ヒーローが来たけどなんか恐い、のち庇護欲
書き足しました<(_ _)>
『チナー!!』
それは遠く離れたところからのものだったけれど、それは確実に近付いてきていた。
『チナッ』
「ノア…ノアッ!」
まるで生き別れた家族との再会のように、もしくは壁を乗り越えてやっとともになれる恋人のような再会を果たすチナたちを、呆気にとられてイグリはみていた。
『ノア……?』
その言葉を敏感に捉えたノアは、チナを守るように前にでると、イグリに向かって唸り始めた。
『鳥が。我からチナを奪いやがって…!』
「…ん?」
『チナは我と一緒にいるのに。くそがっ!!』
「え、ちょ、ノア?」
しかしノアの耳にはチナの呼びかけなど入ってはこない。ただただ、イグリに怒りを向ける。
イグリもイグリで、不機嫌そうにノアを睨んでいた。
『てめぇずるいんだよ!チナ独り占めすんなよっ!!』
『うるさいっ!チナは我と一緒にいるんだ。それに、チナは我に名を付けてくれたんだぞ、この我に!名を!!』
ノアのその言葉に、大きくよろけるイグリ。ぱくぱくと数回その鋭い嘴を開閉したかと思うと、悔しそうに叫んだ。
『名をだとぉっ?!くぅううっ…!さっきのはやっぱり…!』
『ふん、どうだ鳥め!!我とお前とては格が違うんだよ!』
あれ、やっぱり。ノア、喋り方変わってないかい?んん?なんか、アレだな……この鷲がチャラ男なら、ノアは紳士って感じだったけど。今はお子ちゃまにしか見えないよ?!なんか恐い!
『チーナーッ』
「ぐほぉっ」
考え事としていたチナに突進し、嘴でつつき始めるイグリ。勢いが良すぎてチナでえずいたが、そこはご愛嬌。
『チナ、オレにもっ!名を付けてくれよ!!』
イグリがチナを何度もつつく。チナはそれがくすぐったくて、思わず身をよじると、それを見ていたノアがイグリに飛びかかった。
『鳥がぁぁああっ!!』
次の瞬間には、イグリとノアは巣の端っこに行っていて、キックをしたり引っかいたりをしていた。
ガリッ、バキッと音がする度にチナは顔をしかめ、ついに二匹に叫び始めた。
「やめぇええええっい!!」
ぴたっ
「こんな狭いところで喧嘩すんなっ!!名前欲しいだけでしょ!あんた!あんたは、鷲だからファルコンからとって、あんたはファル!決定!以上!!」
チナが怒鳴るようにイグリの名前を決めると、その場の空気が固まり…そして。
『チナーッ!!』
きゅるーん
『チナァアッ!!』
きゅぅーん
イグリがノアを押しのけてチナの元に飛んでくる。ノアは呆気にとられた顔をしたかと思うと、悲壮感あふれる顔と声を上げた。
あ、あれ?可笑しいな……何でだろう。ノアが、ノアが子犬に見えるよ?…あれ?あれぇえ??
ファルはチナに頭をすり寄せていたが、なぜかいきなり巣から出て、空高くに羽ばたいた。
その隙をねらってノアがチナにすり寄る。
『オレの名前はファルだ!!ぃいやっほぅー!!』
あれ?ファルコンって………鷹……?
タラスは害無いです、はい。




