怖い人に捕まりそうになりました
名前って考えるのめんどくさいな。(´・_・`)
ノアかるーく戦う…?うーん、戦うとは言わないかも。
「きゃはっはー!!」
ただ今ノアで爆走中!!やっほー!!超気持ちいい!ノアの魔術で空を駆けてます!魔術で飛ぶって言われたときはビビったよそりゃぁ……でも、いざ飛ぶと気持ちいいもんだよな!……え?何でそんな事してるかって?それは私が言ったからだよ、うん。いやさ、この前のマグロさんいたじゃん?そのマグロのこといったらさ、ノアとこういう会話になってさ。
『……チナ、それはシャマカといってだな?人魚の最下位種族なんだが、それを食べたと言ったな?それはおそらく、お前のためだ。奴らに選ばれたお前を助けようと、自分から死を選んだのだ。…なに?そんなわけないだと?そんなわけあるのだ。この世界の魔獣たちはほとんど知っているぞ、お前が選ばれたと。知らないのは地に眠る太古のドラゴンくらいだ。……会いたい、だとおっ?!無理だ!……ん?シャマカを供養したい?…人間がいた?話したい?何でまた…まあいいか。わかった、行こう。…だから、無理だ!死ねというのか?チナ!!』
…って!だってドラゴンだよ、ドラゴン!みたいじゃん?ノアがいなくなるのは嫌だから諦めたけどな!
まぁ、そんなこんなでシャマカを供養しにあの森に行ってきます!
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『チナ、あと少しでシアラの森につくぞ』
「ほんと?!って、シアラの森?ナニソレ?」
チナの言葉に、ノアは首をぐりんと回し、チナのために丁寧に答えた。
『シアラという魔獣が住み着いている森だ。あそこの草木が旨いらしくてな。お前を連れてきたヤツらだ』
「……………………あぁっ!あの鹿?!へえー、シアラって言うのかぁ」
変わった鳴き方をする鹿を思い浮かべ、なるほどと頷く。それにため息をついた後、ノアは何か思い出したらしく、チナにもう一度話しかけた。
『チナ、人間がいるかも確かめたいのだろう?それは良いが、良い人間ではないかもしれないからな。お前に一つ、魔術をかけるぞ』
「んー?いいけど、どんなものかけんの?」
『かけた対象がぼやけるものだ。チナの邪魔にはならん』
鼻を鳴らして前に向き直る。いつの間にかチナたちの下に森が広がっていた。
クンクン、と鼻をうごめかせたあと、ノアはチナをチラリとみて、方向を変えた。
「え、え?どこ行くの?!」
『…チナの言うとおり、人間の匂いがする。念のため離れたところに降りる。…我の上から降りるなよ?』
「わ、分かってるよ…」
チナが視線をさまよわせるのを見て、深くため息をつくノア。
ぐんぐんと地面が近づく。ぎゅっと目をつぶるチナ。しかし、全く衝撃がこない。目をつぶりながら頭の中にクエスチョンマークを掲げていると、ノアから呆れたような声がかけられた。
『…何をしている、チナ?着いたぞ』
「…ぅんっ?!え、いつの間にっ?!少しくらい衝撃とこあるもんじゃないの?!」
目を開けるとすでにノアの足は地面に着いていた。驚きで叫び声をあげるチナ。
ノアはそれを無視して歩き始める。
『チナよ、ここからシャマカの匂いがする』
ゆらゆらと揺すられて眠くなっていると、ノアから声がかかった。
「えっ、どこどこ」
チナがノアの頭に身を乗り出し、そこを覗き込む。
そこは、チナがシャマカを捌いたところのままだった。この前と違ったのは、そこにシャマカが無かったこと、血が土に染み着いていたこと、そして、少し離れたところに火の跡があることだ。
「誰か…いたんだね」
ノアは火の跡に鼻を近づける。
『ついこの前までここにいたな。それに鉄の匂い…これは──』
ノアが喋るのをやめた。ポキッと、後ろの方で何かが折れる音がしたからだ。
「……ウォリア……?」
ゾワリ。
チナの背に寒気が這い上がった。なぜかはわからない。しかし、恐ろしかった。その『声』を発した人間が。
ノアが素早く距離をとり、声がした方に唸る。
ヴォルルルルルル……
そこにいたのは、一風変わった、黒に近い紫の服を纏った、紫の髪と目をした青年だった。大きなくりくりとした目が青年を可愛くみせていた。が、発する気配、魔力がどこか異様なことで恐ろしくしか見えない。
「へぇー…あのいけ好かない執事に言われて来てみたら…。コレのことかな、強大な力って?…ウォリアに跨がってるし…ふぅん……?」
青年が顎に手をやり、なにやらぶつぶつ言い始めた。疑問に思っていると、青年が手を挙げた。
「全兵、構え」
「えっ!!」
チナは気付かなかったらしいが、チナとノアの周りをかこんでいた鎧を着た人たち──兵が剣やら槍やらを構え始めた。魔術を使うものも居るらしい。
青年が薄い唇を動かす。
「ねぇ、君、ウォリアに跨がるなんて、凄いね?…ねぇ、こっち、来なよ?」
にっこりと口元だけで笑う。まるで人形のようだな、とぼんやりと思っていると、ノアが怒りに満ちた吼え声を上げた。
「うわっ」
青年が吹っ飛ぶ。チナが小さな悲鳴を上げるが、そんな心配は要らなかったようだ。
「…お、んな……?君、女なの?へぇ、女なのか。……興味がそそるねぇ、君…」
口の端を釣り上げる青年。ひっ、と息をのむチナ。嫌な予感しかしない。
「君、こっち来てよ。……コレ、命令だよ?」
首もとまで隠す変わった服だから分からなかったが、青年の魔力で、青年の髪がふわりと浮かんだ。襟足だけが長いようだ。
『男、ソレは威嚇か?』
「……光栄だな、ウォリアが話しかけてくれるなんて。そうだよ、威嚇。だって興味湧いちゃったんだもん、彼女に」
青年が言い終わったかと思えば、次の瞬間にはまた吹き飛んでいた。
周りの兵士たちの殺気が強まる。青年が一番偉いらしく、命令を待っているらしい。
『この子に近付くな、人間!』
「いたたた…何すんのさ、いきなり。って言うか、そんなに大切なの、その子?」
『言う必要があるのか?失せろ、人間』
ノアが唸りながら囁くように言うと、青年はクスクスと笑い始めた。
「君たちがここに来たんでしょ?酷いなぁ。…ねぇ、君。跨がってる君だよ」
「え……私?」
『無礼者がっ!聞こえなかったのか?失せろ、と言ったんだ、人間が!!』
ノアが怒鳴る。びりびりと空気が震えた。あまりの怒気に、チナはノアの毛に顔を埋めた。
「…ねぇ、ウォリア。僕は彼女に言ってるんだけど。さっきから何邪魔してんの?ねぇ、なにしてんの?いい加減にしてよ」
今度は青年から殺気に似た怒気が発せられた。それを浴びたチナはますますノアの毛に顔を埋めた。しかしノアはその怒気を鼻で笑った。
『たかだか人間が、我に牙をむけるか。…少しばかり魔力が高いだけのくせに。思い上がるなよ、人間。それで我を倒すというのか?笑止!!』
ノアが高らかに叫んだ。途端、青年、そして兵士たちの周りに風が渦巻き始めた。
青年が何か早口で言ったが、恐らく魔術だろうが、うまく利かなかったらしく、恨めしげにノアを睨んだ。
『身の程を知らぬ人間よ、お前に一つ、教えてやろう。自分を最高だと、最強だとおごるな。上には上がいることを忘れるでない』
ノアはそう言うと、来たとき同様に空を飛ぶ魔術で空中に浮く。くるりと背を向けると、青年が叫んだ。
「僕の名前はテリア!!諦めないよ…!絶対、見つけ出してやる…!!」
ぎらぎらとした目で、ぼやけて見えるはずのチナを見つめる。
その目線が恐ろしくて、チナを震える息を吐く。
ノアはその言葉にも鼻で笑い、空を掛け始めた。
『……チナ。安心しろ』
ノアがチナに呼びかける。チナはさっきの青年が怖くて仕方なかったらしく、ずっと毛に顔を埋めていた。
ピクリと指を動かすチナ。
『我がいるだろう?我は強いぞ、チナ。我は負けない。チナ、安心しろ。我がチナを守ってやる。そう誓っただろう?』
のろのろとチナが真っ青な顔をして前を向くと、ノアの優しい輝きを放つ金の瞳と目があった。不思議と強張った体がゆるんでいく。
「…うん、そうだよね、ノアが負けるわけ無いよね!!」
チナはノアに笑いかけ、ノアに抱きついた。
「ノア!帰ったら森の中散歩したい!」
『散歩…食べ物探しの間違いだろう?』
ノアがチナに笑いかけながら茶化すと、チナはうっ、と押し黙った。
黒の森の上で笑い声が響いたのは言うまでもない。
ウォリア
ノアのこと。狼の魔獣。陸の魔獣の中で一番強い種族。
皆さん、気付きました?テリアたちが王宮から「行ってこい」された人たちで、シルバが「大変だろうな」って言ったのがテリアです( ´艸`)
そして、テリア!テリアの服はHTFのモールさんみたいな。髪型は…うーん。




