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犬勇者  作者: 吉行 ヤマト
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斜めに掘り進む

ロダが俺の理想。そう言えなくもないが、今の俺は俺自身の中にその理想の姿を感じていた。それは肉体的にではなく、精神的な意味として。なので俺は生きているというだけで十分に満たされていた。


そういう意味では肉体的な満足感は言ってしまえばどうでも良く、どちらかというと手応えを求めるためにより過酷なものを望んでいた。それが今は女達に抱かれる事と穴を掘る事だ。


そして穴は意外と楽しかった。


出入口の確保。安全に掘り進む為の工夫。掘り進む為に必要な灯りをどうするか。を考えるのがお面白かった。


真下に掘り進むより、斜め下に掘り進むのがお面白い。それに気づいてすぐ、俺は岩の壁にぶち当たる。


大きいな。


大きく硬い岩程、掘ることが面白くなるものはない。土や粘土もそれなりに楽しいが、一番は岩だ。砕くのも持ち出すのも大変だからだ。


結構掘った先にある大きな岩。何のご褒美だ。


俺はその岩の硬さを何度か確かめた後、その日ももう遅くなって来たので一旦家に戻った。

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