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村人転生~最強のスローライフ  作者: タカハシあん
聖国編

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1849/1852

1849 人造体

 ドアを開けたらなぜか台所に出た。


 ザ・団地の台所って感じのところだった。


「おや、ヴィどの。どうしたでござる?」


 また別なところに出たのか? って戸惑っていたらコップを持ってエリナが現れた。


「いや、銭湯に行ったら帰り方がわからなくなって、キョーコさん四号に尋ねたらここに現れた。どーなってんの?」


「あーそれはすまぬでござる。たまにチャーニーが繋ぎ変えてそのまま忘れるんでござるよな。迷ったなって思ったときは近くの黒電話から管理室にかけてくだされ」

 

 そんな鍵のかけ忘れみたいに言われても。オレのハブルームより雑だろう。


「キョーコさん四号にも言われたよ。お前は迷わんの?」


「自分のダンジョンでマスターが迷っていたら笑い話にもならんでござるよ。てか、拙者本体はこの部屋から出てないでござる。出るときは人造体に憑依しているでござるよ」


 そういや、そんなこと言っていたような記憶が。究極の引きこもりは一味も二味も違いすぎるぜ……。


「しかし、改めて見ると、昭和感がハンパねーよな。こういうところに住んでたのか?」


 てか、団地って一人暮らしできたっけ? 自治体によって違うのか?


「いや、タワマンに住んでたでござる」


「お嬢様っ!?」


「親がお金持ちだっただけでござるよ。まあ、働かなかったから追い出されてしまったがな。ナハハ」


 どんな人生だよ? 


「だったらタワマンにすりゃあーよかったじゃん」


 ちょっとタワマン見たかった。いや、ここ地下だけどさ。


「拙者、こういうところに憧れていたでござる。オタクの巣窟みたいで住んでみたかったのでござるよ」


「金持ちの感覚はよーわからんわ」


 オレは大草原の小さな家に憧れたもんだがな。あんな家庭を持ちたかった。今は、空飛ぶクジラの背中に取りつけたフューワル・レワロの中の島にある家、に住んでいるがよ。


「人間、ないものばかり欲しがるものでござる」


「……そうだな……」


 あと、お前は人間じゃないから。ダンジョンマスターでリッチだから。


「んじゃ、オレは馬車に戻るわ。あ、カイナーズホームって、DVDショップってあったっけ?」


 VHSはあったがよ。


「それなら我が家のシアタールームを使うといいでござる。大抵のものは網羅しているでござるよ」


「シアタールーム? そんなもんまであんのかよ。最高だな!」


「父上の趣味でござる。VHS時代からありとあらゆるのジャンルを集めていたでござる」


 金曜日の夜にさよならさよなら言ってた人じゃないよね? 


「なにが観たいでござる?」


「大草原の小さな家って知ってっか?」


「あー大きな森の小さな家でござるな。ドラマは観たことはないが、児童書は読んだことがあるでござるよ」


 え? 原作って児童書だったの? 知らんかったわ。


「それならあると思うでござる。キョーコさん十八号を呼ぶでござる」


 キョーコさんってタイプなんだ。

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