表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モブですらない俺が陰の英雄とされて困っています〜魔導科学の暗躍者  作者: 高麗豆腐
〜第二章〜パンドラと2人のイレギュラー
38/69

異分子として

過去の行動を幻視し風呂で溺れかけた俺は、頭を切り替えるためにこの世界に来て始めた研究を行う用意を始めた。

 

ここで一つ説明すると、

この世界に転生した転生者として、第三席としての真が研究しているのは幾つかに分かれている。


一つ目が琴音が持つ召喚魔導・〈サモンマギ〉などが発現する条件。


二つ目が真自身が使っている鎖の魔導を活かせる武装のプランだ。コレについては内田晃誠と共同、というよりアイディアを出すと言った形を取っている。


もう幾つかは目処が立つことが当分というかPandoraの適正が分からないことには研究出来ない要素が多く含まれているので真は先送りにしている。よって具体的には決まらないのが三つ目以降だ。


閑話休題。


気怠い体を動かして研究を始める用意をしていた俺だったが、再び睡魔に襲われた。

余りの眠気にこっくり、こっくりと頭が上下する。

「や、ばい。全然、進んで、ないのに」


 その言葉を呟いたきり俺は再び、幻視した。


 そこで、ひたすらに自分の行動を見つめることになった。


 見つめることになった光景は自身が有原琴音を幻葬士の道に引き摺り込ませる原因となってしまったあの学校でおきた領域生成を解決し学校から出てきた時の場面だった。


だが……俺はそこで違和感を感じた。


「うぅ、よりにもよって隠し事をバラされる原因がマスコミだなんて」


何やら、琴音の周囲にはマスコミが集まっていた。その時いた筈の俺や神楽さんの姿は無く、騒めくマスコミと琴音の姿が見えた。


聞こえた琴音の言葉から推測する。


「さしずめ、領域発生時に俺がいない世界。いや、学校で動かなかった……或いは転生者ではない場合か?」


そう推測すると同時に不快感が込み上げてきた。


マスコミに良い様に見世物にされる琴音。それの原因は何にせよ俺が居なかったのが原因だ。


だが、琴音は本当に今……幸せになることが出来る道にいるのだろうか。少なくとも、自分が知るゲームの世界の方が幸せになれたのではないだろうか?


たしかに……原作であるゲームの世界ならば琴音は、俺がこの場で何故か観ることになった一幕が原因で恐らく幻想の爪に目をつけられて攫われるのだろう。


だが、それでも非人道的な実験というよりサンプル、貴重な存在としてかなり丁重には扱われていたはずだ。


それを俺は捻じ曲げて不幸になる可能性が高い世界に巻き込んでしまった。


気づくと俺は溜め息と共に自らを嘲る。


「考えてみれば……俺はゲームにとってバグいや定められた流れであるこの場合は異分子と言ってもいいな……」


一度、自暴自棄になるともう出てくる言葉は止まらない。


「怪我すりゃ、琴音は俺を恨んでくれるかね……せめて俺を責めてくれるならこの世界の異分子として自分を認められるんだがな」


「いや、そもそも最初からいなければ良かったんだ。下手に力を持ってしまったからこうなっているんだよなぁ。」

 

「ほんと、ある意味で失策だよ。恐らく、ゲームのこととして一番知っている俺が行動する内容を変えれば影響が出ない筈無いのにな」


「バタフライエフェクトだよな、確か。あの言葉間違ってはいなかったなぁ。そもそも1度目の時の死のままで良かったんだ。そうすればこの世界はきっと主人公がどうにかしてくれた」


俺の口からは、世界に対する自分勝手な願いをぶちまけられた。


自分の頭では分かっている。身勝手な願いでは何にも変わられない。変わるとしても自分勝手な願いを使って嘘を塗り固めて都合良くしてしまう。


「……ハハ、何のために俺は強くなろうとしたかな……それなんてこの世界で俺の意味を残したかったからだ」


 漠然と呟き続けながらふと風景の中の琴音を見ていると場面の様子が変わった。視界が少々闇に包まれる。が、潜入調査つまりスパイのような役割を求められた俺にとっては暗視が出来たので普通に見れる。

  

 「あぁ、あああぁああぁあぁぁぁぁ‼︎」


 そこで見えたのは、琴音が崩れ落ちて哭き叫ぶ光景だった。琴音の頭の向きから察するに正面にあるものを見たのであろうそう判断し俺は視線を向けた。


 ……哭き叫ぶ訳だ。ゲームでも出て来た幼馴染が目の前で斬り殺されたのだろう。ゲームでも見た姿が転がっていた。


 「全く、援護も無しにここに来て死ぬとはな。つくづく無駄死にだ。」


 冷たい声が響いて風景は弾けて消え去った。


 ゲームでも存在はした最悪の敗北場面。もし、もしもこんなことがこの世界でも起きたらということを俺は忘れていた。


 そして幻視から目が覚めた。


 「は、はは。忘れていたわけではなかったろうに…!俺は力は手に入れたんだ。最初から少しずつ持つ願いの量が増えては変わっただけだ。仮にも精神的にはジジイなんだ。俺がアイツらを護らずどうする‼︎」

 

 そう決意を口にした。これで3度目。

 初めは、世界を見てまわる。最強。

 2度目は最強の幻葬士。


 3度目の今回からは最強の幻葬士であり、護り手。

 というか何気に俺、現状把握したらかなり良い線いっていないか?


 初めの世界を見てまわる。これは世界の知識が無かったときの話。実際のところ任務で飛びまわることは確実。最強.…戦闘能力のことを考えたら俺はかなりトップだと言える。実際一人でラスボス側近と殺り合ったし。


 

 まあ、三つ目の護り手は魔導を活かすにしろ、最低限の動きは覚える必要がある。

 


 「……トレーニングルームに魔導計測器とレポート用紙とか持って行くか」


 そう、呟きドアを開けようとするとノックが鳴った。これは、神楽さんかな。トランプやろうと誘っていたし……断るのも忍びないか。


 「はい、今行きますか…ら⁉︎」

 そこに居たのは、笑顔の神楽さんではなく、何やら真剣な表情の琴音だった。

 

 「えっと、師匠。今、大丈夫ですか」


 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ