報告とこれから
空間魔法で帰れることに気づいた俺はクーアと共に〈ソラス〉の街の近くに転移した。クーアは突然周りの風景が変わったことに口を開けたまま固まっていた。
「ああ、説明してなかったね。これは〈空間魔法〉の〈転移〉だよ。離れた場所に移動する魔法なんだ。
「その魔法どうしたら使えるようになるの?」
「え?普通にスキルポイントで…」
「?」
クーアは首を傾げたまま頭に疑問符を浮かべている。そう言えば〈ステータスプレート〉のことを知っている人が今までいなかったしもしかしたら女神様の教えてくれたことはこの世界で当たり前のことなのではないのかもしれない。
「〈ステータスプレート〉って分かる?」
「知らないの。」
「心で〈ステータスオープン〉って念じてみて。」
「分かったの。」
そう言ってクーアは目を閉じた。ところがしばらくそうしていても〈ステータスプレート〉が現れる気配はない。
「できたの?」
目を開けて俺に聞いてくる。
「いや。ちょっと待って。(ステータスオーブン)こうなるはずなんだけど。」
俺の目の前には〈ステータスプレート〉が輝いている。
「綺麗なの。」
「これをイメージしてもう一回やってみて。」
「分かったの。」
1分ほど続けていたがやはりうまくいかなかった。
(やはり、これはこっちの世界の人には出来ないのかな?)
「できなかったの。」
「仕方ないさ。俺も俺以外の人が使ってるのはみたことないからね。」
重要なことも分かったので早くギルドに帰り報告をしようと街の中に入っていった。
ギルド ソラス支部 ギルドマスターの部屋
「…ということなんですよ。」
俺は今回の依頼達成の報告をしていた。
「もう一度聞くけど本当に魔族っていってたのよね?」
「はい、魔族の銀髪がどうのこうのとか言って自慢してましたし。」
報告をしてるときもヘレナさんは魔族のことをやたらと気にしていた。魔族のことを聞きたかったが、この世界の常識なような気もするので聞いたら不審に思われると思い聞けずにいる。
「分かったわ。とりあえずこのことはギルドの本部に連絡しとくわ。さすがに魔族が絡んでるとなるといろいろ話し合う必要があるし。あとあなたへの報酬なんだけど。」
そう言って俺の方に袋を投げてきた。袋の中には大量の銀貨が入っていた。
「それはもともとこの依頼報酬として用意していたものよ。ただ、おそらく報酬はもっと増えると思うからそのことについては追って連絡するわ。」
ヘレナさんは仕事があるとのことなので俺はそのままギルドマスターの部屋を退出した。
ギルドに入るときにも気づいていたがもう夜に近いということもありエリーすでに帰っていたためいなかった。俺はクーアが待っているところに近づいていった。
「あ、お兄ちゃん。お話はもう終わったの?」
「うん、とりあえずどこかでご飯を食べて帰ろうか。」
そこであることに気づいた俺だった。
(エリーにクーアのことなんて説明しよう…まあ、エリーのことだし分かってくれるよね。)
そして俺はクーアを連れて〈月の宴〉に向かった。




