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前世の記憶を手に入れた女子高生は、終わりを迎える地球で世界と幼馴染のどちらを選ぶ  作者: 茉莉レイ
第一章 

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第30話 2人だけの甘い時間

「琳寧、私達これからどうなっちゃうんだろうね」


 琳寧を暗い気持ちにさせないよう心がけていたが、私自身が暗くなってしまった。


「嫌なことは考えず今は私に甘えていいよ」


 私の表情を見て優しくそう言ってくれた。

 私が琳寧を元気付けるつもりがいつの間にか逆になっていた。


「他にして欲しいことある?」


 再び優しく聞いてきた。その声だけで耳が幸せだ。


「チューして」


 私は恥ずかしさを抑えながらそう言った。

 きっと抑えきれてはないだろうが。


「分かった」


 そう言い琳寧が顔を近づけてきた。私の目には琳寧だけが映っていた。


 それに合わせるように私は膝から少し頭を浮かせ、顔を近づけた。

 心臓の鼓動が早くなるのを感じた。


 ハイタッチをするかのような1回だけの軽い触れ合いであったが、それだけで満足だった。


「幸せだよ」


 私は琳寧の目を見てそう言った。

 琳寧は照れていながらも嬉しそうにしている。


「私も幸せ!」


 言葉にしてくれるだけで安心感が溢れた。


「琳寧は私に甘えなくていいの?」


 私だけじゃなく、琳寧にも同じ気持ちを味わって欲しい。


「わ、私は別に……」


「いいからいいから!」


 恥ずかしがる琳寧の頭を今度は私の太ももの上に乗せた。

 膝枕のする側とされる側のバトンタッチだ。


「紫伊香いい香りする」


 琳寧は膝枕されているだけでなく、私の服の匂いを嗅いできた。


「ちょ、ちょっと、恥ずかしい!」


 太ももの上で無邪気な様子で私の匂いを嗅いでくるため、恥ずかしくなってきた。


「ここ温かいね」


 匂いを嗅いでいるだけじゃなく、今度は服の中に顔を入れてきた。


「そ、そんな場所で喋らないで!」


 琳寧の息がお腹に吹きかかりむず痒さを感じた。


「くすぐったいよ!」


 琳寧の表情は見えなかったが、なんだか楽しんでいる様子に感じた。

 少し恥ずかしいが、楽しい気持ちでいてくれるならいいか。


「紫伊香のお腹細くて若干腹筋割れてて好き」


 私の目の届かない場所でそんなことを言われて恥ずかしく無いわけがない。


「なんだか恥ずかしい……」


 私の言葉なんか聞こえてないと言わんばかりに今度は触れてきた。

 優しく軽く琳寧の唇が私のお腹に触れた。


「ちょ、琳寧……くすぐったい……」


 確かにくすぐったさもあった。

 しかし今回はそれだけじゃないものを感じた。


 琳寧はそのまま舌を伸ばし、私のおへそをなぞってきた。

 力を入れず優しくそれを繰り返してきた。


「り……ん、ね……」


 くすぐったさと内側からくるむず痒さのようなものが混ざり合っていた。


 私は琳寧の次の動きに緊張していた。

 抵抗しなければそのまま上に進んでくるような気がしていた。


 若干怖さもあったが、内心はそれを期待してしまっていた。


 しかし琳寧は満足したように、服から出てきて、私の足から離れた。


 え……終わり?


 私は心の中で少し残念に思ってしまった。


「ごめんね変なことしちゃって。なんだか紫伊香の匂い嗅いだら安心しちゃって」


「う、うん。大丈夫だよ!」


 私は正直に言えなかった。そのまま続けて欲しいとは。


 琳寧のお風呂での言葉を聞いてから、こんな世界の状況でどこまでなら良くて、どこからがダメなのか分からなくなった。


 だからお互い手探りで恋人として甘えていたんだ。




 すっかり夜も更けていた。

 

 紫伊香と琳寧は不安を浮かべることがないほどお互いのことを甘やかし合った。


「もうこんな時間になっちゃったね」


 琳寧の一言で気づいた。もう23時を過ぎていた。


「え、時間経つの早くない?! 琳寧時間進めたでしょ!」


「そんなことしないって! 人は楽しいと思っている時、時間の経過を早く感じるものなんだよ!」


「確かに幸せだったもんね!」


「うん!」


 琳寧も幸せに満ちたような表情をしていた。目も輝いて見えた。


「もう寝る?」


 琳寧がそう聞いてきた。


「疲れた? そういうわけじゃないんだけどさ、体力温存、的な?」


「確かにそれもそうだね!」


 琳寧の言うことに一理あったため寝ることにした。


「手繋いで寝ようね」


「て、手?! なんか恥ずかしい」


「お願い!」


「う、うん。分かった」


 なんだか手を繋いでおかないと朝起きた時に私の元からいなくなってしまうように感じられたため、どこにも行けないように繋いでおきたかった。


 琳寧も了承して、手を繋いでくれた。


「紫伊香って手を繋ぐの本当に好きだよね!」


 琳寧は笑顔でそう言ってきた。


「琳寧の手を握っているだけで安心できるんだ〜!」


「何それ、可愛い」


 そう言って反対側の手で私の頭を撫でてくれた。

 私はそれがたまらなく嬉しかった。


「琳寧だってさ、私と手を繋ぐことができるのは嬉しいでしょ?」


「もちろん! 紫伊香の指細くてサラサラして触り心地もいいからね!」


 なんだか恥ずかしい。手の感触をそう具体的に言われるのは。


「琳寧ってさ、私の全部超好きじゃん!」


「なんか恥ずかしい!」


 その一言で顔が赤くなり、隠れるように顔を枕に沈め、足をバタバタとしていた。

 

 少しの間を空けた後に私は口を開いた。


「——もしさ、全部時間戻せたとしたら何とかなるのかな」


 その一言で琳寧の足の動きは止まった。


 そして手は繋いだままにしてくれたが、私に背中を向け、無言のままだった。


「りん、ね?」


 突然のことに、何か気に障ることを言ってしまったのかなと不安になった。


「きっとうまくいくと思うよ」


 少し震えたように感じる声でそう返したきた。

 

 私は今時間を戻す力がないが、琳寧にはもしかしたらできるのかもと期待した。


 今の琳寧は疲れたのか、それ以上話してくれそうにない。


「今日は疲れたね、寝よっか!」


「うん。おやすみ紫伊香」


「おやすみ! 琳寧!」


 最後までこっちを見てくれなかったので、仕方なく手の甲にキスをして眠りについた。

読んでいただきありがとうございます!


ぜひ、面白い、先を読んでみたいと思っていただけましたら、リアクション、ブックマーク、コメント等していただけると励みになります!

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