祝勝会のあとには…
今、俺は目の前の女性をじっと睨みつけている。
「えっ〜と?私何かしたかしら?」
「いえいえ、それで何を聞きたいんでしたっけ?」
「ギルドでの戦いについてよ。」
「ギルドを壊したのは〈雷神〉であって俺じゃないですからね。いや、そりゃ俺だって少しは壊しましたよ。それでも全壊させたのはあいつなのでギルドの修理代はあいつが払うべきだと思うんですよ。」
俺はそう一気にまくし立てた。
ヘレナさんはきょとんとした顔をするとすぐに笑顔を浮かべた。
「ふふっ。もしかして私がギルドを壊したのは誰かを聞くのかと思ったのかしら?私が聞こうと思ってたのはどうやって〈雷神〉を倒したのかについてよ。」
俺はホッとため息をつくと改めてヘレナさんを見た。
ヘレナさんは金髪ロングヘアーで淡い緑色の瞳をしている。肌はすきとおるように白い。エリーは可愛いといった印象だがヘレナさんは美しいといった感じだ。
俺がヘレナさんの方をじっと見つめてるとエリーが俺の腕を摘んできた。
「あのー、エリーさん。どうして摘んでいらっしゃるのかな?」
「別になんでもないですよ。」
なら離してくれてもいいだろうに
「とりあえずそろそろ離れてくれないかな?さっきから周囲の視線が痛いんだけど。」
実はエリーが抱きついてきてから、最初のうちはドキドキして冷静さを失っていたので気づかなかったが、ヘレナさんの登場によりドキドキしていたのがおさまったことで周りの男達から鋭い視線がとんできているのに気付き困っていたのである。
「いいじゃないですか。別に。それとも私に抱きつかれるのは嫌?」
悲しそうな顔をしつつ、上目遣いで俺にそう問いかける。
「もちろん、嫌じゃないよ。」
「良かった♪」
さっきまでの悲しそうな顔はどこへやら、楽しそうに笑っている。
(やっぱりエリーは笑顔が一番だな。仕方ない。周りのことは気にしないようにしようか。)
なんてしみじみと思っていると
「そろそろ話を聞きたいんだけど…」
「マスター、それは明日でもいいじゃねぇか。コータも戦いのあとで疲れてるだろうし。」
「彼、そんなに疲れてなさそうだけど…。ま、それもそうね。コータ君明日話を聞かせてもらうからギルドに必ず来てね。」
「瓦礫?」
「何故かしら、ギルドって言ってるはずなのに違う意味に聞こえてくるわ…」
「気のせいでしょう。」
「絶対ギルドに来てよね」
そう言ってヘレナさんは去っていった。
「とりあえず場所を変えるか。コータ、おまえらこの後暇か?」
「はい、私の仕事はできなさそうですし。」
「俺も特にやることはないかな。」
「んじゃ、飯でも食いに行くか。」
昨日と同じようにおっさんはまた飯をおごってくれるらしい。
おっさん、金はダイジョーブなのか?
まだ夕方なので〈月の宴〉はあいてないらしく違う店に行くとのことだ。
おっさんに連れられ俺たちは大きな店の前に着いた。
「ここは〈ソラス〉でも1、2を争うほどの有名店〈黄昏の丘〉だ。」
「おっさん、お金は大丈夫なの?」
「あったりまえよ。こう見えても俺はBランク冒険者だぜ。それにエリーの笑顔を取り戻してくれたお前さんにはお礼がしてぇしよ。それにエリーが元気になったお祝いの意味も込めてな。」
「おっさん…」
「グランさん…」
「まぁ、そういうこった。さあ、飯を食おうぜ。」
そうして俺は食事をしながら今日のことに話した。話している間エリーが俺のてを握っていたのが気になったが…
話を終え、食事を済ませて店から出ると外は真っ暗だった。
「俺は〈眠れる羊〉に帰るが、お前さんはどうする?」
「うーん、他の宿は知らないし俺も〈眠れる羊〉に泊まることにするよ。」
「あ、あのっ。」
突然エリーが顔を赤くしながら俺に話しかけてきた。
「どうしたの?」
「もしよろしければ、そ、その、わ、私の家にと、泊まっていきませんか?」
え?




