第13話 我が秘策に酔いしれよ!
客が混乱しかけたその時だった。
電車は次の駅である御岳倉で止まり、客が降りようとしたときだった。
「な、なんだ?」
プラットホームには電車に向かって写真を撮りまくっている人々の姿が見受けられた。
『フハハハハハ! いよいよ始まったようじゃな。』
『ちょっと、何なの?』
おそろく何も知らされていないのであろう、ラズリが戸惑った声で電車から飛び出した。
『ニセ車掌一号! 持ち場に戻れ!』
ロフィロイの命令も無視して彼女はそこで起こっているすべてを激しいフラッシュライトが光る車両の先頭へと走っていき、目の当たりにした。
電車のヘッドライトがカメラに負けないくらいのまぶしさで、朝日に照らされる家々をサポートしていた。
いや、これはもはやサポートというレベルではなく、強力な太い光線によってその範囲内の人々が皆、手で光を遮りながら急いで通り過ぎてゆく。
『見よ! これこそフレクシスが下界に降り立つときの神々しい光を、そのままに表現したトレイン・レーザーじゃ!』
『ちょっと! こんな話聞いてないわよ!』
じじいはラズリの忠告を無視している。
『その通り! まだまだ話していないこともたくさんある。 ゼノムス! ガーディアンモードを起動せよ! 朝の通勤の者どもを、主神の聖なる光で導くのだ!』
『はっ! たぶんくん液なる添加物があの女の子が薄汚くしゃぶりつく千歳飴の中に入っていたようなと首をかしげる、角ばったアゴをしたロン毛の若い金髪建設作業員がやはりくん液ではなく、乳化剤だったような気がすると思索した瞬間に始まった心筋梗塞によって発生した痙攣によく似た飛び方をする蚊のように導きます!』
しまった、とラズリは思った。
これは彼女が異変に気づいて電車に出るように仕向ける、老人の作戦だったのだ。
『解き放て! 我が畢生の智謀により生まれしレーザーよ! これでまたいつもの朝が始まると、落ち込んでいる者らを絶望の淵から解放するのじゃ!』
そんなにすごい者なのかと、俺も思わず外に出て、ラズリの隣に立った。
それはありえない光景だった。
やっと手に入れたジカンッ! なんか感動が行き過ぎて発狂してます…。ということで、無様に投棄ではなく投稿します。
「この小説はみじめったらしくも…