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警視庁にて-4-

森慎吾殺人事件の真相がついに暴かれる。真相は枝野や梶にとって非常に憂鬱なものだった。

事件は解決した。ただ枝野には一つだけ引っかかることがあった。


登場人物

枝野章平:警視庁捜査一課の刑事 梶宏人:枝野の部下 倉本沙織:森慎吾殺人事件の容疑者 

田中哲平:森慎吾殺人事件の容疑者

森慎吾殺人事件の解決は枝野が予想していたよりも早かった。

別の捜査員が翌日、倉本沙織のもとを訪ね質問を重ねると、とうとう彼女は自白した。

彼女が語った事件の真相はこうだ。

彼女は事件当日の午後2時に森の自宅に来るよう森に言われていた。

森のアメリカ旅行は旅行会社の不手際により出発は一週間ほど遅れるということだった。

彼女は森がこれ以上関係を迫ってくるようなら、はっきりと断ろうと決めていた。

倉本は約束通り午後2時に森の自宅に到着した。しかし、インターホンを鳴らしても返事がない。

ドアに鍵がかかっていないことに気がついた倉本は不審に思いながらも部屋の中へ入っていった。

そこには血を流して倒れている森と、

血まみれの包丁を手に持って声が枯れるほど泣いている倉本の娘の姿があった。

倉本は状況を飲み込めないまま、娘に刺したのかと尋ねると娘は震えながら小さく頷いた。

倉本は娘の罪を隠そうと森の体に包丁を深く2回突き刺し、その包丁を鞄に入れ、

玄関にあった鍵で施錠し、自宅へと急いで帰った。

彼女にとっては幸いなことに、倉本が森の部屋に出入りするのを見た人はいなかった。

倉本は自宅へ帰った後、娘を問いただした。

娘によると、倉本が明日森の家に行くことを倉本と森の電話が聞こえたことで知り、

学校がその日、短縮授業だったので倉本には友達と遊ぶと言いながら森の自宅を訪問。

森は当初戸惑っていたが、相談があると言うと森は自分のコーヒーと倉本の娘のためにジュースを入れた。

そして森が目を離した隙に家から持ってきた睡眠薬をコーヒーにこっそりと入れ、

眠ったところを包丁で刺したらしい。倉本は森との関係のストレスで睡眠不足に陥り、

医者から睡眠薬を処方してもらっていた。

娘は母親の苦しそうな表情に耐えきれなくなって森を刺すことを決めたらしい。

自白した当初、倉本沙織は当然、娘が事件に関与していたことを隠していた。

しかし、刑事から3本の刺し傷のうち深い2本の傷の一つが致命傷で、

娘が刺した時点ではおそらく森は気絶していただけであること。

娘が刺した浅い刺し傷のみなら森は助かった可能性が高いことを話した。

すると倉本は自宅に隠していた森を刺した包丁と森の自宅の鍵を証拠として差し出して、

何とも言えない表情で全てを白状した。


そんな話を枝野は上司から聞かされ、小学生にそれほどまでおぞましいことができるのかと鳥肌が立った。

しかし、同時に母のために娘はそこまでの行いができ、また、

母も咄嗟に娘を庇う行動をしたことに親子の愛を感じたことを枝野は否定できなかった。

「枝野さん、捜査お疲れ様です。何とも後味の悪い事件でしたね。」

梶はいたたまれない表情で枝野に話しかけた。「ああ、そうだな。」枝野には次に話す言葉が浮かばなかった。

でも、すぐに何かを思い出したらしく、気を取り直して梶にこう話しかけた。

「梶、結局田中の失踪については何か分かったのか。

森慎吾殺しの犯人じゃないあいつが失踪するなんておかしいだろ。」

「いえ、まだ詳しい足取りは掴めていないようです。

ただ、田中の近所に住んでいる人が田中が助手席に誰かを乗せて車でどこかに出かけたのを見た、

と言っているそうです。」

「じゃあ防犯カメラの映像を確認すれば分かるだろう。」

「その通りです。ただ、足取りを掴んでいる最中に倉本沙織が自白したことで、

上からもう彼の行方を追う必要はないという指示があったらしいです。

まだまだ未解決の事件が山積みでそんなことをしている暇はないということでした。」

「ふん。ただ倉本が自白する前に警察が何度も田中に連絡したのに連絡がつかないというのはおかしいだろ。

彼はあの時点ではまだ容疑者のはずだ。何のためにそんな怪しまれるようなことをする?」

「さあ、でも事件は解決しましたし、上からの指示もあったので一件落着としましょう。

明日には別の事件に取り掛かかるように言われると思いますし。」

枝野はやはり納得がいかずある人物に電話した。「なんだ、もう事件は今頃解決してると思っていたんだが。」

枝野は田中の失踪のことを電話で話した。その通話を梶に聞かれたようで誰にかけたのか問い詰められた。

「部外者じゃない、安心してくれ。あいつだよ。あのいけすかない探偵だ。」

みなさん読んでくださりありがとうございます。

今回のエピソードでは森慎吾殺人事件の真相が明らかになりました。みなさんの推理は合っていたでしょうか。

そして、最後にまたある謎が残りました。

一体田中の身に何が起こっているのでしょうか。

続編をお楽しみに。

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