1845 曼陀羅城
夜はルヴィの電池が切れるまで遊んでやる。
「体力ないな~」
トータなら二時間は遊んでやらないと電池切れにはならなかったものだ。
「基準を自分たちの常識にしないでください!」
と、レイコさんに怒られてしまった。
「オレも寝るかな。ミノ子、よろしくな」
オレと一緒に寝ると、幽霊に照らされることになる。成長に悪いのでミノ子さんにお任せだ。
「別に悪いものは出してませんよ」
幽霊そのものがイイとは言えんだろうが。長く存在したら神にでもなれんのか? まあ、目の前の不浄なのに比べたら無害ではあるがよ。
「エリナって、赤ん坊とか抱くんだな。嫌いなのかと思ってたよ」
ルヴィを抱っこする姿に違和感しかないよ。
「別に嫌いではござらぬよ。ただ、身近にいなかっただけでござる」
「産めないからって変なのは生み出さんでくれよ」
こいつの場合、生み出せる力があるから厄介なんだよな。
「拙者の子供たちは考えに考えて創り出した存在でござる」
考えに考えて創り出したんだ。どこぞの怪物くんよりトンチキな仲間を連れていると思うがな……。
スライム、ゴブリン、オーガ、インキュバス、人造人間、エトセトラ。知らないヤツに、ここは魔王城ですと言ったら秒で信じるだろうよ。
「そこにいる村人も同類だと思われるでしょうね」
心外でしかないな。
「まあ、お前にはお似合いかもな」
皮肉ではない。こいつらしいと思っただけだ。
「そうでござろう。我が城は最高の場所でござる」
自ら城とか言っちゃってるし。マンションなのにな。
「漫画、借りてイイか? 寝る前に読みたいからよ」
カイナーズホームで買った漫画本が書店並みにあるのだ。曼陀羅かな?
「好きに見てどうぞ」
3LDKな造りなのに、なぜか廊下を歩くと、違う空間に辿り着く造りとなっている。
「マンションなのかダンジョンなのかはっきりして欲しいものだ」
「ベー様。今日は医療ものが読みたいです」
「ユウコさんに入って読めよ。後ろから顔を出されんの気になんだよ」
しかも、オレのペースで読めないし。
「それもそうですね。では、お願いします」
結局、オレがやらなきゃ仕方がないかい。
「ベー様。わたしが呼んで来ますよ。転移バッチをお貸しください」
瞬間移動能力者なのにプライドはイイのだろうか? ってまあ、オレも転移結界門ができるのに転移バッチ使っているがな!
「じゃあ、頼むわ」
ありがたくお願いする。もうどこに置いて来たかわからんので。
転移バッチをアヤネに渡した。
「お前もオレにお願いしたいことがあるなら遠慮なく言えよ。可能な限り応えるからよ」
なんでもとは言わない。できない約束はしない主義なんでな。
「もう叶えられているから大丈夫ですよ」
叶えられている? 旅に出たかったのか? アヤネならどこにでも好きに行けるだろうに。それとも皆でわいわいしたいのか?
うーん。女心はよーわからんわ。




