影の部署の設立
「さて、よくもやってくれたね、A級幻葬士の《ミラージュチェイン》?」青筋を立て今にもブチっと音を立てて切れそうな怒りを纏った神楽が真に対して言葉をかける
「よく言う、受け身を取っていたのに気絶したお前が悪い」それを的確に指摘し煽る真。
「それは、こっちの台詞だね!一体全体、誰が魔導ミサイルを透明にしてアゴ狙ったりしたんだろうねお陰で気絶したよ?」
「気付かないあんたが悪いだろう」それに対して、真は悪びれもせずにさらりと答えた。「あのいい子だった真くんが……まぁ、神楽さん相手ですしね」なんとも言えないことを言い出す七海。
「昇格したらこき使うことにするわ」
「あの、結局のところ、師匠の正体を教えて貰っていいですか?」
(あ、不味い有原さんのこと忘れてた。どうする真⁉︎)(どうするもこうするもないでしょう。良いですよ)互いにアイコンタクトで意思疎通を取る。
「あ、あーそれね、本名 鏡野 真 歳は……言っていい?「駄目だ」年齢不詳「その言い方はないだろう⁉︎」年齢は10代 得意な魔導は……いいの?「勝手にしろ、駄目なら口を挟む」どうも、適正を持つ風と無属性で 出身は「(^-^)駄目」無理みたいだからこれぐらいだね」
「成る程、ありがとうございます。では改めて、真さん、貴方の弟子にさせて下さい!」惚れ惚れする笑顔で言い切った琴音。それに対して真は内心、非常に困ったが流石に危険な目に遭わせない思いで強く言葉を返す。「駄目だと「ああ、それね、無理だね」言って、何?」途中でふと、思い出したように口を挟んできた神楽に驚く真。
「どういうことだ?神楽さんはいいので七海さん、説明をしてください」
「えー、では、端的に申し上げて、上からの圧力です。他にもー」普段と違って、真面目な話になった七海は分かっている事実を真達に伝えていく。
「はあ⁉︎」「あらら」「えっ⁉︎」三者三様の反応だったが聞いていた全員の認識は一致した。
『結果が結果だからか‼︎』改めて、これまでの話を振り返って考えて欲しい。
まず、真だ。
13歳で幻葬士として立派どころではない大きな戦果を挙げている。そして、今日も幻影領域を一人で破壊した。普通に昇格させておいて働かせたくなる。
次に、琴音だ。
中学校一年生にも関わらず、真が到着するまで一人で幻影を相手にしていた戦闘能力を持ち。尚且つ、特殊な魔導持ちである。最もこれはまだバレてはいないが……
そして、神楽だ。
上の二人と関わりがあり、特に真とはよく関わる上、直属の上司として行動しており、事件発生からすぐにマスコミを対応する能力を持っている。極めつけは、優秀だが欠点が多いこの支部の人材からの信頼度だ。
総じて、彼らは優秀過ぎたのだ。そして組織の上層部はこう考えた。
『そうだ、神楽の持つ特務官房長官としての役目を変えて特務部隊の《十二秘奥》を押し付ければ楽やん‼︎』と、つまり爆弾を抱え込ませるのに丁度良いと判断されたのだ。因みに元の役割は幻影領域が都市で出現した時やテロの対応である。
「という訳ですね」その言葉で七海は話を締めくくった。
「師匠……これからよろしくお願いしますね」
「了承する。これから先もよろしく頼むぞ琴音」
「やっぱり、真くんは堅いなあ。ま、上司として頑張るね」
「いやあ、こんな部署に所属できるなんて。七海は頑張ります!」
ウィーン……チン
エレベーターのような音が床下から聞こえた。(ここにエレベーターなんてあったか?)(いやあ、なかったはずだよ)今度も互いに視線を交わして、聞き合う。
「おや、ここが新しい部署の部屋かな?」そして内田さんがどこからともなく柱から出てきた。
「特務部隊所属、《十二秘奥》咎学者 内田 晃誠 本時を持って着任する」
「へっ?」「嘘ー」「おぉ、あんな機能が」「内田さんが?」順番に真、神楽、七海、琴音だ。
特に真は驚きが隠せなかった。何せあの神楽ですら知らなかったのだ。当然、内田に問い詰める「内田さんこれは、どういうことか説明してください」「やれやれ、かの天才と称されるミラージュチェインがそんなことを聞くのかい?まぁ、答えよう。簡単だ、君達が思うより僕の仕事は特殊だっただけだ」そう言い切った内田だが、彼が続きに放った一言が更に真達を驚かせる。
「それに、そっちの方にだって、特務部隊所属者がいるじゃないか」七海の方に視線を向けて言った。
「いやあ、ただのオペレーターなだけっすよ内田さん」「ほう、仮にもコードネーム マスターオペレーター を持っているのにか。それは面白い冗談だ」
バッと今度は七海の方に視線が飛んだ。何やら凄まじいコードネームが聞こえたが、それよりも……
神楽を慰めていた。「神楽さん、あんた結構知らないこと多くないですか……ドンマイです」「……みたいだね。後、ありがと。でも、ショックだわ」上司であった神楽の思考は、上層部からは余程、嫌われていたのかなあ。という思考に移りだしていた。実際は、最上層部、トップ5しか知らないような、知りようがない事実なので仕方がない。とは言え、神楽の地位は高く、後数年あればその域に達していたし、歓迎されていたが……まあ知らぬが故にというやつだろう。
そうこうしている間に、神楽は特務部隊である十二秘奥の上司となることが上層部から連絡され決まり、話は進むのであった。




