依頼内容の確認
エリーが風呂に入ってからあがってくるまで時間がかかりそうだったので、俺はネックレス(武器)の機能を試していた。
まず、このネックレスは魔力を流すと刀になる。ただし、魔力を注ぐ量によって刀の性能も変わるようだ。また、この刀は俺が手放すと勝手にネックレスになって首に戻ってくるようだ。試しにわざと刀を置いてみると今度は消えずにその場に残ったままだった。そして戻れと念じるとネックレスになって戻ってきた。
そんな感じで刀の性能をチェックしていると、エリーが風呂から上がってきた。
風呂上がりのエリーは肌がほんのりと赤く上気しており非常に色っぽい姿だった。
俺はそんなエリーの姿に思わず見とれてしまい、慌ててエリーから視線を外した。
俺に見られていたからか、エリーは顔を赤くしてうつむいてしまった。
「え、えっと、それじゃあ依頼について教えてもらってもいいかな?」
このままじゃ埒があかないと思った俺は話を進めることにした。エリーも1度深呼吸をすると俺の前の椅子に座って話し始めた。
「そうですね。まず今回の依頼の件なんですけど、実は情報がほとんどないんです。」
「それはどういうこと?」
「ギルドマスターの話によると〈ソラス〉から歩いて2日ほどの距離に小さな村〈ラッサ〉があって、いつも通りならそこから10日に1度の割合で木材や食料が運ばれてくるらしいんですが、それが途絶えているらしいんですよ。最初のうちはあまり気にしていなかったらしいんですけど一月経っても〈ラッサ〉からの物資が届かないのでギルドから数人の冒険者を派遣したそうですが……」
「帰って来なかったと。」
「はい、そういうことです。そのことからギルドは〈ラッサ〉の近くに強力な魔物がいると仮定して調査及び魔物がいた時の討伐依頼を出しました。しかし、相手が分からないため誰もが危険と判断して受けなかったそうです。そこで…」
「俺の出番というわけか。うん、わかった。つまり〈ラッサ〉の村に行って物資が届かなくなった原因の調査と敵がいとき排除すればいいんだね。」
そのくらいなら楽そうだ。それに俺には〈空間魔法〉があるから帰りは一瞬だし。
「それと行方不明の冒険者について調べてくれるとありがたいです。コータさんなら大丈夫だとは思いますがくれぐれも怪我をしないように気を付けて下さいね。」
エリーが心配そうな顔でこっちを見ている。そんな顔も可愛いな、と考えながら俺は答えた。
「大丈夫。さっさと終わらせて帰ってくるから心配しないで。さて、明日は依頼をしないといけないし俺はもう寝るよ。おやすみ、エリー。」
「あっ、は、はい。おやすみなさい、コータさん。」
少し照れつつもそう返してくれたエリーに軽く手を振って自分の部屋に入った。
一方、光田が部屋に入ったあと、1人になったエリーはというと……
「ああ〜今のなんだか夫婦みたいでした。このまま2人で結婚して、ここで暮らしてコータさんの子供を産んで…」
1人身悶えているのであった。
翌朝、俺は朝早くに目覚めた。必要なものは食料くらいかと考え出発前に買えばいいかと思い部屋の外に出るとエリーが朝食を作ってる音が聞こえてきた。
「おはよう、エリー。」
「おはようございます、コータさん。ちょっと待ってて下さい。もうすぐ朝食が出来ますので。」
俺は椅子に座って料理をするエリーを眺めていたら、エリーは少し恥ずかしそうにしつつも朝食を作った。
2人で朝食を済ませたあとエリーが俺に弁当を渡してくれた。俺はそれを受け取り〈無限収納箱〉にしまった。エリーは驚いていたが俺は気にせずエリーにお礼を言うと家を出た。
「行ってらっしゃい。あ、あなた。」
後半は聞こえなかったがエリーの見送りを受けて俺はやる気が、湧いてきていた。
街の入り口にいく途中で幾つかの食料を購入して〈無限収納箱〉を使って収納していく。
食料を買っていくとお金がどんどんなくなっていき、ついに銀貨5枚をきっていた。とりあえず今回の依頼をこなして冒険者ランクを上げれば問題ないと考えたら、お金の消費が激しくなったのである。
そんなこんなで門のところまでくると前にあった門番の男が今日も仕事をしていた。
「おっ、少年。もしかして依頼かい?」
「はい。それで〈ラッサ〉の村に行きたいんですけど、どっちに行けばいいんですかね?」
「〈ラッサ〉は確かあっちの方だよ。」
俺は門番にお礼を言うと門番の教えてくれた方角へ歩きだした。
〈気配感知〉で周囲に人がいないのを確認すると俺は走り出した。久しぶりに全力を解放しているため、風が気持ちよかった。
途中でエリーの弁当(美味しかった)を食べてひたすら走っていると遠くに何かが見えた。もしかしてあれが〈ラッサ〉かな、と思い〈遠視〉を使って見てみるとそこで俺が目にしたのは……
石化し灰色に染まった村だった。
次回から戦闘シーンに入ります。戦闘シーンの描写は苦手ですが頑張ります。




