第14話 主神ガーディアンモード搭載せよ!
なんということなのだろう。
電車のヘッドライトからビーっというクラクションによく似た異音がしたと思うと、ライトの角度がすごい速さで変化し始めたのだ。
まるでカメレオンの視線が滑らかに動くそれが、超高速になったかのような表現が適切なのだろう。
というより、俺の中ではそう言うしかなかった。
規則的にではなく、ほぼ無規則に、言うなればカラオケの天井によくあるあの光の動きを、光線量マックスのヘッドライドがぐるぐると町中を照らしている!
「な、なんだこれは! こちら御岳倉駅! 監視室本部、応答せよ!」
― お掛けになった電話番号は、現在使われておりません。 ―
戸惑う駅員の表情を見て、ロフィロイがパソコンを片手に老人に向かってガッツポーズをした。
『フ覇ハハハハハハハ! 後の祭りよ! さわやかな電車による通勤を邪魔する邪悪なる組織どもめ! 括目せよ! フルモードじゃゼノムス!』
いったい何がさわやかなのかわからないまま、俺は一人立ち尽くしていた。
さわやかというより、この場合は桁違いに騒々しいというべきなのだろう。
『ハッ! フルモード、屈強なる神の戦士、始動!』
ウイイイイイイイイイイン!
老人の命令とともに、電車の中央車両の屋根に、車のマフラーに酷似した妙な搭載エンジンが現れた。
次の瞬間、左右に二本ずつあるマフラーから火花のような青い炎がシュワっと飛び出してきた。
「意味ねえええええええええええーっ!」
ラズリの声が空しく響き渡る中、とんでもない放送が実行された。
『まもなく、二番線から電車が発車します! 皆様の健康に配慮し、ただいま車内に充満した嫌な臭いいを、中央車両の主神エンジンにて排出中です。 しばらくお待ちください。 なお、発車後も噴出は宣伝のために続きます。 故障と勘違いして電線業者を呼ぶのはおやめください。』
発射するのかよ…さらには噴射しながらかよ。
しかも健康に配慮するどころか、臭いを排出する方法がそもそも間違っている。
俺はそんなことを思いながら、フレクシスワールドの一員として、再び電車に乗ることになったのだ。
屈強なる電車、ついに到来!
作者の人生観、ついに崩壊!そして15話、ついに掲載決定! (ついにって言うけど、待ってる人いるのか怪しい…どうぞギョッとした目つきで読むあまり、まぶたの裏側を乾燥させないようにご注意ください。)




