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第27話 目覚め

「…っ…お、まだカラリは目覚めていないのか。」


俺はまた、ドキドキしながらカラリがいる部屋の扉を開けたが、カラリはまだ眠っている様子だった。


「…という訳で…ここでお別れになります…。」


部屋の奥では、セクタがそう、皆に別れの言葉を告げていた様子だった。


「…そうなのね…せっかく、高速移動の極意の後継者にも向いていると思ったのに…。」


「………………そうか、お別れか………。」


「なるほどねぇー。」


「あら、勇者さん、話は終わったのかしら?」


リムさんがこちらに気づくと、それに釣られて他の皆もこちらを見た。

…というか、サラッとリムさんが話していたが、高速移動の極意って、継承する形式なのか…。


「…ああ、うん……カラリは、まだ…?」


「…ええ、カラリちゃんはまだ眠ったままだけれど、ちょっと動いたりしているから、もしかしたら、もうすぐ起きるかもしれないわね。」


「…そ、そっか。」


…俺がそう言ったのを最後に、場に沈黙が流れた。

…何だか、気まずいな。…もう一度トラックさんと話をしてくる!とは、言いづらい雰囲気だ。


「…ツイト様、もしかして、外に何か忘れたのですか?」


…と、俺が周りを見渡していると、リプラからそう聞かれた。


「…え?いや、何も……じゃなくて、そうそう!

忘れ物忘れ物!いやー、なんか、外に落としたみたいなんだよねー、と、取ってくる!」


俺は、そう言って、逃げるようにまた廊下に出た。

…トラックさんと話せるように気を遣ってくれたリプラには感謝してもしきれないな。


「…って、待てよ、トラックさんどこにいるんだ…?」


…俺は、さっき出てきたドアが閉まると同時に、そう呟いた。

…なんか、早く、話をしたくて、つい、部屋を出てしまったが、トラックさんが今どこにいるのか分からないのに、どこへ向かうというんだ、俺。


…まあ、取り敢えずこの階をウロウロしてみるか、と俺は探索を始めた。


「…っ、あ!すみません!」


俺がこの階をウロウロとしていると、セクタに、旅行のお土産話を聞かせてくださいね、という様な事を言っていた人がいた。


「…ああ、あなたは…セクタさんのご友人の…。

…どうかされましたか?」


「…あー、えっと、トラックさんと話をしたいって思っているんですが、どこにいるか分からなかったので…。」


俺は、セクタの友人…。と思いつつその人にそう聞いた。


「…なるほど、トラック社長は、社長室に戻られたと思いますが…今行ったとしても、会う事は叶わないと思います。」


「…えっ、どうして…?」


「…それは、仕事があるからです。」


「…あ、ああ、そっか。」


…確かに、よく考えてみれば、トラックさん、社長なんだもんな。

…仕事は、あるよな…。

…もしかして、今まで、トラックさんは、忙しいのに、時間を作ってくれた、のか?

…それなら、今、社長室まで案内してもらって、話がしたいなんて図々しい事、言えないよな…。


「…伝えられる事ならば、伝えておきますよ、もしくは、メッセージなら、後で読んでもらえる可能性も…。」


「…うーん。」


…何だかこれは、伝言でも、メッセージでも、ダメな気がする。

…だが、セクタと話をするには、まず、トラックさんから話を聞かなければならないから、このまま戻る、という訳にも行かないだろう。

…しかし、カラリが目覚めたら、おそらくリカバリー街へ戻る事になるだろうから…ずっと待っているという訳にも行かないんだよな…。


「…宜しければ、一度私に話をしてもらっても大丈夫です。

知っていることであれば、お答えしますよ。」


…その人は、俺が、あまりにも困ったような表情をしていたのか、渋々というような様子で、そう言った。


「…えっ、ああ、あの、大丈夫なんですか?

…仕事、とか…。」


「…大丈夫だとははっきり言いきれませんが、勇者様、が困っている、となれば、答えない訳には行かないと言いますか、放ってはおけないのですよ。」


…その人は、若干声のトーンを下げてそう言った。


「…あ、す、すみません。…後、俺が勇者だって、聞いたんですね。」


「…そりゃあ、社長と一緒にこの会社の社員の事を調べていましたからね、嫌でも耳に入りますよ。」


「…えっ?そうなんですか?」


「…そうですよ、まさか、この社内の人物全員の事を、トラック社長と、アンドロイドだけで調べたとお思いですか?」


「…ああ、確かに、そうですね…。1人では、結構時間がかかりますよね…。」


「…ええ、そうですよ。…そして、どうされますか?

…お話は…聞かない方が宜しいでしょうか?」


…俺は、少し考えた。

…俺よりはセクタの事を知っていそうだが、トラックさんは家庭の話を社員にするだろうか。


「えーっと、その、おそらく、セクタとトラックさんは、俺達の冒険に着いてくるかどうか、話していたと考えられるので、どういう話の流れになったか、気になってしまって…。

…何だか、このままセクタと別れるのは、心にもやもやが残るので…。」


…俺は、知っているか知っていないかは置いといて、一応その人にそう、聞いてみた。


「…なるほど、結論から言うと、私はセクタさんとトラック社長がどんな話をしていたのか、分かりません。

…しかし、今の勇者様、の話を聞く限りでは、セクタさんから、ある程度聞くことが出来るのではないか、と思いましたが…。」


「……いやあ、まあ、そう言われたら、そう…なるかも知れませんが…なんというか、本人は、あまり、話してくれなさそうで…。」


…俺がそう言うと、その人は少し考え始めた。


「…そうですね、食べ物などで釣ってみてはどうでしょうか。」


そして、その後、あっさりとした様子でそういった。


「…えっ?そ、そんなに簡単なことなんですか!?」


「…いえ、それで本当に上手くいくかは分かりませんが、一度、落ち着いてもらう事で、話をしてもらいやすい空気になるのではないかと思ったのです。

…しかしまあ、私としては、勇者様、の冒険に、セクタさんが着いて行く事は、あまり好ましくないと思っておりますがね。」


その人は、落ち着いた様子でそう言った。


「…えっ!?どうしてですか?」


「…そりゃあ、トラック社長は、セクタさんに、自分の会社を継いでもらいたいと考えておりますからね。」


「……なるほど。」


「…お話は以上ですか?」


「…あー、そうですね。

忙しい中ありがとうございました。」


俺は、早く仕事に戻りたそうにしている様子のその人に、そう、お礼を言い、頭を下げた。


「…あ、すみません!」


「…っ、何でしょうか?」


…完全に戻ろうとしていたその人は、なんだよ、という風にこちらの方を向いた。


「…あ、ええと、これは、ちょっとした疑問なんですけど、この会社って、結構大きいのに…人は、2人しか居ないんですか?」


「…私と、トラック社長の事ですね?

…2人しか居ない訳ではありませんよ。

今日、会社に来ている人は、私と社長だけですが…えーと、これで宜しいでしょうか?」


「…ああ、すみません、ありがとうございました。」


「…。」


その人は、今度は大丈夫だよな、という様子でこちらをちらっと見た後、去って行った。


…セクタって、将来社長になるかもしれないのか。


…まあ、将来社長を任せたいと考えているなら、なおさら冒険するなんて、許してもらえるわけないよな…。

しかし、セクタのあの表情を見る限り、ここでこのまま別れる事を望んでいるようには見えないから、やっぱり、話はしたいんだよな…。


「…食べ物で釣る、かぁ。」


…しかし、そんなにうまくいくものなのか?

セクタと言えど、食べ物で、そんなに簡単に釣られるだろうか。

それに、もし、セクタが冒険に着いてくる、と明言した場合、トラックさんを説得する事になるかもしれないんだよな…。


「…うーん。」


「…ツイト様!」


俺が、セクタの事を考えていると、後ろから突然声をかけられ、思わず声が聞こえた方を向いてしまった。


「…うおっ、リ、リプラ…!?

どうしてここに…?」


「…カラリさんが目を覚ましたので、ツイト様を探しに来たのです。…お話は、出来ましたか?」


「…いや、まあ、うん、大丈夫だよ。」


…俺は少し迷ったが、カラリの元へ行かなければ、とリプラに着いて行った。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「…ううむ。」


俺は、ドアの前で、少し開けるのを躊躇った。

…さっきとは違い、もう起きていることは確定なのだ。

…カラリと会って、最初になんて声をかけようか。


「……。」


そんな事を考えていると、リプラから、穏やかな視線を感じた。


「…リプラ…そうだよな。」


俺は、でええい、と小声で言い、目を瞑りながら、ドアを開けた。


「…あ、ツイトさん…。」


カラリの声が耳に入り、俺は恐る恐る目を開けてみた。


「カラリ…えっと…。」


「………。」


「………………。」


俺は、何か声をかけようとしたが、言葉が出てこなかった。


「……!」


その時、察したと言わんばかりの様子で、イーネさんはセクタの腕を引いて部屋から出ていった。

ブロックさんも、その様子を見て、リムさんに声をかけて部屋を出ていった。

リプラも、なるほど、と言った様子になったが、部屋は出ていかず、カラリの方へ近づいた。


「…カラリさん、一つ、話したい事があります。

…先程は、ツイト様を呼びに行くと言い、突然部屋を飛び出してしまい、申し訳なかった…です。

…そして、薬屋で1人にしてしまった事も、本当に申し訳ない事だと思っています。

…あの集団から、カラリさんをお護りすると約束したにも関わらず、少しなら、と、浅はかな考えでカラリさんの傍を離れてしまった事を、謝りたいと思っていたのですが、先程は、まだ心の整理がつかなくて…。」


リプラは、暗い表情で、そう言った。


「…ああ、そんなにかしこまらなくていいんですよ。

…リプラさんのせいじゃありません。

…私も、リプラさんの、『少しこちらの方を見るだけです』という言葉が聞こえた時、完全に油断しきっていましたから。

…だから、気にしないでください。」


カラリは、薬屋に入る前と、同じ様子で、リプラに声をかけた。


「…ありがとうございます、カラリさん。」


リプラはそう、お礼を言うと、後は任せましたよ、といった様子で俺の顔を見て、部屋を出ていった。


「…え、えーっと、カラリ…。」


「…な、なんですか?ツイトさん。」


「…ちょっと待ってて。」


「…えっ?」


俺は、カラリにそう言い、ドアを開けて周りの様子を確認した。

…すると、さっき部屋から出たリプラがイーネさんを引っ張り、どこかに連れていこうとしていた。

…なんか物音が聞こえると思ったんだが、やっぱり、イーネさん、盗み聞きするつもりだったのか…。


…ありがとう、リプラ…。

と、心の中でお礼を言った後、俺はドアを閉めてカラリの方に向き直った。


「…えーっと。」


「…大丈夫ですよ。今まであったこと、今いる場所の事は、皆さんからだいたい聞きました。

…ツイトさんが、話したい事を話してもらえればいいんです。」


俺が言葉を詰まらせていると、カラリは優しくそう言ってくれた。


「…えっと、カラリ…とにかく…まず…ごめん。

護るって…言ったのに…。」


俺は言葉を探してゆっくりとそう言った。

すると、カラリは少しだけ、俯いた。


「…ツイトさんのせいじゃないです。

私が、弱いのがいけないんです。」


「…そんな、弱いだなんて…。」


「…事実ですから。

…それとツイトさん、『護る』という約束はもう忘れてくれて構わないですよ。

…あの時だって、言わせた様なものじゃないですか。」


…カラリは、薬屋に入る前と同じ様な声色で、そう続けた。


「…えっ?いや、そんな事は…!」


「ツイトさん。」


俺が何か口に出す前に、カラリは、真剣な目で俺を見ていた。


「…私は、森で、ツイトさんに弓矢を渡しましたよね。」


「…あ、う、うん…。」


「…あの時は、少し怖かったんです。

…その、人を、傷つけるのが。

…敵なら、遠慮なんていらない!と、思いながら矢を放とうとしたんですが…やっぱり、無理で…。」


「……い、いや、待って!それなら、俺も…。」


「…勇者様、に…ツイトさんに着いて行くのなら、私は、このままではいけないと思ったんです!

…私も、強くなります。…分からない事は、リプラさんやリムさんに教えてもらって…。

…だから、護るという約束はもういいんです。」


…カラリは、真剣な目のままで、そう言った。


…私()、か。

カラリは…俺を買い被っている気がする。

…俺だって、カラリと同じように、人を傷つけるのが怖かった…みたいだし、遠慮はいらないと思っていたはずなのに。

…元々そういう自覚は無かったが、今のカラリの話を聞いて、俺はハッキリと分かった。


…俺が、勇者という肩書きを背負うには、力不足だ。


…質問には全部答えたが、俺は、魔王に挑む勇気どころか、人型モンスターにすら、挑む勇気がなかったのだ。


…でも、カラリも、強くなろうとしているのだ。

…約束は、もう忘れていいとまで言って。

…なら、俺だって…強くならなきゃいけないだろう。


と、俺は、カラリとリプラに貰ったバングルを見た。

…本当は、すぐにお礼をするつもりだったけど、金額や、2人に何を買うか考えていたら、いつの間にかそんな暇もなくなってしまった。


「…カラリ…。」


…元依頼主を、倒した後だ。


「…ツイトさん?」


…きっと、倒す…。きっと、倒せる…。

倒して、絶対に…。


「…もしかしたら、カラリはこれから、護る必要が無いほど、強くなるのかもしれない、でも、もし、そうなっても、約束をした事は、絶対に、忘れない。」


…忘れる、なんて、ダメだ。

…この約束を忘れたら、きっと、俺は後悔する。


「…ありがとうございます。

…ツイトさんは、本当に優しいですね。」


カラリは、落ち着いたような表情を浮かべていた。


「…そして…あ、あの、ツイトさん。

…私、ツイトさんに、護ると…言わせてしまった、って…考えていたんですけど、ち、違うんですか?」


…と思ったら、何やら恥ずかしそうにそう言った。


「…ん?えっ??いや、うーん…。

あの、別に無理に言ったって訳じゃないんだけど…。

えっと、まあ、えっと…そりゃ、やっぱり…勇者だから…。」


俺は、力不足だと思った肩書きを速攻でごまかしに使った。

…しかも、理由になっていない気がする。


「…勇者…だから、という事は、やはり、ツイトさんは、困っている人を放っておけない性格…という事なんですか?」


「…あ、うん、そ、そうそう!

困っている人、放っておけない!」


カラリがいい解釈をしてくれたので、俺はそれに便乗した。


「…そ、そうですよね、ツイトさんは、困っている人を分け隔てなく、助ける…勇者、なんですよね。

…わ、分かっていましたよ。…うん。」


カラリは何やら少し残念そうな表情になっていたが、俺は、安心した。

…しかし、同時に少し胸が痛んだ。

俺は分け隔てなく人を助けられてなんか居ない。

…俺は…。


「…あ、ツ、ツイトさん、大丈夫ですか?」


俺は、深刻な顔になっていたようで、カラリが心配そうにこちらの方を見ていた。


「…あ、う、うん、大丈夫。」


「…もし、何か悩み事があれば、私に相談しても…いいんですよ?」


カラリは、俺の顔を見ながら、そう言った。


「…あ、ああ、えーとそれなら…リプラと、セクタの事で、ちょっと話したい事があって…。」


…俺は、一度さっき考えていた事を抑えて、気になっていた事をカラリに話した。


「…話したい事、ですか?」


「…うん…リプラは、何だか、感情が芽生えたみたいで…。

セクタは、俺達とはここでお別れらしいんだけど、何か、納得いっていない様な顔をしていて、でも何か、確信的な事は話していないような気がして…。」


俺がそう言うと、カラリは考え始めた。


「…まあ、リプラさんに、感情が芽生えたかもしれない、というのは、前からそうじゃないかと思っていたので…分かります。

…それと、セクタさんも…お別れの挨拶を私にしていましたが…確かに、納得がいっていない様な雰囲気でした。」


「…どうすればいいんだろう。」


「リプラさんの感情は、リプラさんにしか分かりません。

…だから、ツイトさんは、よく話を聞いて、肯定してあげたらいいのでは無いでしょうか。

…セクタさんの事は、簡単な事…なのかは分かりませんが、この人になら本当の気持ちを言える!…という心、というか…。

言葉に、説得力を持たせて、心から訴えたら…セクタさんも、心を開いて、本心を話してくれるのではないでしょうか。」


カラリは、考えたまま、そう言った。


「…肯定…と、言葉に、説得力を持たせる。」


カラリの案は、食べ物で釣るよりも結構上手く行きそうなものだと俺はこっそり思った。

…ごめんなさい、セクタから、旅行のお土産話を聞こうとしていた人…せめて、名前は聞けばよかった…。


「…言葉に説得力を持たせる事が難しい時は、一芝居打ってみるのもいいんじゃないかと思います。」


「…一芝居?」


カラリがそう言うので、俺はカラリから一芝居、の内容を聞いた。


「…という訳です。」


「…なるほど…。でも、そんなに上手くいくかな…?」


「…皆さんにも、相談しないといけないですね。」


「…あ、そうだ、それなら、俺はカラリがさっき言った通り、セクタをちょっと廊下に連れ出して話をしているから、今だ!こっちに来て欲しい!って時に、セクタにバレないように俺だけに伝言して欲しいんだけど…。」


「…じゃあ、その、リムさんに伝言してもらう…とかで、何とかします。」


「…よし、じゃあ、皆を呼びに行かないとな…。」


と俺はドアを開け、出ようとした所で、よく考えたらカラリを1人にする訳には行かないよな、と思った。

…俺はドアを閉めようとしたが、もしかしたら、この廊下の突き当たりにいるかもしれない、と思い、ここから覗いてみる事にして、もう一度ドアを開けた。


「…あれ、リムさん…?」


すると、目の前には、何故かリムさんがいた。


「…あ、ああ、どうしたのかしら、勇者さん?

…お話は、終わったのかしら?」


「…聞いていたんですか?」


「…いえ、そんなことはないわよ?」


「…聞いていたならちょうどいいんですけど、皆さんを呼んできてくれませんか?」


「…そうね、呼んで来るわ。」


リムさんは、俺の2回目の言葉は否定せずに、そう言って、バッと姿を消した。

…しかし、意外だな、イーネさんやリプラ、セクタ…まあ、万が一にもブロックさんだったら、聞いていても、何となく納得出来たが…リムさんは、一体何のために俺達の会話を聞いていたのだろうか。

…まさか、リムさんに限って、からかうため、なんて理由ではないだろうし。


…まあ、ちょうどよかったから、いいか。


俺は、そう思いながら、みんなが来るのを待った。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「…で?どんな話をしたのー?」


イーネさんは、戻ってくるや否や、俺にそう聞いてきた。


「…言う程の事じゃないですよ。」


俺はそう言って流したが、イーネさんは、ふーん、といった様子でこちらを見ていた。


「…えっと、これからもう一度、リカバリー街へ行く事になるけれど、その前にちょっとセクタと話をしてきていい?

…その、ここでお別れになるわけだから、最後に話しておこうと思って…。」


「…えっ?」


結構雑な理由だが、大丈夫だろうか。

…と思っていると、リプラが何か察したような顔をしていた。


「…問題ないですよ、行ってきてください。」


「ああ、ありがとう、じゃあ、セクタ、ちょっと来て欲しい。」


「…えっ…えっ?」


セクタは困惑していたが、そのまま俺に着いてきてくれていた。


…よし、これで、後はカラリが上手くやってくれれば…と、俺は廊下に出て、部屋から適度な距離を取った。

今回も読んでくださり、ありがとうございます。


一芝居…一体どんな芝居なんでしょうか。

楽しみですねー。楽しみですよね?


…それと、高速移動の極意は、継承する形式だという事が判明しましたね。

…継承する形式の極意は、他にもあったりするのでしょうか。


次回もよかったら見てください!

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