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モブですらない俺が陰の英雄とされて困っています〜魔導科学の暗躍者  作者: 高麗豆腐
〜第二章〜パンドラと2人のイレギュラー
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真、内田サイド

切り裂かれ穴だらけの外套と額から僅かに血を流した跡がある真と、同じく腹部の周辺が僅かに赤に染まった外套代わりの白衣を羽織る内田は鎖でできたハンモックに座っていた。鎖の両端は中に浮いて固定されており、無属性魔導だと見るものが見れば一眼で分かる。


「しかし、状況は最悪だな」「全くです」

俺たちは、琴音や神楽さん達とは違って外側にいた分回転などの影響を受けなかったお陰で直ぐに受け身が取れあまり吹き飛ばされずに済んでいた。

  

もっとも、片や負傷した後衛。防御手段のための鎖の魔力が無くなり始めた前衛が合わせて2人と実際、状況は中々に不味い。


幸いなのは、龍が竜巻を使った後、空へ空へと登って行ってくれたことだ。追撃の可能性はあるが暫くは心を休めることが出来る。


休憩する間に、色々と内田さんと会話交わす。これから先どうやって四方に飛んでいった仲間達と合流するのか。龍との戦いで負った傷はどうなのか。魔力の量は。といった具合だ。


そして、奥へと飛ばされた4人を探すために立ち上がる。万が一に備えて鎖の迷宮は張ったままにした。


真と内田が周囲を警戒しながら、指揮官である神楽を2番、単独では未だ不安が拭えなかった琴音を探すことを一番の目的とし、琴音が飛ばされていった方向へと進んでいた。


暫く進み、地面に僅かな雑草が生え始めたところで、真は、以前の幻想の牙の襲撃と同じように静かすぎることに、不安を覚えた。真が不安を覚えたとき、内田もまた不穏な気配を感じていた。理由は万が一に備え開いていたアメノヒスミノミヤからの通信のための電波が急にピタリと途切れたことからだ。


「……内田さん、嫌な予感がします」「奇遇だな、私も嫌な予感がする」


ほとんど同時に言葉を発しようとした2人は顔を見合わせて、これは不味いと悟った。


「トラップを貼りますね」「効果は?」「周辺の魔素が乱れれば鎖が揺れて分かります」


真が自身を中心に半径50メートル程を範囲として指定し、鎖の迷宮の鎖を張りブービートラップの代替品にして捜索を続ける。


途端、後ろに設置した鎖がぶった斬られたことに気づく。


「早すぎるだろ⁉︎」「やれやれ、ツキがないな」


2人が同時に横に飛ぶ。


数瞬、2人がそれぞれいた場所に深い刀傷のような溝が刻まれた。


「GOGaaaaaa‼︎」


「仕方がない、とっておきの薬品を出さざるを得ないか」「リーチを増やしますかね《風塵五尺刀(エアロ・ブレイド改)》《鎖の迷宮(チェインクノッソス)》《起動》《無剣の迷宮(インフィティブレイド)》内田さん、悪いんですけど鎖の援護は出来ません」「クク、中々地獄だなだが」「ええ」


「「それでも真の絶望では無い」」


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