閑話*納得 疑問、結局は神様
久々の神様(・∀・)
「おお……コイツ、なかなかやるなぁ!」
「ちょっと、見えないよ!どいてよぉー!!」
「黙ってくれるかな?チナさんがよく見えないし聞こえないんだから」
「…お前たち、静かに、という言葉を知っているのか?」
白い、ほとんど何もない空間の中。奇妙な服を着た顔の整ったヒトが四人騒いでいる。彼らの傍らには巨大な砂時計。サラサラと砂を下へ落としているが、彼らはそれに見向きもしない。
彼らが見ているのは───
「ちょっと!重いよ!どいてってば」
「ん?あぁ…ごめんごめん。小さすぎて気づかなかった。乗られたくないならどいて」
「ウルせーっつの!歪むだろ!騒ぐなよ」
「お前が言うな。………ほう…?」
彼らがのぞき込む先は、闇。小さな闇。
しかしその奥には、何かの風景が見える。…なにか、茶色いものだ。
凛々しい顔つきをした女が、他の三人を押しのけ前にでる。
「イグリか」
「ってめ、相変わらず馬鹿力…って、は?イグリ?!」
「え、イグリっていった?」
「イグリ?チナちゃん、イグリも懐いたの?!」
一番小さく、子供の姿をした男──少年と、つり目をした男、さらに優しげな顔をした男が叫ぶ。
「あぁ、イグリだ。……はは」
女が引きつった笑い声をあげる。優男は闇を覗き込みながら、思っていることを口にする。
「いやぁ、『彼ら』に呼ばれたから、それ相応ことはあると思っていたけど……こうなるとはね」
「凄い凄い!チナちゃん、ウォリアだけじゃなくイグリまで!さすが『彼ら』が選んだだけあるねっ!」
しかしそこで、つり目の男は渋い顔をした。当然のことながら、まわりの三人は彼に疑問を投げかける。
男は頭をボリボリと掻きながら、苦々しげに呟く。
「考えても見ろよ。もう完璧、俺らチナに干渉できないぜ」
「?どうして」
「よく考えろって!…もともと、俺らは『アイツら』が選んだやつに深く干渉はできなくなってる。理由はしらねぇがな。……『アイツら』は選んだやつを俺たちが助けるのを嫌う…っつーか、自分たち以外に関わることを嫌う」
「そえ、だったねー、そう言えば…。でも、なんでそれが干渉出来なくなることに繋がるのさ?」
しかめていた顔をさらにしかめ、男はうんざりしたように言う。
「だから…。自分たち以外に関わることを嫌う『アイツら』が、いまチナの側にいる魔獣たちを見たらどう思うよ?怒り狂うだろ。そこに俺たちが加わって見ろ?……最悪だろ」
「では、チナを奪えばいい。『奴ら』より、私たちの方が強い」
女がそう言うと、男はぎろりと睨みつけた。いらいらしたように鋭く息を吐く。
「だからよ!俺たちは何でかわかんねぇけど!選ばれたやつに深く干渉は出来ないだろ!!奪うなんてもってのほか!!干渉しまくってるだろがっ!!」
「ぅ……」
「うーん、でもさぁ」
少年が首を傾げながら男にたずねる。
「何だよ」
「なんで、魔獣たちはチナちゃんの側にいるのかなぁ?」
「……………は?」
「だって、『彼ら』をよく知っている魔獣たちなら、チナちゃんが選ばれたことも知ってるはずでしょ?『彼ら』のことを知っているんなら、チナちゃんに手なんか出さないはずだよ」
少年の言葉に、三人が息を飲む。確かに、その通りだ。ふつふつと疑問が湧いてくる。
「そ、言われてみると……なぁ」
「不思議だね…気になるな」
「……分からないな」
三人が口々に疑問を出していると、少年はにっこりと、それはそれは可愛らしく笑った。
「ボクには、そんなこと、どうでも良いけどね」
──面白ければ、なんだっていい。
まるでそう言ってるかのように、愉しげに『嗤い』ながら三人に言うと、一人闇を覗き込んだ。
二人もつられて頷き、少年の近くに寄りそう。
一人の男は、苦笑して。
「やっぱ、玩具だよな。神様って怖ぇー」
ま、そんな俺も神様だけど。
ニヤリと笑い、男は三人に混じり、闇の中の世界──チナのいる世界を覗き込んだ。




