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モブですらない俺が陰の英雄とされて困っています〜魔導科学の暗躍者  作者: 高麗豆腐
〜第一章〜ゲーム開始前の世界とA級幻葬士
26/69

ゲームでは知られなかった戦い

 「随分と進んだな……」人の気配を感じない廃棄都市の中に真の声が響いては消えていく。

 「ですが、都市の広さから考えるとかなり変わっているところや綺麗すぎます」


 かれこれここまで進んでおよそ15分。ここまで来た真と音声と現場の画像を見た七海、この二人の意見は同じ結論だった。「やはりか……つまり」「ええ、恐らくはテロ組織の手が加えられているからだと」


 理由としては、ここまでの来た道を見ると街が使われていた当時の時の地図と比べ、明らかに周辺の建物が変化していたこと。例えばコンビニ店あった場所が恐らくテロ組織の倉庫に変わっていた。最も外観はそのままだっだといのがミソだろう。仮に、ロボット等がこの都市を確認したとしても態々、コンビニなんかには入ったりしないのだから確実に気付かれない、或いは気付かれにくいだろう。


 「やはり貰ったマップとも当てはまらない以上、斥候は必要だな」「頼みます」そう言うと真は再び周囲の確認をしてあることに気が付いた。


 「敵の姿が全く確認できないな」「監視カメラのなどの類いも有りません」ここまで敵の姿が確認できなかったのだ。ここまでにあったコンビニ偽装の倉庫のことを考えると見張りが居ても普通おかしくはない。だが確認できなかったのだ。 そこに、


 コッコッコッ

 足音が響いた。


 真は慌てて通信を切るべきなのか質問する為口を開く。「敵か?オペレーター通信を…」「通信の傍受はないのでそのままでお願いします」どうやら通信の傍受等は行われていないらしい。一先ずは自らの望んだ答えを得られ納得する。そして近寄って来る足音の正体の確認を行う為に倉庫の影に体を隠し視線を向ける。

 「どうか、お気をつけて」


 「誰か居るのか?」「流石にそれはないだろうよ。何せこんな辺境とも言える廃棄都市に態々来る奴がいるか?」姿を確認するにどうやら二人組の人間らしい。だが両方とも銃を持って周囲を確認している。彼らは恐らく、テロ組織の兵なのだろう、真達の考えは残念ながら当たっていたらしい。


 「そうだよな、出入り口も隠されているしな俺の勘違いかな」「まさかな、いずれにせよ上の考えだとここはこのままだろうよ」「サボるにはやり易いからこのままがいいな」「だな」何やら呑気な顔で楽観的な会話をしている。真としては気付かれる可能性を考え全く持って、気が気でなかった。


 「そろそろ交代だな」「向こうから行くか」「そうするか」どうやら倉庫の周囲の確認に来たらしいだが問題が出てきた。真のいる影の方に向かってきているのだ。


 万が一に備えて真はいつでも仕留める用意を整える。狙うのは奴らの首。一撃で仕留める決意を固め、唾を飲み込む。そして七海に事実を伝える。


 「不味いな、こっちに来ている」「みたいですね……光学迷彩の効果は?」「バッテリーを切らすわけにはいかないから少し前から切っていた」「残量は?」「75%だな」足音が聞こえた時にはもう一度光学迷彩を発動させて隠れてはいたがバレた可能性は拭えない。


 それを聞いた七海は真に対して質問する。「帰還にはおよそどれくらいかかりますが」「来た時に大体80%だったからな20は掛かるな」「成る程、提案ですが50%になるまでは光学迷彩を使うのはどうですか?」「作戦としては構わないが、判断はこちらにさせてくれ」「構いません、では続行です」


 「急げ」「ああ」倉庫の影に寄って来る二人組の兵士。先程の様子とは打って変わった緊張感が漂っている。(バレたか……やるしかなくなったか?)


 仕方なく、そして近くを通り越して行く敵を仕留めようと鎖を飛ばす直前。敵の通信機から僅かに音が漏れていた。

 「繰り返します。入り口の監視カメラが破壊されました。敵対勢力、又は幻葬士が侵入したと思われます。至急、戦闘員はブロックAに集合してください」

 どうやら、監視カメラを壊したのがバレたらしい。

 

 「不味いな」「思った以上に状況は最悪ですね」

 

 二人組にはバレてはいなかったがどうやら存在自体はバレてしまっている。その事実を知った真だっだが特に気負いはない、泰然とした様子で二人組へと視線を向ける。

「ま、やるだけやりますか」「どうするのですか?」


 「こうする《弾丸創造(クリエイトバレット)》《インビジブルチェイン》」そう言うと銃を取り出して魔導で創った弾を込めた。そしてハンマーを起こし、引き金を生成した不可視の鎖で自分とは反対の方向に運んでから引く。


 ドバァン

 薄闇で見づらいビルの間に弾丸と火花が散る。同時に使った銃をそのまま鎖で覆い隠し、銃声で敵の混乱を狙う。


 「おい、向こうから何か聞こえたぞ!」「あっちだ!」どうやら狙い通りに混乱させられたらしい。


 「行ったな」「どうやったんですか?」胸元にある通信機から七海の質問が飛んでくる。「簡単だ、魔導を使った。」「ああ、成る程。それで発砲音を出したと、どういう頭してたらそんなことができるのですか?」「漫画と先生の講義☆」余裕ある声に「ま、そうっすよねー」マイク越しに若干遠くを見るような呆れた声が聞こえてくる。

「素が出てますよ」「はっ⁉︎、か、からかわないでください!」


 「はいはい、行きますよ」「むぅ、帰ってきたら奢って下さい」「普通は逆じゃないですかねー?」

 

 そして、さらに進み40分。

 「そろそろ、周囲の風景に変化があっていいはずだが……」進めども進めども全くの周囲に変化はなかった。具体的には倒壊したビル群や家の後のような物がテロ組織の倉庫や宿舎、或いは施設に変わっているがある。


 だが、真も七海も一つだけ忘れている点があった。ここは敵地なのだ。もし、それを思い出していたらもう少しだけはやく気付けたかもしれない。


 「何だあれ、建物なのか? オペレーター」「はい、データを送って頂けますか?」「ああ、分かった」「ありがとうございます」「さて、一先ず役目の斥候はこれでいいかね」「はい、SOKも問題ないと」疑問に思った怪しい建物を見つけた真は外観の画像を撮ると次の用意を始める。


 「じゃあ後は、計画の入手だな」「え、そこまでやりますか?」「何言ってんだ?」「いえ、バッテリーの量から推測するにそろそろ撤退し、一度休憩を挟んで後日行くのかと」「大丈夫だまだ67%も残っている」「はあ、怪我しないでくださいね」「大丈夫だろ」


 「やはり何かいるな」「みたいですね」二つの声が響いた。


 「ッ⁉︎」息を呑む。敵に気付けなかったという、あり得ない事態に心臓が早鐘を打つ。「どうしました⁉︎大丈夫ですか⁉︎」ただならぬ事態を感じた七海が必死に応答願う声が聞こえるがそれどころじゃない。


 「だが……このレベルの幻葬士はあやつ以外あり得ないだろう」「ここは私が仕留めておきましょう」「最低限、原型は残しておけ情報を抜き取れない」「あいつなら死にはしないでしょうし逃げるでしょうから大丈夫ですよ」何やら先程の二人組とは違い物騒な会話をしている。だがそれよりも真にとってはさらに恐ろしい事態だと感じていた。


(不味い、不味い!なんだあの漏れている魔力は⁉︎)敵の姿が確認できないにも関わらず肌に魔力を感じる程の膨大な魔力量を感じ戦慄する。そこに


 そこですね


 後ろにいつの間にか立っている人影が何か棒状のものを振るった。


 ギャキィン 


 首に触れる寸前で風の刃が振われた何かを弾いた。


 「へえ」「ほう」見ると後ろに男と女の姿が見える。年は10代後半くらいだろう男性と同じぐらいの女性が立っていた。


 「まさかそんな、第三席急いで撤退して下さい!奴らは」胸元に着いている小型カメラと通信機から聞こえた声を聞いた七海が焦燥に満ちた声で真に伝える。

 

 「幻想の獣(ファントム・ビースト)が君たち、いや君の命を頂くよ」敵対組織であるテロ組織、幻想の牙を名乗った二人組。


 「クソッタレ!」光学迷彩を見破られた。暗器を使う用意をし、両方に投げる。


 次に閃光が迸り、切り裂いた。 「行動が遅いですよ?」


 「ガァッ」そして投げた暗器は切り裂かれ、そのまま腕と胸を切られた。


 「ふむ、お前で充分だが……中々の逸材だな、殺すなよ。俺は先に行く」「どうぞ」(ここで……どうして、ラスボスとその前のボスが居るんだよ⁉︎)男と女の姿を見て、気付いたのは真にとって最悪の事態だった。そりゃ、七海だって撤退しろと言うだろう事態に思考が絶望に染まった。


 「あら、もう終わりですか?」ゆっくりと女が近寄る。だがそこに一分の隙はなく強者としての存在があった。


 「……其は鎖、其が縛りしは数多の因果 故に産まれし鏡が如くの鎖の間 我が果ては神の鎖に縛られる 《鎖ノ迷宮(チェイン・クノッソス)》」

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