戦いの後は
俺はエリーとグランのところに近づいて行くと2人が口論しているのに気づいた。
「じゃあ、コータさんは1人で〈雷神〉と戦っているんですか⁉︎どうして止めなかったんですか?Aランク冒険者に1人で挑むなんて自殺しに行くようなものじゃないですか‼︎」
「俺だってあいつを止めようと思っていたさ。でもよあいつは、自分が負けるなんて全く考えていなかった。そんなあいつを見ていたら、もしかしたら本当に〈雷神〉を倒してくれるかもしれないって思ったんだよ…」
「その結果がこれですか?さっきの紫色の雷が落ちてから戦っている全く聞こえなくなってしまいました。コータさんはもう…」
「すまねぇ、俺があいつを止めていればこんなことには…」
「私嬉しかったんです。誰も私に話しかけてくれなくなって寂しかった中、何も知らなかったからなんでしょうけど、私に自然に話しかけてくれたことが。」
「……」
「明日も私のところにきて下さいなんて言ったけど、正直あんまり期待していなかったんです。今日のうちにでも私と関わると危険だと聞いてしまうんだろうなぁ、って。だから、翌朝彼が来なかったときはやっぱりそうですよね、なんて思ってました。それなのに彼は寝坊したなんて言って私の前に現れたんです。彼の前では、拗ねたように振る舞いましたけど、あの時、本当に嬉しかった。そして私はそんな彼のことが…」
「…すまねぇ」
(あのー、俺、生きてるよ〜)
泣き始めたエリーと後悔の念で苦しむグランを見ながら、完全に出るタイミングを見逃してしまった光田だった。
暫くして、何も聞かなかったことにして話しかけようと思っていると
「さっきから、2人のことじっと見つめてるけど、知り合い?」
「わっ⁉︎」
突然横から話しかけられ驚いた俺は声を上げて驚いてしまった。
「いや、そんなに驚かなくても…」
声のした方を振り向くと金髪の女性が立っていた。年は20代前半といったところだろうか。
「こ、コータさん?」
「うそだろ。おい。」
エリーとグランの2人は俺の方をみて固まっていた。
「えーっと。ただいま?」
とりあえずいう言葉が見つからなかったので俺がそう言うと
「コータさん‼︎」
エリーがいきなり抱きついてきた。
人前で抱きつかれるのは恥ずかしかったけど、俺はエリーの体を優しく受け止めた。
「コータさん無事だったんですね。私もう、コータさんに会えないかもって思ってました。」
「だ、ダイジョーブ。心配しなくても俺はここにいるよ。」
俺はそう答えたが、エリーの体が柔らかく女性特有の甘い香りがしているため、胸が痛いほどドキドキしていた。
(ヤバイな〜〜。このドキドキがエリーに聞こえてしまいそうだ。)
そんなことを考えていると
「コータ、無事だったんだな。〈雷神〉はどうした?」
おっさんが居心地の悪そうな顔をして俺に聞いてきた。
「あの紫髪なら、瓦礫のあたりでのびてるはずだよ。」
「ってことは本当にお前さん1人で倒しちまったのか…」
「ああ、一応。」
俺は適当に誤魔化そうと思っていたが、エリーに抱きつかれていたことで冷静になりきれていなかったので正直に答えてしまった。すると
「その話、詳しく聞かせてもらってもいいかしら?」
先程俺に話しかけてきた女性が俺に問いかけた。
「えっと?あなたは?」
「あら、自己紹介がまだだったわね。私は冒険者ギルド〈ソラス〉支部のギルド長ヘレナよ。」
ギルド長…話を詳しく…
まさか俺にギルドの修理代を払わせる気か⁉︎




