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聖騎士とヴァンパイア 中編

俺達はリリスに追い付き、共にヴァンパイアを討伐することを改めて伝えた。それでもリリスは協力を断るが、俺達がリリスの為で無くルース達に依頼されたからだと伝えると、リリスは少し黙った後にゆっくりと口を開いた。

「...分かった。君達の協力は飲もう。だがこれだけは約束してくれ!奴を倒す事が出来るのは私の聖剣だけだ。他の者がトドメを刺せば、奴は再び復活してしまうからな。」

「分かった。約束しよう。」

こうして、聖騎士リリスと共に、ヴァンパイア討伐が始まった。


ヴァンパイアが潜む塔には、複数の魔物が潜んでいた。リリスは聖剣の力を温存する為、戦闘には加わる事が出来なかったが、俺達の戦力なら問題無かった。

塔を登る中で、リリスが俺に尋ねてきた。

「スカイ、君は不老不死なんだよな?」

「あぁ。そうだけど、それがどうかしたか?」

「...長く生き続ける事は辛いか?」

「...あぁ。辛いよ。皆あっという間に俺の側からいなくなってしまう。20年間連れ添ってくれた仲間もいたけど、それでも辛い事に変わりないさ。」

「...そうか、すまない。気を悪くするつもりは無かったんだ。」

「別に良いさ。不老不死と言っても、俺はまだ60年しか生きていないんだからさ。」

「そうか。ならば奴も君と同じ思いをしているのかもしれないな...。早く私の剣で終わらせなければ。」

リリスのヴァンパイアに対する敵意が気になったのか、ツルギがリリスに尋ねた。

「お主、何故そこまで奴に執着している?」

「...そ、そんな事は無いぞ!私は聖騎士だ。魔物もヴァンパイアも、聖騎士にとっては忌むべき敵。...ただそれだけだ。」

「左様か。」

「ツルギ。君は...自分の"正しさ"を信じるか?」

「...難問だな。拙者は己の天命に従って斬るのみ。」

「天命とは、団長の命令か?」

「否。己の天命は己が決める。嘗て友が拙者に教えてくれた言葉だ。」

「...強いな。」


塔の最上階に着くと、ヴァンパイアでは無く体力を吸収する特徴を持った魔物が潜んでいた。フォーロによると、禍々しい力を手にした人間が魔物になった記述が残されていると教えてくれた。すると魔物は俺達に向けて話しかけて来た。

「...リリ...ス...?」

「?どういう事だ!?何で奴がリリスの事を...」

「くっ...!」

「リリス...リリス...」

魔物による精神攻撃の様なものなのか、それともやはりリリスとあの魔物は、浅からぬ因縁があるのやもしれない。するとリリスは剣を抜き、剣先を魔物に向けた。

「私は聖騎士のリリス!貴様によって命を奪われた者達の無念を晴らす為、この聖剣で貴様を討つ!!」

「...ギョオオオオオ!!!!」

リリスの宣戦布告に応えるかの如く、魔物が雄叫びを上げた。

「スカイ、君達の力を貸してくれ!そしてトドメは私に討たせてくれ。」

 

【リリス 聖騎士 18歳】

・体力 28 ・攻撃力 16 ・素早さ 8.3 ・支援力 14 ・補助力 16 ・他回復力 12 ・衰退期まで19年

リリスはやはり万能の能力値を持っていた。しかもまだまだ大きく成長出来る年齢でもあったので、今度と次の予言では間違いなく主力と成り得る逸材だった。リリスが今回限りである事がとても残念に思いながらも、俺は魔物の能力を確認した。

 

【カオスバーン レベル06】

・体力300 ・攻撃力12(複数攻撃4×4) ・素早さ9.0 ・防御力8 ・回復力9

特徴…体力が低い者を狙う。両腕を揺らした後に複数攻撃、雄叫びを上げた後に生命吸収攻撃を仕掛けてくる。

相手の体力が400以上でなくて助かったが、敵の特徴が厄介だった。普段通りなら力押しで何とかなるが、今回はトドメをリリスという勝利条件付きの戦いである。万が一リリス以外で倒してしまえば、奴は再び復活しリリスの努力が無に帰してしまう。俺は今いる団員の攻撃力と素早さ、更には味方への補助と敵から受けるダメージ、隊列を変える毎に回復する敵の体力を計算していかにリリスがトドメを刺せる結論になるかを考えた。

「よし、今からリリスがトドメを刺さる編成を組む。前列はツルギ、ガイラス、リリス。中列は俺、後列はヴァルキリー、アーチャー、魔女で行く。ツルギはアーチャー、ガイラスは魔女、リリスはヴァルキリーを支援してくれ。」

「団長、あたいの補助はいらない?」

魔女は今回の編成に質問した。確かに彼女の言う通り、普段なら魔女の補助を得て敵に大ダメージを与えるべきだが、今回はリリスがトドメを刺すのが目的だ。他の団員達にも理解してもらえるよう伝えたところで俺達は戦闘態勢に入ろうとした。するとリリスの表情が曇っている事が疑問に思った。

「リリス、大丈夫か?」

「...あ、あぁ。問題無い。..........。(許せ、アルザス。)」

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