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モブですらない俺が陰の英雄とされて困っています〜魔導科学の暗躍者  作者: 高麗豆腐
〜第二章〜パンドラと2人のイレギュラー
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神楽サイド

「イタタ。いやぁ、参ったな軽く500は飛ばされたぞ」

指揮官として神楽は飛ばされた時に、全員の方角は確認していた。

ひとまず、2人で一緒に飛ばされていた真と内田と合流しようと歩き始める。


元いた場所に戻るくらいのあたりで、何故か巨大な石碑が建っている。


石碑の前には人影があった。人影はこちら側に背中を見せている。腰には、刀の鞘が紐で吊るされており、鞘に装飾はなく、ただ頑丈さを追求した武骨で実直な名品、pandoraだと神楽には見えた。


人影が神楽に気付いたらしく、こちらを振り返った。振り返る動作には隙が無く武人としての存在があった。


だが、その振り返った人影の顔は何もなく、軍帽だけが中に浮いていた。訝しんだ神楽が目を凝らしてよく見れば人影は、軍服を着た透明人間、いや若干顔以外は半透明だがうっすらとした形があった、いや正確には神楽が任務のために着ている軍服を着ている透明人間だ。違いは軍服の足元だけが完全に透明なだけ。まさしく妖たる幽霊がそこにいた。  


「何故にまた、僕の姿を真似たんだい?」「今や妖の類であるとはいえ、我はPandoraシリーズが一振り日本刀 神風よ。主君に相応しき指揮官であり武人がいるのだ。同じものを使い試すしかあるまい?」


どうやら、この刀は意識があるPandoraタイプで、自分で移動することができる幻影になってからはこうやって主君に相応しいが禁足地に来るのを待っていたようだ。


「無論、お主は我の基準に合格しているし、適正もある。だが、だからといってだ。試さんわけにはいかない」


その言葉が終わらぬうちに、神風は神楽に対して凄まじい速度で懐に飛び込み、回転するように鞘から刀を抜き放ち、同時に鞘を叩きつけるという2連撃からなる抜刀術を繰り出して来た。


「洒落にならないんだよ。その、『雷汞』はね」

神楽は、同じ技を使い、防いだ。何故、神楽が神風と同じ技を使えたのか。


それは、神楽が普段は隠して使うことになっている神楽坂家に伝わる秘伝の刀術『叢雲流』と寸部違わず同じだったからだ。


ギャリイン

ガガンッ


互いの刀身と、鞘がぶつかり両者の間に火花が散った。


神風は必殺の一撃を防がれたにもかかわらずどこか楽しげに、笑いを堪えるかのように体を震わせていた。

「カカカ、そうか。以前の主の名前は神楽坂 彼方と言ったが、彼奴と同じ技。もしやお主、彼奴の子孫か?「そうだよ。ソイツは五代以上前だがね」うむ、それならばこの一撃も反応できるか」


「だからといって、君の刀身と僕の刀での鍔迫り合いは分が悪いんだよ!」


神風の凄まじい切れ味と粘り、刃こぼれのし辛さを誇る刀身によってこちらの刀の刃こぼれを恐れた神楽は『叢雲流』に存在する相手の刀の反発で距離を取る瞬間に蹴りを入れる技『逆雷』を神風に入れた。


「カハッ」

腹に強力な蹴りを入れられた神風は石碑に蜘蛛の巣状に幅が入るほどの速度で叩きつけられた。


「あいにくだが、今も『叢雲流』は進化していてね。最近は魔導も併用するんだよ」


「やりおるな」

叩きつけられた神風は今度は、石碑を足場に、神楽の前に着地した。


着地した神風は、少し距離を取っていた神楽は同じ構えをとった。それは『叢雲流奥義 紅雲龍水』という構えだった。


「しからば、この一撃を持って終となそう!」「望むところだ」


ドバン


互いに距離を詰めるため、足元を砕く力で蹴り、相手に向かって飛ぶ。

「「奥義、紅雲龍水‼︎」」


紅雲龍水。それは、切り裂いた相手の血が雲のようになる神速の連鎖撃。龍のように縦横無尽に駆け回り、水のように形を変えて相手を屍に変える奥義の一つだ。


ギャリイ

バチィ

神楽と神風による神速の斬り合いが続く。


しかし、力で優っていた神楽が神風の刀を僅かに弾いた。


「残念だ『奥義改め 龍遂煌雲』‼︎」「グアッッァあ」


シャラン


龍遂煌雲。紅雲龍水から、神楽が派生させた技。各々の属性刃を魔導で生成し、それと同時に切り裂くという相手を切り裂く途中に混ぜられたら、反応が出来ない初見殺しの技だ。


「み、見事!」


その一言を言うと、神風の姿は軍服姿から日本刀へと変わった。


日本刀へと変わった神風の刀身に波打つ刃紋は風のように逆巻いている。神楽が魔力を刀身に通すと、どうやら波紋に特に魔力が通り波紋が更に逆巻いた。どうやら刀身の波紋が魔力回路となっているらしい。また日本刀らしく神風にも僅かな反りが入っており、先端から少しの間は両刃になっている。奇しくも、神楽が使う刀と同じ形の、いわゆる小烏丸造りと呼ばれる刀に酷似していた。


「良いね」


「ありがとうございます、ご主人様」「なーんか、口調変えたよね?」先程までの、武人らしさはなりを顰めて、誇らしげに胸を張っているのが幻視できた。聞こえてくる声も少女のように高い声に変わっていた。


「む、持ち運びについてはご安心を!拙は形態変化が有ります故に問題はありませぬ」


そう言うと神風は、先程の幻影のように実体を持った。問題は先ほどの軍服姿の男性とは違い軍服を着た少女だということ。


「ご覧の通り、拙は自力での行動、戦闘も可能ではあります。魔力については、拙と魔力回路を開いてさえ貰えれば幾らでも、魔導も使える故」


「って、なんで女ぁ⁉︎」


神楽のロリコン疑惑による受難が始まったのかもしれない。

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