懐かしの来訪者
the Holystar from a Galaxy - Souji Yamato
冒険者ギルドの責任者『ブラッド』の許に、懐かしの来訪者があります。
それは、ブラッド(初老の紳士)の恩師で、昔なじみのクリスでした。
クリスは、イアカ村の学校教師で、うら若きショートヘアの美女です。彼女を前にして、ブラッドは、朗らかな表情でいます。
「先生、お久しぶりです! 再会できて、この上なく、嬉しい限りです」
「ボクも、ブラッド君と再開できて、うれしいよ!」
クリスは、ブラッドに、あどけない笑顔を返しました。
それで、ブラッドは、まず、思い出を語ります。
「今の俺があるのは‥‥先生に、大人の男にして頂いた御蔭です!」
「‥‥恥ずかしいな」
クリスは、赤面ながらに、恥じらいました。
そこで、ブラッドは、矢継ぎ早に、思い出を語り続けます。
しばらく、ブラッドは、楽しそうに、思い出を語り続けました。その間中、クリスは、恥じらいながらも、相槌を打っていました。
さらに、ブラッドが語ります。
「先生との初めては、俺がまだ、子供の時で‥‥」
「その話、恥ずかしいから、やめてくれない?」
「嫌です。先生は、最高でした!」
「ところで‥‥ボクの用件は、冒険者になりたいんだけど?」
「‥‥へぇ?」
「だから、冒険者になりたくて、この街『ストラッド』に来たの!」
「それは、唐突ですが‥‥なんで、いきなり?」
「ボクの人生って、今まで、色々あったから、青春を、やり直したくてね」
「先生って、何才でしたっけ?」
「2136才だよ」
「まるで‥‥歴史みたいな年数ですね」
「けど、内2千年は、戦犯由来の性奴隷だったから‥‥人生、やり直すの♪」
「わかりました。冒険者の件を含めて、お手伝いします!」
「ありがとう!」
クリスは、満面の笑みで、喜びました。
彼女の笑顔を見て、ブラッドが、和やかに微笑みます。
程無くして、ブラッドは、家の権利書を取り出しました。
そして、クリスに提示します。
「これは、先生の教え子の‥‥ハワードが残した家です」
「えっ‥‥ハワードは、死んだの?」
「はい、5年ほど前に‥‥」
「だけど、これって?」
「ハワードの奴は、先生との結婚が夢でした。だから、もらってください!」
「‥‥わかった。大事にするからね!」
クリスは、ハワードの家の権利書を、受け取りました。
続けざまに、クリスが問い掛けます。
「ハワードは‥‥どんな冒険者だったの?」
「沈着冷静で、頼りになる魔法剣士でした。それが‥‥」
「どうしたの?」
「仲間の制止を無視して‥‥サッキュバスを相手に、腹上死しました」
その話を聞いて、クリスは、ハワードの年齢を、指折り数えました。
それで、困惑しながらも、クリスが呟きます。
「享年57才、お盛んだね‥‥」
「‥‥そうだ、良い紅茶が、あるんですよ!」
「いいね‥‥美味しいかもね!」
「是非、飲んでください‥‥」
「‥‥」
「‥‥」
二人は、不自然に、話題を逸らしました。
その後は、静かに、紅茶を嗜むことにします。
こうして、クリスは、家を手に入れました。
the Holystar from a Galaxy - Souji Yamato




