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前世の記憶を手に入れた女子高生は、終わりを迎える地球で世界と幼馴染のどちらを選ぶ  作者: 茉莉レイ
第二章

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第38話 魔法とは違う何か

「超能力を使えるってどういう?」


「ここじゃあれだから、屋上で話さない?」


 瀬山君の言う通りここは人が通る可能性もある。


「確かにそうだね。穂乃果も行こう!」


「う、うん!」


 穂乃果も瀬山君の発言に動揺している。

 私も同じく状況を掴めていない。


 3人は屋上へ向かった。



「屋上って人いないんだね」


「本当は入っちゃいけないからね!」


 瀬山君は目を見開き、困惑していた。

 

 屋上は本来生徒は立ち入り禁止で、入ることができない。

 ただ私は簡単に鍵を解除することができる。


「それで超能力使えるってどういうこと?」


「超能力使えるとは言ったけど1つだけなんだ」


「見せて」


 私がそう言うと瀬山君は頷き、ゆっくりと私達から離れた。

 どんどん離れていき、5mほど離れただろう。


 一体何をするんだ?


 指を地面につけ、ゆっくりと円を描くように優しく地面をなぞった。

 半径50cmほどの円だろう。


 何も起こらないように見えたが、数秒待つとその円が広がり出した。

 私達のギリギリ手前、半径5mほどの円まで広がった。


 広がったのを追ったから目で見えていたが、一瞬目を離すとどこにあったか分からなくなった。

 それほど透明に近い色をしていた。


 マナ感知を行ってもどこにあるか分からない。

 あれは一体何なんだ。


「そのまま片方ずつ前に進んでみて」


 瀬山君から敵意は感じられない。大丈夫だろう。


「穂乃果待ってて、私から行くから」


 私はゆっくりと前に進んだ。

 確かこの辺にあったはずだ。


 円があるであろう場所に足を踏み入れると全身に悪寒が走った。

 次の瞬間10m先の瀬山君と同じ場所にいた。一瞬の出来事であった。


 時間操作特有の違和感などはなく、ただ瞬間移動したような感覚だ。


「じゃあ次は私が行くね」


 穂乃果は慎重に足を踏み入れた。私の動きを見ていたから大体の円の場所はわかるだろう。


 右足、左足と順番に入った後、動きが止まった。

 止まったというよりもスローモーションになったの方が正しい。


 穂乃果は10mほどの距離を、そのままのペースで行くと3時間かかるような速さで進んでいた。


 瀬山君が円に触れることによって穂乃果の動きは解除された。


「おうっと」


 突然の動き出しに耐えられなくなった穂乃果を私はキャッチした。


「ありがとう! ほんとびっくりした! なんか突然動きが止まったように感じたよ」

 

 穂乃果の体感も見ていた側と同じそうだ。


「一体あれは何なの? 瀬山君」


 私は能力について聞いた。


「僕もよく分からないんだけど、超能力を使う鮮明な夢を見た後、何だかできる気がしてやってみたらこんな感じになったんだ。風山さん分からない?」


 瀬山君は本当に何も知らなそうだ。


 私が魔法を使えるのは前世のおかげ。

 地球人が魔法を使えるようになるためには、私が穂乃果にやったように閉じたゲートを開く必要がある。


 しかし、瀬山君は夢で見て、それができたという訳だ。

 

「えっと、正直いうと瀬山君の能力とか原理はよく分からないんだ」


「そ、そっか……」


 悲しそうであった。

 超能力と言っても便利には見えないもんな。

 

「代わりに私の秘密を教えてあげるよ!」


「ほんと!」


 私より身長が高い男の子だけど可愛く見えた。

 弟にしてもいいな。


「私はこれを超能力ではなく、魔法と呼んでいる」


 瀬山君には、前世のことや時間を戻す前の地球の状況を言わず、ただ私が色々と魔法を使えるということを話した。


「魔法?! 僕が超能力と呼んでいるような力をたくさん使えるんだ! 凄い」


 驚きを超えて感動しているようだった。なんだか恥ずかしい気持ちになった。


「僕ファンタジー作品とかよく見たりするから、凄い興味深い! なんか魔法見せてよ!」


 確かに男の子はそういうの好きだよね。

 いきなり魔法とか言われても困ってしまう。


「じゃあ簡単なやつね!」


 まず私は屋上全体に認識阻害魔法をかけた。

 その後指を軽く振り上げ、呪文を唱えた。


「レビナフォール」


 屋上の範囲の天候が悪くなり、黒い雲が集まった。


 そこから電撃を纏った金属製の針が雨のように大量に降り注いだ。

 まるでそれは、死神が鎌を振り下ろすように見える。


 これはフォールの死神と呼ばれたレビナという人が編み出した技だ。

 金属を瞬時に生成し、雷雲を集め、雨のように降らせることで大量の敵を一気に殲滅できるという恐ろしい魔法。


 その景色を見せ、屋上に到達する前に全て相殺した。

 そして局所的な天候の悪さもなくなり、晴天に戻った。


「どう? 凄いでしょ?」


「わ、わ、な、何これ……」

 

 瀬山君は腰が抜けていた。

 驚きを通り越して恐怖にまで到達していた。


 あちゃ〜やりすぎたかこれ。


「流石に、これはびっくりしちゃうよ」


 穂乃果も震えていた。

 ただ、その場に立つことはできていた。


 おお凄い。マナ回路が開いたことで精神力も強くなってる。


「2人ともごめん! 何見せていいか分からなくて強めのにしちゃった!」


「ほんとびっくり! それよりこんなことして他の人にもバレない?」


 穂乃果がそう思うのも仕方がない。認識阻害を知らないのだから。


「安心して! 見えないような魔法を屋上全体にかけているから!」


 胸に手を当て、優しく息を吐き出し安堵していた。


「魔法についてわかった?」


 瀬山君はまだ若干震えて、しかも涙が出ていたが頷いてくれた。

 逆の立場だったら私も恐ろしく思うだろう。


「後10分くらいしか無くなっちゃったから、一旦お昼食べよ!」


 瀬山君と穂乃果も同意してくれたので、急いでご飯を食べることにした。

読んでいただきありがとうございます!


ぜひ、面白い、先を読んでみたいと思っていただけましたら、リアクション、ブックマーク、コメント等していただけると励みになります!

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