白い世界で
ここは、前にも確か…
俺はテーブルで眠ったと思ったらどこかで見たことのある真っ白な世界にいた。
「やっぱり、君は君だね。」
この声は確かあのときも俺に話しかけてきた声だ。
「おい、あんたは一体誰なんだ?」
「時がきたらいづれ話すよ。でもまだ、そのときじゃない。」
そして少し間をあけて再び話し始めた。
「私の思ったとおり、あなたはこの世界でもきっと…だけどその果てで君は本当の自分とは何かに迷うかもしれないね。でもこれだけは覚えていて。たとえそれが本当の自分じゃなくて、人から与えられたものだったとしてもそれもまた君自身になったんだということを。」
「どういうことだ?お前はなにを知っているんだ?」
「そろそろ時間のようだ。次に会うのは君が自分の在り方を見つけたときかな?それじゃあね。」
そう言って声は聞こえなくなった。そして俺自身もー
目を覚ますと鼻と鼻が触れ合いそうな距離にエリーの顔があった。俺たちは無言で見つめあった。
「こ、コータさん⁉︎こ、これは違うんです。お風呂から上がったらコータさんがテーブルに眠っていたので、風邪をひいたら大変だと思って、あの、えっと、その…」
「う、うん。とりあえず落ち着いて。」
俺もドキドキしていて落ち着いてなどいられなかったが、落ち着かないと話が進みそうにないので冷静であるかのように振る舞った。
エリーの話は簡単に言うと、声をかけても全く俺が起きなかったからいろんなことをして起こそうとしていたのだとか。ちなみになにをしようとしていたかは教えてくれなかった。
俺は起こしてくれたエリーにお礼を言うと風呂に入った。……風呂の中はエリーの香りがしていて終始ドキドキ知っぱなしだったことは秘密だ。
風呂場から上がると俺の脱いだ服が綺麗にしておいてあった。スキルか何かあるのかと思ったが特に気にせず服を着た。
テーブルのある部屋に戻ると顔を赤くしたエリーが座っていた。
「ありがとう。服綺麗にしてくれたんだね。」
「い、いえいえ。そ、そんなの気にしないでください。」
そう言って一度咳払いをすると俺の方をじっと見て
「改めて今日はありがとうございました。コータさんがいなかったら今頃私は…」
「気にしないでいいよ。単純に俺が助けたくて助けただけなんだから。」
「あの、な、なんで私のことを助けたいって思ったんですか。」
「それは…」
上目遣いをしながらそう尋ねられ俺はなんて答えればいいか迷った。
俺が彼女を助けたいって思った理由それはー
俺は言うべきか迷ったが、言うことにした。
「俺は、初めてギルドに行ったときのエリーの元気な笑顔が好きなんだ。だから、その笑顔を守りたいって思ったんだ。」
「そ、それって…」
「さて、今日はもう遅いし寝ようよ。」
そう言って俺は足早に自分の部屋へと帰って行った。
自分の部屋についてエリーに言ったことを思い出し恥ずかしくなったが、一度言ってしまったし仕方ないと思い、そのまま眠りについた。
翌朝、俺が起きるとエリーが朝食を作って待っていた。
「お、おはようございます。」
「おはよう。」
昨日のことを思い出したのかエリーは顔を赤らめながら挨拶をしてきた。
エリーの作ってくれた朝食を食べながら今日の予定について話をした。
「そうですね〜私もギルドで仕事がありますし一緒に行きます。」
俺が朝食を食べ終わったらすぐにギルドに行くと言うとエリーはそう答えた。
朝食を食べ終え2人でギルドに向かった。
ギルドに近づくにつれて俺はあることにきがついた。
「嘘…ギルドがもう直ってる。」
「〈ソラス〉の街には優秀な〈建築魔法〉を使う人がいますからね〜」
エリーにとっては特に驚くことでもないのか特に気にしている様子もなかった。
暫くしてギルドにたどり着くと、ギルドの前にはグランのおっさんが立っていて俺たちが来るのを待っていた。
「ようやく来たな。朝からいちゃいちゃしやがって。」
「別にいちゃいちゃなんてしてないんだけど…」
「そ、そうですよ。グランさん。いちゃいちゃだなんて、そんな…」
「これだから若いモンは。」
おっさんは軽く溜息をつくとエリーに言った。
「んじゃ、コータ借りてくぞ。」
「人をものみたいに言わないでよ。」
「はい、わかりました。それじゃあコータさん私もお仕事してきますね。」
そう言ってエリーはギルドの中へと駆けて行った。
「愛されてるな。」
「そんなんじゃないと思うけどね〜」
俺はおっさんと話しながらヘレナさんのいるギルド長室に向かった。
ギルド長との話めんどくさいなぁ。




