対談
グランのおっさんに連れられ、俺はギルド長がいる部屋の前についた。
「さ、ここがマスターのいる部屋だ。」
そう言って中に入っていった。おれも後に続いて中に入った。
「あら、やっと来たわね。そこのソファーでちょっと待ってて、もうすぐ書類整理が終わるから。」
中ではヘレナさんが机の上にある書類の整理をしていた。
俺がソファーに座って待つことにした。
「マスター、俺はもう依頼をしに行くぞ。最近してなかったしな。」
「そうね、もう戻っていいわよ。」
グランが部屋から出ていき俺はヘレナさんと2人っきりになった。
暫くしてヘレナさんは書類整理が終わったのか向かい側のソファに座った。
ヘレナさんは、受け付け嬢をよんで、コーヒーのような飲み物を俺たちの前に置かせると話始めた。
「さて、じゃあ早速昨日の話を聞かせてちょうだい。」
「わかりました。」
俺は昨日の戦いのことを話した。もちろん、俺が使った〈転移〉の話は伏せたが。
「本来ならそんな話信じないんだけど…。実際、〈雷神」が倒されていたのを見てるから信じざるを得ないのよね。はぁ。」
ヘレナさんは溜息をついて、くびを振ると
「それで、これからが本題なんだけど、あなたのランクをどうするかなんだけど…流石にAランクの冒険者を倒すような人物をGランクのままにしておくのはギルド側からしたら、もったいないのよね。」
「それはつまりギルドランクを上げてくれるということですか?」
「まぁ、そういうことね。ただし、無条件で上げたとなると面倒なことになるからこちらから一つ依頼を出させてもらうわ。それが達成出来たらコータ君のランクはDになるってことでいいかしら?」
「ギルドランクを上げるとよりお金が手に入りやすくなりますよね?」
「ええ、もちろん。それにDランクなら私の権限であげることができるから依頼を達成したらすぐにでもランクを上げられるわ。」
「それなら異論は無いです。」
俺的にもエリーの家にずっと泊まらせてもらうわけにもいかないし、旅をするためにもお金が多く必要だった。
「それでその依頼ってのはどんなのですか?」
「実はこの〈ソラス〉の近くにある村を襲っている魔物がいるらしいの。敵の正体も分からないから、本来ならグラン辺りBランクの冒険者にやって貰おうと思っていたのだけれど、彼より遥かに強い〈雷神〉を圧倒したあなたにやってもらった方がいいと思ったの。」
「分かりました。それでその依頼はいつやればいいんですか?」
「そうね、私はすぐにでも行ってもらいたいのだけどあなたも準備が必要だろうから、準備が出来たらエリーのところに行きなさい。彼女に話は通しておくから。」
「分かりました。じゃ、これで失礼しますね。」
「待って。最後に私からもお礼を言わせてもらうわ。私のギルドの受け付け嬢を助けてくれてありがとう。」
「いえ、お礼を言われることじゃないですから。」
そう言って今度こそ本当に部屋から出た。
受け付けのところまで戻るとエリーのところにたくさんの人が並んでいるのが見えた。もしかしたらあのなんとか伯爵がエリーと関わらなくなったことがもう知られているのかもしれない。
俺はエリーが自然に笑っているのを見て、良かったと思い静かにギルドから出た。
とりあえず、明日の依頼をするためにも準備をしないとね。




