任務と新装備
新たに下される任務について聞く為に俺は琴音と一緒にいつもの会議室へと来ていた。
「手慣れたものになったな」最近は休みということで呼ばれることは減ったが、今日からまた、特務部隊としての活動することになっている。
いつものように会議室には誰もおらず、会議室にある横の壁を開き、十二秘奥の部屋へと入る。
「神楽さん、来ましたよ」「神楽さん、今日はよろしくお願いします」二人で、神楽へと挨拶をする。
「お、来たね。うっちー、例のやつ持ってきて!」俺達の姿を見た神楽は、奥に居るらしい内田に何やら指示を下した。
その声を聞いた内田が、俺が普段、というより前回から使っていた戦闘服ともう一枚別の種類の戦闘服を持ってこちらに歩いて来た。
「これだ。神楽、後は頼む。寝させてくれ」そう言うと内田は床が抜けるスイッチを押し、地面へと落ちて消えていった。
「さて、うっちーが作ってくれた装備について話すよ」
神楽の口から語られたのは装備の詳細だった。
まず、俺の装備だが前回の戦いで見つかった課題点を治したとのこと。それ以外は変わっていないらしい。
で、次に琴音の装備だが……体のラインが丸わかりになってしまうようなかなりきつめのスーツだった。
「……これはまた、どうして」せめて、もう少し何かしらあったろうにと俺は神楽に問いかけた。
「いや、これインナースーツだよ?」ニヤニヤと意地の悪い表情の神楽を見て地雷を踏んだと気づく。
「……」「師匠?」
「何も言わないでくれ」自分の勘違いに対する諦観の思いを言葉と共にため息混じりに吐き出した。
まあ、その琴音の装備の内容なんだが、こんな感じらしい。
『 装備
メインウェポン A級*葬装器α型 試作魔導銃MRνSM
防具 十二秘奥軽装極地特殊迷彩型インナー
そこに、特殊迷彩アウタースーツという防具としての機能を持つパーツに分かれている。
極地戦闘用外套
仕込み アウターブーツに高周波ブレイドを付けている。
』
俺の持つ装備とは随分と違いがある。特徴としては、カメレオンの様に透明になれることだろうか?いや、カメレオンていうより光学迷彩が近い。
普段、任務を一人でこなす俺が使うあの外套と同じだ。
但し、俺のより高性能。
体が動いたときに発する熱だとか静電気とか諸々の力を利用してバッテリーの様に電源切れなんてことはないらしい。つくづく便利だ。
そして、こんな高性能な装備が与えられるということは……
そう思って、神楽さんの方を見る。
「真も気にしている任務については、『Pandora』の捜索。及び、行方不明になっている規格外兵装を探すこと。そして、この任務は十二秘奥全てに下されている。よって、上から新しいものが用意されたよ」
「……」「師匠?」
「内田さんが疲れていたのは、もしかしてソレが原因か?」ふと、考えていた疑問と関連しているであろう情報が入って答えが出た。
「そ、こっちに着いてきて」そう言うと神楽さんは内田さんが持っていたのと瓜二つのスイッチを押した。
バン
「っ!」「ふぇ⁉︎」俺たち3人の足元が開き、下へと落ちる。
「じゃ、先に行っているよ」気楽に落ちていった神楽さんの様子を見るにあっちは問題無いのだろう。
ただ、今は琴音の方が問題だ。
初めての空中浮遊とあって中々、慌てているのか危険な体制で落ちていっている。
神楽さん。せめて、落ちるなりなんなり伝えてから行動して欲しかったと舌打ちをして琴音に魔導の鎖を伸ばす。
「琴音、コイツを掴め!」「は、はい」琴音が掴んだのを視界の端で捉える。そして、風の魔導を使い落下速度を落とす。
「後は、ゆっくり降りれば大丈夫だな」
意外と深さは無くなっており15m程降りた所で地面に足がついた。
「おーい、こっちっす」今度は少し高めの声。この場合、神楽さんではなく
「二人とも仲良いっすね」七海さんだ。最近姿を見ていなかったのはコレと関係しているのだろうかと俺は思い質問を切り出す
「七海さん、ここは一体何処なのか説明してくれませんか?」
「うーん、言ってもいいんすけど……神楽さんと悠太からは二人を驚かせるなら言うなと言っていたので、ちょっと無理っす?」
「なんで七海さんも疑問系なの⁉︎」今回は琴音が、やけに良いリアクションを取っていた。
七海さんに案内され歩くこと1時間。
目の前に飛び込んできたのは、この世界では主人公しか使えなかった魔導飛空艇だった。




