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前世の記憶を手に入れた女子高生は、終わりを迎える地球で世界と幼馴染のどちらを選ぶ  作者: 茉莉レイ
第二章

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第43話 いいね0のおすすめ投稿

「瀬山君一旦家帰るなら、ゆっくりお風呂入る?」


 穂乃果がそう提案してきた。


「交互に?」


「いや、一緒に!」


 穂乃果に裸を見られるのは抵抗ないが、なぜかダメな気がしていた。


「恥ずかしいから順番にしない?」


「そう? じゃあシャワーだけでいっか」


 結局シャワーだけになった。

 何だか穂乃果は寂しそうな表情をしていた。



 穂乃果の後にシャワーを浴びた。

 

 シャワーから出ると穂乃果が服を置いておいてくれた。

 学校からそのまま来て制服しかなかったため気遣ってくれたのだろう。


 サイズが違うため、上は男の人でも着れるようなブカブカのパーカーで、下はサイズ調節可能なジャージだった。


「下着は借りるの申し訳ないから同じの着けるか……」

 

 多少の不快感はあったが、我慢できる程度だった。


「お、紫伊香私の服着てくれてる! 似合ってて可愛いよ!」


「そうかな?! ありがとう!」


 シンプルなデザインのこのような服はあまり着ないが、中々悪くないなと思った。

 

 それとほぼ同時に瀬山君が帰ってきた。


「2人ともお待たせ」


 スポーツ服の半袖半ズボンで、いかにも男子中学生だなというような服装であった。

 そして少し顔が赤いような感じがした。


 暑さだけが原因ではないのだろう。

 お風呂上がりの女子2人と同じ空間だからだと、再び現れた緊張から感じ取れた。



 その後も楽しい会話や真面目な会話を繰り返し、日付が変わろうとしていた。


「そろそろ私眠くなってきた、2人はまだ平気?」


 穂乃果がそう聞いてきた。


「私は大丈夫だけど、瀬山君は限界近そうだよ?」


「ぼ、くは、だいじょう——」

 

 目が半開きになり、首が何度もこっくりと縦に揺れていた。

 眠いのに強がって起きていたのだろう。

 それが可愛く見えた。

 

「じゃあ寝よっか!」


 私の言葉に全員が同意してくれた。


 瀬山君はリビングのソファーで、穂乃果と私は穂乃果の部屋のベッドで寝ることになった。

 穂乃果のベッドは2人で寝ても広く感じた。

 ベッド自体の大きさだけでなく、この体の大きさも関係しているのだろう。


 万が一のために、リビング周辺でマナを感知をしたら信号を送るような術式を設置した。

 なぜか使ったことのない魔法が自然と使えた。



 穂乃果はすぐ眠ってしまった。

 瀬山君も同じく寝ているようだ、この距離だと何となく分かる。


「どうしよう全然眠れない」


 私は眠気がなく、中々眠れなかった。

 穂乃果を起こさないようにそっとスマホを開き、光量を最小値まで下げ、音量0のことを確認しSNSを開いた。


 会見のことや、異変について調べようとした訳ではない。

 ただ眠れなく、暇つぶしに見ただけだ。

 SNS上のトレンドの旬は短い。

 会見後はそれで埋め尽くされていたのに、今は少なくなっていた。


 画像を使ったネタ投稿や、恋愛関係の話題、政治や宗教の話題もあった。

 どれも面白く、興味深い内容であった。

 これらは大半いいね数などが1万を超える投稿で、おすすめとして表示されるのだ。


 そんな中、おすすめのタイムライン上にいいね数0の投稿が流れてきた。

 画像や動画ではなく文字のみで、3行程度であった。


「これが見えるなら貴方は魔法を使えるということだね。詳しい話をしたいなら明日の夜、始まりの場所に1人で来て」


 魔法が使える人にだけ見えているのだろうか、それとも私だけが見えるのだろうか。

 1人で来てということは、特定の誰かに対してだろう。

 だとすると私に対してのメッセージになる。


 SNS上で私だけに投稿を表示させる魔法は分からない。

 しかも私はこのSNSアカウントは誰にも見せておらず、個人を特定できる情報など載せてない鍵アカウントだ。


「詳しい話か、気になる……」


 敵か味方か分からない。只者ではないことだけは分かる。


 これを明日2人に話したら絶対来るというだろうし、そうなると1人で来てという約束を破ることになる。

 そもそも始まりの場所と言われても1つしか浮かばない。

 二度も異空間に入り込んでしまった渋谷の建物だ。

 

 一度目はどうして渋谷へ向かい、何が起きたかは具体的には思い出せない。

 ただ異空間に入ったということだけ覚えている。


「まあ明日考えよ」


 色々考えていると眠くなってきた。

 明日のことは明日の自分に任せようと眠りについた。



 雨音と共に穂乃果の声が聞こえた。


「紫伊香、朝だよ。起きて!」

 

「もう少しだけ……」


「学校遅刻するよ!」


 そうだった今日は別に休日では無かった。


 どうやら瀬山君はすでに起きていたらしい。

 急いで支度を済ませ朝ごはんを3人で食べた。

 


 学校へ向かう時は変な誤解が生まれないように、瀬山君と私達2人は距離を空けて歩いた。

 友達の家からそのまま学校へ行くのは新鮮な気持ちであった。



 この日の学校では当然のように、会見に関する話題が朝から下校時間まで続いていた。

 学校の立場としても現段階では何も変更する点はなく、通常通りだそうだ。

 未曾有の事態が起こったとしても、社会の歯車は動き続けるのだろう。


「紫伊香今日は訓練する?」


「ごめん! 今日は少し用事があって! 基礎訓練みたいなメニュー送るから瀬山君としててもいいよ!」


「そっか、分かった! ありがとう! 瀬山君に聞いてみる」

 

 穂乃果はもちろん、瀬山君もマナ回路が開いていたため私がいなくても基礎的な訓練はできるだろう。

 私は正体不明の人物に会いに行かなければならない。



「じゃあ、瀬山君! 穂乃果のことよろしく頼むよ!」


「何言ってるの! じゃあまた明日!」

 

 瀬山君と穂乃果は顔を赤くしていた。

 夕焼けだけが原因ではないことがすぐに分かった。


 何だか私は楽しくなってきた。

読んでいただきありがとうございます!


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