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モブですらない俺が陰の英雄とされて困っています〜魔導科学の暗躍者  作者: 高麗豆腐
〜第一章〜ゲーム開始前の世界とA級幻葬士
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潜入開始

 闇夜に包まれた街の空を駆ける影があった。だがよく見ると影の周りに光を反射している何かが浮いている。どうやら影はその上を駆けているようだ。そして影はとある建物に近づくと浮いていた何かを消し、地面へと降り立った。


 影の正体は当然、鏡野 真である。真は先程の呼び出しを受けて、幻葬士協会支部βにある特務部隊十二秘奥の任務の為に作り替えられた会議室に向かっていた。


 そして扉の前に着くとマギフォンを取り出し、扉へと近づける。すると固く閉じられていた扉から電子音が鳴り響き扉の代わりに横の壁がスライドし開いた。


 あの会議で話し合った後、恐らくは内田が改造し、秘密基地の様になったのだろう。急拵えにしては、些かハイスペックすぎる気もするが……。それはともかく開いた隠し扉に入りようやく十二秘奥の会議室にたどり着いた真を出迎えたのは、任務の為か戦闘服としても機能する十二秘奥用スーツに着替えた神楽と同じく十二秘奥専門オペレーター用の制服を着た七海であった。


 「来たね第三席。さ、そこに座って。月葉は彼に任務の説明を」「はい。第三席の今回の任務は、この街で確認されたテロ組織の計画の調査及び、ここより南西部にある廃棄都市にあるとされる拠点の斥候です」


 「成る程。それで規模は?」


 「不明です、最初に派遣されたB級の斥候が負傷させられ警戒されました。故に回ってきた*不可能任務です」


 (成る程な道理で……)


 こういう場合の任務は危険であることが多く、死者が出かねない危険な任務でA級以上の幻葬士でなければ危険すぎて命令として下されない程だ。


 「この任務は君単独でもこなせるだろうが……流石の君でも単独である以上危険が伴う」

 「なので今回はこちらが装備が新しく用意させて貰いました。装備の一覧はこちらになります」


『 装備

 メインウェポン A級*葬装器α型 試作魔導銃MRνS

 サブウェポン A級葬装器β型 試作短刀 チェイス×2

 

 防具 *A級戦闘軽装改造型ミラージュ改良 改め 十二秘奥軽装暗器極地戦闘型


 極地戦闘用外套暗器対応型


 仕込み 防具 *極地界魔導通信装置 暗器用保管穴×14

物理弾丸保管穴×4 治療用魔導暗器保管穴×2


  ポンチョ 物理弾丸用保管帯×2

  

                       』

 

 (凄まじく金がかかる調整がされていると分かる装備と武器ばかりだな)極地界通信なんて特にだ。あとなんか武装も暗殺とかそういうものが多い。明らかに正面切っての戦いには向いては無いが、元々はそういう搦め手の方が得意ではあるので気にしない。


 「これから先はこれらを使って不可能任務を遂行して貰うというわけです」


 「了解した。それで今から任務に行けばいいと」


 「そういうことだ、ああ忘れていたが…今回の任務は他の部署の人間もいる。頼んだぞ」


 「私はオペレーターとしてサポートします。お気をつけて」


 こうして、十二秘奥第三席の昇格後の初任務が始まる。


 ーー奈月市の壁外 南西部 ーー

 壁外は荒野となっている。そこは、かつて人が幻影(ファントム)との戦いによって破壊され尽くしたからだ。故に荒野が広がり、そこには幻影が蔓延り草ひとつ生えない死の大地と化している。


 だから普通に外で行動するのは無限とも言える幻影相手に戦いを挑むのと同義だ。だが、幻葬士は透明マントとも言える光学迷彩外套がある。故に荒野で活動できるのは幻葬士か幻影たけだ。今回、真が貰っていた外套にもこの光学迷彩外套と同じ機能が付いている。まさに斥候としてこれ以上ない装備となっている。

 

 荒野を進みおよそ30分。ようやく目的地といえる廃棄都市が近づいてきた。

 「さてと、この中から探すのか……外観からしてかなり壊れているが大丈夫か?」たどり着いた廃棄都市は見るからに劣化が進んでおり、今にも崩れ去りそうで、とても中には入れないように見える。が、真に任務として命令されている以上は間違いなくここにテロ組織が居るのだろう。


 (ま、やるだけやりますか)仕事として幻葬士になったのだ、やることはこれからも変わらないだろう。

 そう決意を固め、廃棄都市の入れる場所を探し始める。


 「探索するならこの魔導なんだよな、キツいが《音響(エコー)》」


 ポーン

 《音響(エコー)》は魔力を放出しそれに触れた時の振動音で判断する魔導だ。だが凄まじい負荷が掛かる。それは俺も例外ではない。ただ今まで使った魔導の負荷が少し凄いだけのレベルに変わる。

 そして、自分の頭の中に周囲の形が頭に叩き込まれる。常人には耐えられないであろうミリ単位で三次元の情報を音で無理矢理認識するからだ。


 「ッそこか!」複雑な魔導を使いこなしていなければ廃人の仲間入りだなと思いながら、ようやく分かった出入り口へと向かう。


 もちろんだが光学迷彩は使ってだ。出入り口はどうやら、砕けた外壁と内側から倒れたビルの間に存在していた。


 出入り口を僅かに開け、中を窺う。どうやら近くには人は居ないらしい、だが油断は出来ない。カメラ、赤外線センサー等があればどうしようもない。


 最もそういうのは、オペレーターの七海が教えてくれるが……「オペレーターどうだ?」「はい、どうやら近くに生きている監視カメラが2台あるようです」

 (廃棄都市に何かが居るのはこれで確実だな)

 「場所は分かるか?」「通路の上に一つと扉の上に一つありますね」


 「了解《誘導風塵弾(エアロ・ミサイル)》《待機発動(ロックオン)》《遮音射出(サイレントファイア)》」

 

 バキィ


 カメラが壊れると同時に火花が散って通路を仄かに照らした。

 

 「任務開始です」「だな」互いに任務開始を認識し、テロ組織の計画を潰す為に十二秘奥は動き出すのであった。

 *1 葬装器とは、幻葬士が持つ魔導鋼で造られた武器の総称。ランクというものがあり、高い程専門性が高くなり、その人専用に近づくとも言える。α型は銃器。β型は刀剣類である。


 下から順に


 Eランク


 Dランク


 Cランク


 Bランク


 Aランク


 Sランク


 となっている。


 *3 極地界とは、造語である。今作での意味合いとしては、南極等の極地に、幻影領域など特殊な場所も含めている。


 *2 軽装備とは、この場合、真の持つ装備の方の一つである。大まかな種類としては軽装、近接型、重装、魔装と分かれており、真はこのうちの軽装備暗殺型という特殊なタイプである。この話はまた、主人公編で詳しく解説。

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