大体の特務部隊の隊員は規格外
話は進み、琴音の立場についての話になる。
「さて、色々とトラブルだらけで話が進んでなかったけど……有原 琴音さん、貴方は幻葬士になりたいそうですが、己の命を懸けて他人を守る覚悟は、己が命を大切にする覚悟は、守る覚悟は、貴方は仲間が死ぬ覚悟はありますか?」神楽が琴音に対して死ぬ覚悟を、死ぬより恐ろしいであろう決意を問う。
そして、その答えは「はい、なります。ならせてください」琴音は迷いのない瞳を神楽と師匠である真へと向け、そう決意を言い切った。
琴音の瞳と言葉を見て神楽は微笑む。一方、真は渋い顔でなんつー弟子だと思いその様子を見守る。そして、神楽の口が開く。
「ようこそ、 幻葬士特務部隊十二秘奥へ。私達は有原 琴音さん、貴方のことを歓迎します」
「はい‼︎ よろしくお願いします!」望んだ歓迎の言葉を聞いて琴音の顔がパァっと晴れる。その笑顔を見て思わず、真は琴音から視線を逸らす。
「さて、次ですね琴音さん。貴方は幻葬士特務部隊に所属することになります。既に両親からは確認を取っていますが……もう一度、話し合って貰う必要があります。また、幻葬士として認められ、特務部隊として働き始めた場合、貴方は学校を当分休むことになります。それでもいいですね?」今度は特務部隊員である七海が再度、検討をするように促す。
「構いません。その為に私はここに来て立っているんです」毅然とした様子で琴音は返事を返す。
「ならば、私からは言うことは有りません。じゃあ、よろしくっす」そう言って七海は琴音に握手をする。
「さて、次は私からだ」
「内田さん?」琴音が首を傾け、疑問符を浮かべる。
「真、君は十二秘奥の第三席への打診が来ている」琴音は恥ずかしさに視線を逸らした。一方、真はやはりかと納得していた。(やっぱりか。そりゃ、そうだ。今までの戦果と今回の一般人を保護しつつ単独の領域破壊、戦果としては充分だろうな。だが……)
「何故、第三席なんだ?」「現在、十二秘奥の所属者は私を含めて四席しか埋まっていない。そして私を含め二人しか戦闘可能な者がいない。今回の件で所属者の数は君を含めてようやく七席だ。よって、君に打診が来た訳だ」「戦闘用の駒と……」「いや、そうでは無い。第三席は諜報担当だ。今回、第三席に求められるのは斥候としての戦闘能力と諜報能力だ。そして、君はその二つを非常に高いレベルで満たしている上、他の能力も平均と比べ、非常に高い水準だからだ」
「成る程なってちょっと待て、つまり琴音も十二秘奥に?」「そうだ。私、月葉、琴音君、君、神楽、第七席の北条、第六席の桑原。これで七席になる訳だ」
「嘘ですよね?明らかに人数少ないしそれって絶対キツいですよね。てか、俺の知り合いばっかでそれは昇格したくないです‼︎」
「事実だ。大人しく受け入れるんだな」仕事内容を知った神楽が遠い目になりながら決定事項として告げた。巻き込まれろと願いつつ。
「なんで、俺がそんな中の第三席に昇格なんですか⁉︎」凄そうな人材の中に混じるのが一番仕事の関係上不味いと悟っている真は慌てる。主にトラブルといった観点で。
「冗談を言うな、自分がどれほどの功績を挙げてきたか知らないわけではないだろう?」内田が諭すような口調で穏やかに告げた。そういうことに慣れている。しまっているのが分かる故に恐ろしい口調。
「だからといって、十二秘奥は、その第三席はないですよ⁉︎」それに対して真はイヤイヤと叫ぶ。
「とっとと受け入れて、仕事をしろ。てか、手伝え月葉」神楽が遠い目をしながら仕事をさせる為に監視を付けることを決める。
「は、了解しました」それを聞いた月葉は真面目な話と判断し、スイッチが入って監視を行う体制になった。
「ふざけんなぁぁぁぁぁああ、後で覚えてろ糞上司ィ俺はお前を許さn」愚痴を言いながら抵抗する真が消えた。下を見ると真の足元が開いていた。
バタン
「よろしかったので?」内田が手に握るスイッチを押して真を落としたのだ。
「構わん、あいつなら問題ないだろう」真の身体能力を知っている神楽は焦らずそう言った。
「それもそうですね」月葉も仕事が減る以上、手伝ってしまったことの罪悪感を感じていたが、真が怪我をする筈がないと思い、思考を仕事の方へと向けることにしたらしい。
こうして、俺の昇格が、第三席に勝手に決まったのだった。
バギャ「ふざけんなってか何なんだよこの茶番は⁉︎全部聞こえたわ‼︎」鎖を伸ばして落とし穴の扉を破壊しつつ真は落とし穴から戻って来た。
「早いな!」戻って来た真の姿を見て、内田が驚きを見せた。
「軽く地下5階を通り越して存在しない階にまで落としたんだが……」
「道理で誰もいないわけだな、クソッタレ‼︎」その言葉を聞いた真がキレた様子を見せる。実際、魔力は漏れ出し、周囲に待機状態の鎖が並ぶ。
「悪かったな《魔力霧散》」それを見かねた内田は穏便に済ませる為に魔導を使って鎖を砕きに掛かる。
ビシ
鎖にヒビが入る。「はあ⁉︎」「何だと⁉︎」
二人は互いに驚いた。内田は砕けなかったこと驚きを見せた。オリジナルの魔導である《魔力霧散》を使ったのにだ。
一方で真はヒビを入れられたことに驚いていた。何も攻撃されていないのにだ。
「一体、どんな規格外の魔力量と操作なんだか」「どんな知識持ってればそんな真似が出来るんだよ」互いに文句を吐く。そして次の行動に移ろうと
ヒュン
「師匠、そこら辺で」「内田さん、そろそろ止めた方がいいすっよ」今度は女性陣が真達を止めた。琴音の手には一体何処から出したのか分からない刀が握られ、真の首に突きつけられている。一方で七海の手刀が内田の首に触れている。
『すみません(すまん)』有無を言わせぬ迫力に謝罪をする真達。
「落ち着いたみたいだし、話をするよ真君」
「何だ?」
「琴音ちゃんの面倒見てあげてね」
「は?」
「同棲するってこと」
「えぇ、嘘ですよねそんなゲームみたいなこ……と」(そういやここ、ゲームの世界やん⁉︎)
「彼女の両親は了承してるから、安心していいから、ね?」
「琴音、君も……」うるうると懇願する瞳を向けられ、流石に他の人が助け舟を、反対してくれと周りを見るが、神楽達は全員ないわぁという表情を向けてくる。それを見て仕方がなく、折れる真。
「だが、家はおろか、部屋なんてないぞ」「あ、大丈夫っすよ家が支給されるんで万事OKっす」
「先生にバレるから無理だ」「えぇ、言ったなかったんですか⁉︎ そのさっき、報告されちゃってます。そのウッチーと神楽さんが……ね」申し訳なさそうに告げられた死刑宣告を聞き。
「嘘だ‼︎‼︎‼︎」絶対に濡れた絶叫が響いた。
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こうして、俺は孤児院への道を歩くことになったのだ。上司からの命令と仕事を片手に乗せて。
「これから、よろしくお願いしますね真さん」
……どうしてこうなったんだろうか?
ようやくプロローグに追いつきました。
そしてようやく影の部署である十二秘奥として活躍していくメインキャラも出せたので個人的には満足しています。
次の更新は、今日2度投稿したので日曜日以降を予定しています。
今後とも本作をよろしくお願いします。




