 

 琳寧は紫伊香よりも早起きだった。

 

「だ〜め! 学校に行く準備してください」

 

「琳寧も一緒に来なよ〜!」

 

「私の居場所なんてどこにもないよ」

 

 琳寧には学校、塾、家でさえも存在が消し去られていて、居場所がなかった。

 

「無神経だった。ごめん。いつか全てが良くなるまでは私が琳寧の居場所でい続けるから、なんでも頼ってね」

 

「ありがとう。せっかくだし姿を消して学校に行ってみる」

 

「そういえばそんな芸当ができたんだったね! じゃあ近くにいてね!」



 二人は学校に向かった。

 もうすぐ体育祭の時期で、今日は朝練や、体育の授業で体育祭の練習を行うため座学が少なかった。

 

「体育祭近いからたくさん体動かせて嬉しい!」

 

「最近勉強ばかり頑張ってたもんね。息抜きできそうで良かった」

 

「私の凄さ特等席で見ててね!」

 

「紫伊香レベルに運動神経いい人なんていないもんね、見とくよ」


 朝練では、大縄跳びの練習を行なっていた。

 

「紫伊香飛ぶ方じゃなくて、回す方なんだ」


 琳寧は遠くで見ながらそう呟いた。


「そういうことか」


 大縄の動きを見て納得した。

 

 誰一人ミスもなく、飛ぶ側のリズムを操作してるかのようであった。


 人に合わせるには飛ぶ側より、回す側の方がいいんだな、と考えた。



 練習が終わり教室に向かった。


「さすがだね、紫伊香」

 

「そっちこそ、短時間でよく理解したね」


 2人は小声で会話をしながら教室に戻った。


 

 お昼休みになった。


 学食で2人で食べるわけにはいかなかったため、売店でお弁当を買って人があまりこない屋上に続く階段に並んで座りお昼ご飯を食べた。

 

「こういうのも新鮮でいいね」

 

「ね! 青春って感じ!」


「けど私はいつまでこうしていればいいのかな」


「私の前世の記憶が蘇れば何か進展あるかもだけど、解析の方はどう?」


「他人に使う場合論理構造が少し複雑でもう少しかかるかな。けどできると思う」


「私のためにありがとうね!」

 

「私のためでもあるし、世界のためでもあるからね」


「確かにそうだね」


 2人は現実逃避するように、見えない何かが侵略する可能性など口には出さず明るい未来についての話をした。



 学校での授業を全て終え、帰宅する時間になった。

 

「今日は解析を進めたいんだけど、もう私が近くにいなくても1人で寝れる?」

 

「な、何言ってるの当たり前でしょ! 解析頑張ってね!」


「じゃあ次は、土曜日だね」


「乗り気じゃん! また土曜日に!」


 2人は土曜日に旅行することを再確認し解散した。


 

 金曜日の夜になり、紫伊香は琳寧との旅行を楽しみにしていた。


 まだ夏と呼ぶには涼しい時期であったため、温泉旅行に行きたいと考えていた。

 

「琳寧最近頑張り過ぎちゃってると思うし、たまには癒しが必要だよね」

 

 そう考えながら、琳寧が好きそうな博物館が近くにある温泉街を探していた。


 けど最近科学と非科学が混ざって頭疲れてしまうかなと思い、美味しい食べ物を食べ歩きできる温泉街を予約した。


 メッセージアプリで予約したことを琳寧に伝えた。


「予約ありがとう。9時に駅で待ち合わせでいい?」

 

 とだけ返信が返ってきて、どんな服を着ようとか、何を持って行こうとかまるで初デート前夜の乙女のようであった。


 

 土曜日の9時になった。

 

「お待たせ琳寧! 待った?」

 

「ううん。今来たとこだよ」


「じゃあ行こっか!」



 2人は電車から新幹線に乗り換えた。

 

「新幹線なんて久しぶりに乗るよ!」

 

「私も久しぶりだと思う。紫伊香はなんの駅弁にしたの?」

 

 新幹線での旅行といえば駅弁が欠かせない。


「やっぱり私は牛タン弁当! 琳寧は?」

 

「私は蟹が入っている弁当にした」

 

「え〜美味しそう、分けて食べようよ!」

 

「いいね、私も食べたいと思ってた!」

 

 2人は美味しいものを食べ、楽しい話を重ねながら温泉街に向かった。

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