除草したらそっち見るの取り敢えずよそうか!
ひさびさの更新でどんな風に書けばいいのかわからーん(ノД`)
大目に見てください(*_*)
はい、なんでだろーな~、ほんと、なんでだろーな~?何で私こんな修羅場にいんだろうなー?!
わたくし、チナは絶賛修羅場にいます。なうです。
いやね?私だってびっくりしてますのよ?だってあれだぜ?いきなりだぜ?魔王のようだよ?魔王。まじで。冗談じゃないから。もう本当に魔王。かたや、こっちは…なんだろ?目がめちゃくちゃきらめいてるけど。
チナを押しのけてテリア、シルバが向かい合い、片方は何を考えているかも分からない笑い顔で、片方はなぜか目を輝かせて口論のようなものを始めていた。
「───だから、お前こそ持ち場に戻れって。お前はいつも奔放すぎんだよ」
「あのさぁ、殿下わかってる?僕ここに用があるから来てるんだよ?ねえ、きいてんの?」
「あぁ?毎日毎日あるわけねーだろうがよおい。チナといいお前といい、しっかりと自分の仕事を全うしろよ」
「徴収されるたびにやってるつもりだけど。ていうかさ、殿下、僕の質問に答えてなくない?チナもだよ?」
「はひっ?!」
あまりの展開にビビるチナ。仕方もないだろう。なにを考えているかも分からない顔をして話を振ってくるのだから。もう恐怖の対象でしかない。
「何、僕のこと忘れて話し込んじゃってたの?僕ここにいるんだけど」
「俺は断じて忘れてなどいない」
「私も忘れてません!…!!いえ、や、忘れてないよ!!」
敬語を使ったとたん、テリアがぐりんっと首を回し、ひたすらににこにこと笑うものだから。チナは顔をひきつらせて首をこくこくと振りながら言い直す。
テリアはにこにこと笑ったままだったが、チナは本能で危機が去ったのを感じた。
そんな二人のやり取りをみて、チナに対抗心を燃やすヤツ、ここに一人。
「…チナ、お前に────」
おそらくどうでも良いことなのだろうことが安易に想像できるが、何か用事を言い渡そうとしたのだろう。即興のを。
しかし、シルバがそれを言い渡すことはなかった。
『チナーーー!!』
毛むくじゃらの、まるで某映画に出てくるまっく●く●すけを巨大化したかのような魔獣が、魔獣舎の柵の中から激しく飛び跳ねて存在をアピールしている。
『チナーーー!外に変なのがくるよー!!』
「へ、変なの?」
チナがそう繰り返したと同時に。
大地が、揺れた。ぐわりぐわりと大きく揺れ、思わずチナはへたり込む。
この異常事態を二人に告げようとし、ぱっと顔を上げる──のだが。当たり前のごとく既にそこには二人の姿などなく、いつの間にか魔獣舎の入口の外にでていた。
「ひっ、ひどっ?!私を連れて行ってくれてもよござんしょーが!!」
などとほざくチナ。そしていった後に気づく。この二人はそんな気遣いなどしなさそーだ、と。
揺れで立ち上がれないチナを見かねた魔獣、アーピーが彼女をつかみ、外へと連れ出す。チナはその上昇する早さに外でなにが起こっているのか、まだ気づいていない。
「うぅ、ありがとーアーピー…優しい奴だよお前は…」
『んっんー、チナ、ちょっとこれどーするのー?』
「え?」
アーピーにぶら下がりながら、上空から下を覗く。途端、チナは唖然とした表情となった。
そこには、なぜか蠢く蔓。その先にはぱくぱくと口が開閉するかのように動く、奇妙な穴。
『んっんー、チナ!』
「えっ、あ!ごめん、あの二人のところに連れて行って!」
『んっんー、了解~』
蠢く蔓を避けて、綺麗に二人の少し後ろに着陸してくれるアーピー。
流石にこれだけ大きく、あれだけ揺れれば、人が集まるだろう。チナの後ろには既に人だかりが出来ていた。
チナはアーピーに礼を言うと、二人に駆け寄ろうとした。
が。
「おいおまえ!どこに行こうとしている!!」
兵士に肩をつかまれ、行くことが出来なくなってしまったのだ。
振り返ると、チナの頭二つ分ほど上に頭があった。焦げ茶の髪に、同じ色の瞳。チナを鋭く睨みつける。
「いや、あの…」
「私たちのような者が行かなくとも、殿下とテリア殿がいれば事足りる。そのようなことをも分からないのか?」
「はぁ」
「第一、お前のような下級の者があの方々に近付くなど、もってのほかだ」
目の前でくどくどくどくどと長ったらしく説教をする兵士を尻目に、チナはシルバとテリアへと目線をやった。
「………デカいな」
「何でこんなところにこんなのがいるわけ?」
チナがまだ上空にいる頃、二人の間でこんな会話がされていた。
「これ、食獣植物、だよな?」
シルバの口からためらいがちに出されたその言葉は、テリアに向けての確認が含まれていた。
思えないのだ。ここまで巨大な食獣植物が存在すると。普通の食獣植物は大きなものでも最大二メートル。しかし今目の前にあるのは優に倍はあるだろう。しかも、蔓の先だけでなく体中に細かな棘がある。
「こんなに巨大な食獣植物、聞いたこと無いぞおい」
「そんなことよりも、何でここにあるわけ?」
「あ?」
シルバが怪訝そうにテリアを見やる。食獣植物は胞子を飛ばしたり、魔鳥に種を運んでもらったりと普通の植物と同じ方法で繁殖する。この巨大食獣植物も例外では無いはずだ。
するとテリアは変わらずにこにこと笑いながら、そのガラス玉のようなまん丸い目をシルバへと向けた。
「殿下の考えてることはあり得ないよ」
「……」
「僕は常にこの王宮の周りに結界を張っている。僕のは完璧だよ。招かれざるものは入ってこれない。例え小さな種であってもね」
「だが、表門からは入ってこれるのではないか?」
「そうだね、でもここは無理。王族も散歩する庭園側はさらに結界があるからね」
ならば、どうやってはいるというのだ。シルバは苦い顔をして空を仰ぐ。ちょうど、チナが降りてくるところだった。アーピーにしがみついているのが滑稽で、思わず噴き出してしまう。
「…なに笑ってるの殿下」
「いや、今そういう状況じゃないのは分かってるが、チナが面白くてな…」
「チナ…?」
「あぁ。アーピーにしがみついて空を飛んでた」
「空……」
テリアが空を見る。が、そこには既にチナはいなかった。後ろにいるのだろう、喋り声がする。
肩を震わせて笑っていると、蔓がしなってこちらに来ていた。シルバは片手を振ってその蔓を弾く。
と、同時に。
「…………あは」
テリアが笑い声を上げた。そちらをみると、いつもより若干口角が上がっているのが目に入った。
「…どうした?」
「殿下、少し前にさぁ、青の国からお客さん来たよね」
「は?」
「あのデカい魔獣が落としてったんじゃないかな」
言われてることがよく分からなかった。が、それを理解したとたん、納得ができた。
青の国からのお客さん。それはつまり、あのワイバーンのことだろう。
ワイバーンはドラゴンの血族であり、今最大の魔獣だ。ドラゴンの血族と言うこともあり、その力も強大。ワイバーンクラスになるとテリアの結界も壊れてしまうらしい。
「青の国…!!」
「外交はそっちでね。僕関係ないし。そんなことより、これ、消しちゃっていいんでしょ?」
「ん、ああ。飛び火させるなよ」
「そんなへま、しないよ」
テリアが返事をしたとたん、しなった蔓が迫ってきた。テリアは身軽にそれを避け、するりと撫でるようにその棘のある蔓を撫でた。
「燃えてね、バイバーイ」
途端、苦しそうに身悶えし始めた食獣植物。ぽかんとするしかない。そして皆思ったであろう。
今の何?!もしかして呪文??!!
「な、何したんだ?」
思わず聞いてしまったシルバに罪はない。
「内側から燃やしてるだけだよ」
そのあまりの残酷さに顔をひきつらせながら、徐々に縮んでゆくそれを見つめていると、後ろから叫び声がした。振り向くとそこには──チナがいた。
女子にあるまじき変顔をしているチナに、一声かけようとしたシルバだったが、チナの目線がこちらに向いていないのをみて、止めた。その代わり、同じようにしてチナの目線を辿ってみた。
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うーぉおー…やべぇよなにしちゃったのあのテリアさん。触った途端のたうち回り始めたけど?!恐ぇええええ~……!!
チナは肩に未だ兵士の片手を乗せたまま、その光景を見ていた。顔がひきつっていたのは、まぁ、ご愛嬌。
そんなときだった。ネズミのような魔獣、マウリーが肩に登り、この上なく面倒なことを教えてくれたのは。
『チィナ、チィナ!くーるーよっ!』
「ん?なにが来るの?」
『チィナ!くるよー!ばっさばっさくるよー!
』
「…………んんー!意味が分からないかなー?」
『姐さん魔鳥の団体が来てるのでござんすよ』
「いきなり流暢に話さないでくれる?!しかもなにその話し方!っつか、……え?今スッゴく嫌ーな情報が耳を通り抜けたんだけど」
『……ごほん。…チィナ!鳥しゃんがばっさばっさくるよー!』
「今更作らなくて良いから!!ていうか私の聞き間違いじゃなかったのね?!どこ、どこに?!どっちから?!」
チナが頭を抱えてマウリーに迫る。すると目をくりくりとさせながら毛の生えた長い尻尾をゆらりと揺らし、来るであろう方向へと持ち上げた。
『むこー』
ばっとそちらを向くチナ。その方向は運の悪いことに、ちょうどテリアとシルバがいる方向だった。
そしてさらに運の悪いことに。
「おーまいがー!!」
既に魔鳥の団体、というか、軍隊は視界に映るほどの距離だった。
何でくんの?!って言うか、ああぁぁあぁあああぁぁあ!!!!殿下そっち向くなー!!って、おいいいいいいいいいっ!!テリアいつの間にそっち向いてたんだよぉぉおぉおおおおっ?!!
アーピー
ハーピーの種族。しかし種族の中でも上のランクにいる。チナの知っているハーピーは、猛禽類の体に女性の胸から上、というものだが、アーピーの場合体は変わらないが、上半身は女性の腰から上全てがついている。つまり腕もついている。
マウリー
ネズミのような魔獣。ネズミと違うのは、尻尾に毛があるのと、手がモグラみたいになっているところ。舌っ足らずを装うのが好きらしい。いつも気分はいくつもの言語を喋る一流スパイ。




