表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
78/175

大陸を覆う恐怖

俺達は王様に船を手配してもらえないかを相談する為に、謁見室に向かった。すると玉座には王の姿はなく、ルートスが対応してくれた。

「お久しぶりです。スカイさん。王都親衛隊長ルートスです。」

「やあルートス。元気そうだな。」

「はい、私は元気ですが...」

ルートスの表情が曇った。

「何かあったのか?」

「民には伏せているのですが、実は...王様の体調が思わしくありません。」

そういえば以前会った時、体調が良くなかった事を思い出した。初めて会った時から既に10年が経過しているから、王様ももう長くないのかもしれない...。

「ですから、本日は代理で私が...」

「遅くなったな...」

キーリアス12世王がヨロヨロとやって来て、玉座に座った。この前会った時よりも少し窶れて見えた。

「王様!?無理をしてはいけません。」

「はっはっは。ルートスは心配性だな。さて、では話を聞こうではないか。」

「はい。では単刀直入に言います。」

「うむ。」

「次の予言を回避する為に、船を手配してもらえないでしょうか?」

「船か...そなたらには協力すると言ったが...このリゼルの街は内陸の街故、船が無いのだ。」

「そうでしたか...」

「なぁに、気を落とす事は無い。ルートス、地図を。」

「はい!」

ルートスは懐から地図を取り出し、王様へ渡した。

「これはこの大陸全土を記した地図じゃ。王都以外の街へ行けば、船を貸してくれる所が見つかるやもしれん。」

「ありがとうございます。」

「うむ、それでもし、大陸で困っている者達がいたら...」

「勿論、俺達聖炎騎士団が力になります。」

「...感謝する。余も最後までこの大陸の行方を見届けられたら良かったのだがな...」

「王様!何を言っているのですか!?早く体を休めましょう。」

「聖炎騎士団よ、そなたらの活躍に期待しておるぞ。」

「はい...どうかお体をご自愛ください。」

王はルートスに支えられながら、退席した。王様自身も、長くはない事を自覚しているようだった。


謁見を終え、街の人々に船を貸してもらえる場所を知らないか聞いて回った。そしてスラム街を通った時、俺達以外に住民がいない事に気がついた。するとツルギが何かを感じ、抜刀の構えをした。

「!?殺気」

「あぁ。この感じは...ゼオンと同じくらいだ。皆!気をつけろ!」

するとゴルゾフがどこからともなく現れた。

「...ほぅ。まだこんなところにいたのか?」

「ゴルゾフ!」

「己の無力さを認め、逃げだすなら今のうちだぞ?」

「俺達は無力じゃない!ベルフェザードを倒し、フェルメアの災厄も食い止めたぞ!」

「ふん。その程度でいい気になるな。お前らが一つの街でチンタラしている間に、大陸を闇と恐怖で覆ってやったぞ。<破滅の死者>がな...」

「ゼオンとギルも、この大陸に...」

「見縊るな!奴らの手など借りん。大陸のチンケな人間共始末するくらい、俺一人で十分よ。」

ゴルゾフは余程の力量があるのか、一人で大陸を支配すると豪語した。だが、こうも正面から馬鹿にされると流石に腹が立った。そして俺が反論する前に、ツルギがゴルゾフに向かった。

「覚悟!!」

ツルギが居合でゴルゾフの首を取ろうとしたが、刀が鞘から出る前に吹き飛ばされてしまった。

「グハッ!」

「ツルギ!大丈夫か!?」

「ヌハハハ。間抜けな様だな。お前らでは一生かかっても、俺様には勝てまい。よく覚えとけ!」

そう言い残すと、ゴルゾフは姿を消してしまった。俺達は急いでツルギを騎士団本部へと運んだ。

「す、すまぬ。スカイ殿...」

「喋らなくて良い!直ぐに手当てしてやるからな。」

「かたじけない。」


「おい、騎士団本部の方が騒がしいぞ?」

街外れの森に、レイラとテトがいた。2人にも、さっきの出来事を伝えなくてはならない。

「<破滅の死者>の一人、ゴルゾフが現れたんだ。それでツルギが怪我をして...」

「まぁ。」

「幸い、受け身が上手かったから、怪我は大した事なかったよ。俺が慌て過ぎたんだ。」

「それにしたって...<破滅の死者>に斬りつけるなんて...無茶だわ。」

「ゴルゾフが人間を虫ケラ扱いしたんだ。ツルギが怒るのも無理無いさ。俺だって腹が立ったさ。」

「そういう事ですか...」

「どういう事ですか?」

テトが不思議そうにレイラに尋ねた。

「テト...あなたにも大切な人が出来れば分かるわ。」

「ちぇっ」

テトはレイラの答えに不満そうだったが、俺は話を戻して、これからの事をレイラに伝えた。

「俺はこれ以上、大陸の被害を増やしたくない。」

「分かりました。では、次の予言を言います。今から8年後に、大陸南東の島、アクラルイスにて災厄が現れるとあります。」

「アクラルイスか...ありがとう。何とかその年までに、船を調達するよ。」

俺はレイラ達と別れ、騎士団本部へと戻った。机の上に地図を広げて、リゼルやフェルメア並の街にピンを指した。すると王都から東の方角に、海沿いに街がある事が分かった。俺は団員達の準備が整ったら、湾岸都市アトレアへ向かう事を決めた。

この回で、王都リゼル編は終わります。これから主人公達は、大陸全土で魔物討伐に向かいます。バルトウェイやウォルターが再び話に出てくるかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ