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前世の記憶を手に入れた女子高生は、終わりを迎える地球で世界と幼馴染のどちらを選ぶ  作者: 茉莉レイ
第二章

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第44話 敵か味方か

 私は家に帰り、動きやすい服に着替えた。

 

「夜に来いって言われても何時に行けばいいんだろ」


 20時とかに行けば帰りが遅くなりそうで、早く行きすぎて待つことになっても嫌だった。

 

 18時くらいが妥当だろうと思い、現地にそのくらいに着くような予定を立てた。


「いったい誰がこんな事計画したんだ? 私以外に魔法が使えるような人がいるのか?」


 瀬山君のようなパターンが他にもあるのかもしれない。

 それはいいとしてなぜ私にコンタクトを取ったのかは未だに分からない。

 

 もしかすると、私の記憶から消えただけで、その人は実在して接触しようとしているのではないか。

 それなら色々と好都合な気もしたが、私にメリットしかない憶測は危険だろう。


 そんなことを考えていると携帯の通知音がなった。


「あ、穂乃果からだ」


 何かあったのだろうか。

 メッセージと共に写真が送られていた。


「え、もう?! 凄い!!」


 メッセージの内容は


『私達すごいでしょ』


 と書いており、それと一緒に穂乃果と瀬山君が手から水を噴射している写真が送られていた。

 つまり、水の元素を扱う初級魔法を使えるようになったのだ。


 前世の記憶も、魔法に関する知識もない2人が魔法使っている。

 それがどれだけ凄いことか私は理解していて、嬉しかった。


「このままいけば更に強くなりそうだ!」


 世界の変化の影響で、終わりを迎えるのが必ず同じ3年後かは分からない。

 ただ、2人のポテンシャルはそれを差し引いてもお釣りが返ってくるほどに感じた。


 穂乃果と瀬山君を思い切り褒めるようなメッセージを返し、スマホを閉じた。


 2人も頑張っているんだから、私も頑張らないと。

 そう考え、残りの時間はマナに対する感覚を鍛えるべく瞑想を行った。



「——っはあ〜! 集中した!」


 1時間ほど続けていただろう。

 感覚を鍛えるための瞑想はリカネアのベテラン魔術師達は当然のようにやっているもので、それを私は久しぶりに行った。


 なんとなくだが、少し強くなれたような感覚があった。


「あ、やばい! そろそろ出ないと!」


 集中してたあまり、時計を見ていなかった。

 今家を出てギリギリ18時に渋谷駅に着くかどうかの時間だった。


 なるべくマナを温存しておきたいため、魔法を使うのは避けたい。

 体力には自信があったので、走って駅まで向かった。



 ギリギリ電車に乗り込めた。

 気温の影響もあって少し疲れを感じた。


 夏は暑いが、その分電車やお店の中に入った時のエアコンの冷たさは天国のようだ。

 先人達には感謝だ。


 渋谷駅に到着した。

 スマホを見て時間を潰していたのであっという間のように感じた。


 時間を戻してから初めて渋谷に来た。

 あまり変わっていないと思っていたが、想像の10倍街並みが変わっていた。

 ファッションも、食べ物もこの街は最先端を行くため、違いが顕著である。


 同じ時間の流れでも人の集まり方によって、流れる時間が変わっているのだろう。


「じゃあ、行くか」


 気を引き締めて例の建物へ向かった。



「確かこの辺かな?」


 例の建物周辺の景色も当然のように変わっていたため、大体の場所しか分からなかった。


 感覚を研ぎ澄ましたマナ感知を行っても、以前のようなゲートはない。

 誰かに見られている訳でも、怪しい気配がある訳でもなく、ただ大勢の人が歩いている空間にいるだけだ。


「夜っていつのことよ、詳しく書いてよ……」


 数分待てばいいのかもしれないし、数時間かもしれない。

 ただの冷やかしの可能性も、場所が違う可能性もある。


 それによってイライラが蓄積されてきた。


 もしかすると私の方から正体を出さないといけないのだろか。

 お互いに相手を認識できないのだとしたら、全くもって無意味になる。

 かといってこんな人がいる場所で魔法を使う訳にもいかない。


 一般人だけでなく、極秘情報を持っている政府の人達に見られることも避けたい。


 いくら考えてもどうしていいか分からなかった。


「あ、もしかして!」


 最後の可能性を信じてスマホ開き、SNSを立ち上げた。

 そこで新しく私にしか見えない投稿をしているかもしれない。


 おすすめ欄をスクロールして探した。

 きっとまたいいね0の投稿があるだろう。


「あ、あった!」


 ビンゴだ。いいね0の投稿があった。


 もうすぐ会えるね、とだけ書かれていた。


「だから、特徴とか、場所とかもっと何かさ——」


 小さな声で不満をぶつけていると、街中に停電が起こった。

 周りの様子を見ると停電だけでなく、電子機器類も使えなくなっているようだ。


「もしかしてこいつの仕業か?」


 スマホを見ると私の携帯は明るいままだった。

 周りを歩いている人は互いにスマホが使えないことを話し合ったり、パニックになったりしていた。


 現代人はまず何か起きたらスマホを見るだろう。

 そのスマホが使えない今、この街はパニックそのものだ。


 そんなことを考えていると、街中の電気は一瞬で戻り、他の人達のスマホも使えるみたいだ。


「なんだったんだ? 目印かなんかだと思ったのに」


 振り出しに戻ったような感覚だった。

 もう無視して帰ろうかな。そう思っていた時だった。


「そのまま動かず、話を聞け」


 銃のような物を背中に突きつけられ、耳元でそう囁かれた。

 まずいと思い、上級魔法を使い空間を止めた。


 私と後ろの奴だけが動けるように。

 もちろん銃も使えない。


 後ろを振り向いた。


「え?」


 そこに立っていたのは中学生の私より年上に見える女の子であった。

読んでいただきありがとうございます!


ぜひ、面白い、先を読んでみたいと思っていただけましたら、リアクション、ブックマーク、コメント等していただけると励みになります!

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