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愛し子な女子高生(リメイク中)  作者: 沽雨ぴえろ
第2章  トリップ編
12/45

赤の国の一室で。~青年よ 叫べ~

閑話じゃなくしました(-ω-;)


タイトルも変えました(・∀・)

バタバタバタ…

ばんっ



「シルバ様!緊急の報告が──」



 目にいたくないほどの赤でまとめられた大きな部屋。窓際には最高級の赤いソファーに座り、何かを真剣に見つめる青年の姿があった。



「うるさい黙れ引っ込め。今やってることが目に入らないのか?今俺は大変忙しいんだ」



 一つにくくった燃え立つ炎のように赤い髪、深い緑色をした瞳。赤の国の王族に見られる特徴を持つ青年は、いきなり入ってきた執事を遮り、目の前の白と黒のものに鋭い目線を送った。

 執事──レシーはそれを見て「またですか…」とため息をつく。それを視界の端でとらえたシルバはレシーを睨みつけた。



「なんだ、レシー?何か文句でもあるのか」


「シルバ様、諦めも大事なのですよ」


「うるさい黙れもやし。俺は認めない。俺は絶対に今日中にお前に勝つ!!」


「その熱意を仕事にまわせませんかね、シルバ様?」



 またもやため息をつき、シルバに近寄りながら最近頭を痛ませる仕事の遅さを暗に突きつける。当然のごとく、シルバは。



「お前がやれば万事解決だ。だから黙れ」



 レシーもこれだけでは動じないことくらい分かっていたが、それだけ頭を悩ませていたことなのだ。

黙り込むレシー。黙々と手を動かすシルバ。数分たっても話を聞く気も仕事をする気も無いことが分かると、レシーはシルバの目の前にある白と黒を倒し始めた。



「あっ、馬鹿、お前っ……!!」


「ああー。手が勝手にー。すいませんシルバ様ー。あーれー」



 ゴトゴトと白と黒の彫刻が倒れていく。加えて手で混ぜるように倒して行くもので、先ほどあった場所に戻すことも不可能となる。

 どんどん崩れていく自分の築き上げたものが壊れていくのを見て、シルバは情けない声を出していた。



「あ…あ…あー。俺の、俺のキングがっ」


「ふぅ。……あー。すいません、シルバ様……なぜか手が勝手に動いてしまって…実は私、この両手には強い力を持った怪物が封印されていて、たまに暴れるのですよ…うぅっ……」


「信じるやつなんていないだろそれ!!どうすんだよ、すごく良くできてたのにっ」


「あー、なんかシルバ様が仕事を早く終わらせてくれれば勝手に動くことも無くなるかも…」


「勝手に言ってろよバカもやし。俺寝るから」



 そう言ってソファーに横になるシルバ。呼吸で寝ていないことは分かっていたが、このまま引き下がっては意味がない。レシーはにこやかに笑い、頭を下げた。



「それは残念でございます。シルバ様が仕事をきちんとやってくれれば、手の調子も良くなりそうなのでしたが」


「……………」


「これではチェスが出来ませんねぇ、残念です」


「やればいいんだろやれば」



 レシーの言葉を聞いて、勢いよく起き上がったと思ったらいつの間にかレシーの手にあった書類を奪い取った。それを見ながらチェスの駒を片づける。それを見て満足そうにレシーは頷くと、コホン、と咳払いをした。

 シルバが鬱陶しそうにそちらを見る。



「シルバ様。その前にご報告があります」


「なんだ、言ってみろ。ただしくっだら無いことだったらぶっ飛ばす」


「ご安心ください、くだらなくはありませんので。早速本題に入らせていただきますが、昨日、テテシア海岸沿いに強い力を感知しております」



 レシーがゆっくりとした口調で報告をした。

 報告を聞いたシルバの手が止まる。数呼吸分の間をあけ、レシーに向き直る。無言で続きを促す。



「現在テテシア海岸に視察を向かわせています。昨日から今日にかけて分かっているのは、とてつもない力を持った『何か』がテテシア海、もしくは近辺に来たことが分かっています」


「………それだけか?」


「いえ、あと一つ」



 シルバが片眉をくいっ、とあげ、レシーを見つめる。レシーは困惑したような顔をして、告げた。



「シャマカが、感知されました」


「!!」



がたんっ



 勢いよく立ったことで、重いはずのソファーがガタガタと音を立てる。シルバの顔は驚きで染まっていた。レシーの困惑した顔は、きっとシルバと同じ理由からだろう。



「シャマカ…だとっ?!なぜ人魚の種族がテテシア海なんかに……!」


「それは未だ分かっておりません…。しかし、必ず突き止めます。そのために、派遣した視察団に彼を入れました」


「彼って………あいつか…。大変だろうな…他の奴ら」



 シルバがソファーに腰を下ろし、苦笑して書類をまた手に取った。レシーも苦笑を返し、ふと何かを思い出したかのように目をしばたたかせた。



「シルバ様、ちょっと私、用事がありましたので失礼いたします」


「ああ。報告ご苦労だった」



 レシーが深く礼をして、静かに部屋を去っていった。

 しばらく黙々と書類に目を走らせていたシルバだが、休憩とばかりに顔を上げたその瞬間、彼は硬直した。そしてすぐに──



「逃げやがったなレシィイイッ!!!」



 その手にはしっかりとチェス板が握られていたという。



□■□■□



『逃げやがったなレシィイイッ!!!』



「あ、あの…レシール様…シルバ様の叫びが」


「あぁ……いいんですよ、ほうっておいて。さ、しっかり仕事をしましょう」


「は、はぁ……」



 シルバの叫びはしばらくの間噂となった。







赤の国ですね(*´∀`*)

書くの楽しいですハイ。


シャマカ

ちなと追いかけっこしたあのマグロ。青とクリーム色のしましま模様でカエルの脚で歩くことのできるマグロ。

人魚の種族にあり、最も弱く下っ端であるがあまり知られていない。(主に人間に)

食べる気は起きないが一応食用にもなるが、不老不死にはならない。なるとしたら腹を下すことである。

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