イタズラ3人組
「サムライ強い、石真っ二つ!」
「真っ二つ!」
「つ!」
現れた子供達はツルギの太刀筋にはしゃいでいる。3人はそれぞれ、2本の角、1本の角、短いツインテールの髪型という特徴を持っていた。そして喋るは2本の角を持った子が先だった。
「君達が投げつけてきたのか?こんなの人にぶつけたら危ないじゃないか!」
「俺達、鈍い奴に怒られた。」
「怒られた。」
「た。」
3人は叱られてしょんぼりした。鈍い奴と言われたのはちょっと嫌だったが、泣き喚かれるよりはマシだった。
「スカイ殿、所詮は童のする事。邪気無き者に強く言うのは良くないでござるぞ。」
「無邪気で石ぶつけてくるのはどうかと思うけど...。それよりお前達、もしかしてこの森に来る者達を俺達みたいに脅かしたりしてないか?」
「俺達、ちょっとからかっただけであいつら大騒ぎ!」
「大騒ぎ!」
「ぎ!」
これも無邪気であるが故か、あっさり自供してくれた。俺は3人に今後イタズラをしないように注意するが、これは素直に聞いてはくれなかった。
「俺達にやめてほしかったら、俺達に付き合え!」
「付き合え!」
「え!」
「おいスカイ!こんな奴らに付き合ってやる義理は無いんだ。さっさとメリィ達にこの事を伝えに行こうぜ。」
テトが3人を放って置こうとすると、硬い木ノ実の一斉射撃を食らった。
「イタタ!おい何するんだ!?」
「チビッコも俺達に付き合え!」
「だそうだテト。これ以上痛い目に遭いたくなきゃ、こいつらに付き合うしかないぞ。」
「レイラ様ぁ...」
「良いではないですか、魔物と戦い続けているスカイにも、少しくらいは...」
レイラに助け舟を求めたテトだが、期待してた返答とは違った事に仏頂面になった。
「たくっ。レイラ様に感謝しろよな!」
「ありがとうテト。それで、一体何をするんだ?」
「俺達問題出す。お前それに答える。全部で3つだ。分かったか?」
「分かった?」
「か?」
「分かった分かった。それより先にお前達の名前を教えてくれないか?俺はスカイ=ウルメイア=フィールドだ。」
「ピック!」
「ペッケ!」
「ポー!」
3人はそれぞれに名前を言った。2本角がピック、1本角がペッケ、短いツインテールがポーと分かった。
「それじゃあ1問目だ。俺達がこれからヒントを出す。お前俺の質問に答えろ。行くぞ、俺らの中で誰かが魔法使いの杖折った。俺らの中で正しいの1人だけ!」
ピックが問題を出すと、先にペッケがヒントを言った。
「ペッケ、やった。」
次にピックが続く。
「ペッケ、やってない。」
最後はポーだった。
「ポー、違う!さて誰が折ったか?」
これは昔クイズの本で読んだ嘘つき村への行き方という問題に似ていた。ピック達が出す問題には解答時間が決まって無いからじっくり考える事か出来る。だがそうはさせてくれない奴がいた。
「おい、いつまで考えてんだよ!お前頭良いんだからさっさと答えろよ。」
「うるさいなぁ!俺はもう50年以上クイズやなぞなぞに頭使った事が無いんだぞ!」
「スカイ殿、拙者が答えようか?」
「サムライダメ!これ俺達とスカイの勝負。邪魔したらいたずらするぞ!」
「するぞ!」
「ぞ!」
3人が両手を広げてツルギの前を通せんぼした。俺もやっと正解が分かり、ピックに答えた。
「杖を折ったのはポーだ。そして正しい事を言ったのはピックだな。」
3人は少し黙った後、無邪気にはしゃいだ。
「正解正解!スカイ頭良いな!」
「次はペッケが出すぞ!俺達それぞれにイタズラした!"本を盗まれた奴"、"水晶玉を割られた奴"、"カエルが入った箱を渡された奴"がいる。誰が誰にイタズラしたか答えろ。」
今度の問題はさっきより難易度が複雑になったようだった。そしてピックが喋り始める。
「俺、ポーにイタズラした。」
次はペッケが喋る。
「本を盗まれた。」
最後はやっぱりポーだった。
「そしてペッケ、誰かにカエルの箱あげた。ポーは水晶玉割られた。ガッカリだ...。」
ピックがポーにイタズラし、ペッケは本を盗まれた。ペッケは誰かにカエル箱をあげ、ポーは水晶玉を割られた。この時点でカエル箱はペッケで決まったが、ピックのイタズラが不明だ。俺は3人のイタズラを、ジャンケンの相性の様に考えて答えを導き出した。
「先ずペッケはピックにカエル箱をあげた。ピックはポーの水晶玉を割った。最後にポーはペッケの本を盗んだ。これでどうだ。」
3人は悔しい顔を数秒間した後、また無邪気にはしゃいだ。
「正解正解!これ間違うと思ってたのにな。」
「最後はポーだ。お前行け!」
「んーと、んーとね...。」
3人の中でおっとりとしたポーは、何を出すか考えていなかったようだった。そして何かを閃いた顔して問題を出した。
「俺の名前は?」
「えっ?お前は...ポーだろ?」
次はペッケが前に出た。
「じゃあ俺は?」
「ペッケだろ。」
最後はピックが出て来た。
「間違えたら怒るぞ!」
「ピックだろ。」
最後の問題は問題とは言えないくらいの物だったが、3人は満足そうだった。
「俺達に付き合ってくれてありがとな。約束通り、もう他の奴らにイタズラしない。俺達ちゃんと謝りたい。」
「謝りたい。」
「たい。」
「素直でよろしい。ではスカイ殿、メリィ達の元へ連れて行こう。」
「そうだな。ちゃんと叱ってやらないと、こいつらの為にもならないからな。」
俺達はメリィとフォーロ達に事情を話し、ピック達も素直に謝った。彼らのイタズラとは言え、立ち入り禁止の森に入った生徒達にも非はある。こうして俺達はメリィからの依頼を終え、再び魔物討伐の遠征へと向かった。
「大分道草食った気がしたけど、魔物が出没した村が壊滅する前には間に合うな。」
「お前なぁ。今度からはこういう事に首突っ込むのは止めろよな!」
「分かったよテト。ピック達はフォーロとメリィに任せたから、もう大丈夫だな。」
「スカイ殿、拙者達の後を着ける者がおるようだが...。」
「えっ?」
もしかしてメリィが...と思って振り返ると、そこにはピックがいた。
「ピック、どうしたんだ?態々見送りに来たのか?」
「俺術者!強いし速いし怪我治せる。連れてってくれ!」
「ピックが!?他の2人はどうした?」
「武器持ってるの1つだけ、だから2人俺に武器くれた。ペッケとポーはじいじ達といるって。」
じいじとはフォーロの事か...。一応ピックの能力を確認した。
【ピック 術者 15歳】
・体力 12 ・攻撃力 20 ・素早さ 15.0 ・自回復力 12 ・衰退期まで20年
一応入団するには十分な年齢ではあった。抜けたフォーロの分を補うには丁度良いのかもしれない。
「分かった。但しこれからは聖炎騎士団の規則には従ってもらうからな。イタズラなんかしたら、すぐに追い出すから覚悟しとけ。」
「うん!俺分かった。よろしく!」
俺達はイタズラ3人組の一人、ピックを加えて魔法都市レームを後にした。
{次の災厄まであと8年}




