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前世の記憶を手に入れた女子高生は、終わりを迎える地球で世界と幼馴染のどちらを選ぶ  作者: 茉莉レイ
第二章

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第34話 懐かしさと仲間集め

 ぼんやりとした頭に響く、蝉の鳴き声や子供の無邪気な声が聞こえた。

 私は公園のベンチで横になっていた。


 そういえば昔、学校帰りに歩いてる時めまいがして公園のベンチで休んだことあったっけ。

 そんなことが浮かんだ。


 違う。私は——


 体を起こし周りを見渡した。

 子供や大人に、道路を走る車が存在している。


「やった! 成功したんだ!」


 地球が終わる日、それを変えるために過去に飛んだんだ。

 私は風山紫伊香。そして前世は魔法が存在する星リカネアのエリー・ベンジャミン。

 ちゃんと覚えている。

 魔法を使って未来を変えてやるんだ。


 スマホを取り出しカレンダーを見ると3年前に戻っていた。

 つまり地球が終わる日まで3年もあるという事だ。

 

 魔法を使い、暑さからくる不快感を取り払い家に帰った。


 

「ただいまお、母さん!」


「おかえり、紫伊香!」


 私は急いで部屋に戻った。

 地球に何も異変が生じてないか、私の知っている過去と変わっていないかなど、徹底的に調べた。


 それは杞憂に終わった。


「良かった! 何も変化なさそうだ!」


 特に変わった点がないことに安心し、これからの3年どう行動するかを考えた。

 今の私は体は少し小さくなったが、知識や力は変わっていない。

 魔法も使えるし、今の年齢より精神年齢も高い。多分。


 ただ1つ何かが抜け落ちているような気がしていたが、後回しにした。


 とりあえず、毎日マナ貯蔵量を増やして、長期戦をできるようにしよう。

 

 もしかしたら地球人のこの体で魔法を使えるという事は、閉じた回路を外からこじ開ければ地球人も魔法を使えるようになるかも。


 なぜか時間を戻す前の地球では感じ取れなかったマナが空気中に含まれていた。

 そのおかげで作戦の幅が広がった。



 その日はご飯を食べ、お風呂に入り、早めに寝た。



「紫伊香〜学校遅れるよ〜?」


 お母さんの声で飛び起きた。

 そうかこの体は中学生で、今日は平日だから学校があるんだった!


 なるべく訓練に時間を割きたいと思っていたが、仲間集めもできるかもと思い学校へ向かった。



 懐かしい教室だ。中学生だったのは3年も前なのだから当然か。


「おはよう紫伊香」


「お、おはよう穂乃果!」


 顔が幼い。高校生と中学生ではこうも違うのかと思い知った。

 当然私の顔も3歳若返っている。


「なんか雰囲気変わった?」


 親友にはなんでもお見通しというわけか。


「なに〜? お姉さんに見えちゃった?」


「そんなキャラだったっけ、なんか今日面白いね」


 穂乃果は私の言動に口を押さえ笑っていた。

 同じ年齢なのに妹のように感じてしまった。

 

 

 午前の授業が終わりお昼の時間になった。


「穂乃果ご飯食べよ!」


「なんか楽しそうだね」


 もちろん楽しい。

 久しぶりの中学生活で、授業も先生も全てが懐かしく感じ楽しかった。


 穂乃果とお昼ご飯を食べるために屋上へ向かった。



 お昼ご飯を食べながら、色々と懐かしい話をしていた。


 穂乃果なら、と思い私は打ち明けることにした。

 全てを隠さずそのまま伝えた。


「え? 前世? 魔法? 地球の終わり? 本当にどうかしちゃったの? 映画とかアニメの見過ぎだよ」


 穂乃果に笑われてしまった。

 この世界でまだ何も起こっておらず、急にそんなこと言われても信じられる訳ないか。


「これでも信じない?」


 私は空気を操り上昇気流を起こした。

 私と穂乃果は宙に浮いた。

 穂乃果は信じられないくらい面白い表情をして震えていた。今にも漏らすんじゃないかというほど汗をかき震えていた。


 あまりにも見たことないような表情をしているので思わず笑ってしまった。


「あはは、何その顔! ねえ、どう?!」


「し、紫伊香……私、夢でも見てるの?」

 

 震えた声で聞いてきた。


「頬引っ張ってみたら? 現実って分かるから!」


 穂乃果は律儀に頬を引っ張っていた。

 

「いったぁ〜、これ夢じゃなさそう……」


「やっと分かってくれたか! これは簡単な魔法のうちの1つだよ!」


「さっきの話、嘘じゃないみたいだね」


 非現実的な出来事を目にしたため先程の話を冷静に受け入れることができたようだ。

 高校生の穂乃果と同じく、中学生の穂乃果も頭の回転が早い。


「それで、どう? 私と一緒に世界救わない?!」


「そうは言われても、世界って……」


 ある程度理解したと言っても急に世界を救うなんてスケールが大きすぎたんだろう。

 私と違い穂乃果の記憶は中学3年生までの15年間だけだろうから、背負い切れないかもしれない。


「ごめんごめん! 世界なんて大きなもの考えずにさ、とりあえず魔法使えるようになってみない?!」


「それなら、試してみてもいいけど……」


 若干の不安は残っているようだったが、魔法を覚えることに同意してくれた。


「じゃあ、放課後あそこの空き地集合ね!」


「分かった」


 2人は午後の授業を受けに行った。



「あ〜やっと授業終わった〜」


 6時間目の授業が終わった。

 数学の授業であったが、高校での内容と比べると簡単で、退屈だった。


 穂乃果は委員会の仕事あるそうなので、先に行って準備しておくことにした。


 家とは反対方向だったため、制服のまま空き地に向かった。



 昔は大きな公園だったそうだが、そこで亡くなった方がいるということでずっと空き地になっている場所だ。


「ここを曲がると、見え——」


 曲がろうとしたが一瞬で身を隠した。

 空き地のはずだが、人が6人ほどいた。


 おかしいな、ここあんま人来ないのに。


「うわ、なんかガラ悪そうな高校生じゃん……」


 制服を着てタバコを吸っている人を人生で初めてみた。


 あまり魔法を他人に見せたくないし、トラブルにもなりたくないからやめとこうかな……


 

 電柱に隠れながらしばらくみていると、穂乃果が空き地に入ってきてしまった。

 私が進んだ道と別方向から入ったため、きっと見えなかったんだろう。


「お、可愛い子いんじゃん! 俺らと遊ぼうよ」


「い、嫌です……離して……」


 穂乃果は腕を掴まれ逃げ出せずにいた。

 

 

読んでいただきありがとうございます!

ここから第二章の中学3年生の頃に戻った紫伊香の話が始まっていきます!


ぜひ面白い、先を読んでみたいと思っていただけましたら、リアクション、ブックマーク、コメント等していただけると励みになります!

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