表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
76/175

フェルメアの新たな始まり

1049年121日目

フェルメアの市長舎には市民が集まり、市長の言葉に耳を傾けていた。

「既存の法律の類は、全て!白紙に戻します!」

市長の発言に、市民はざわめき出した。今まで規則や法律を基に生活して行った人々にとっては、雷にうたれたくらいの衝撃だった。

「今後、我々の生活は我々が考え、作っていくのです。間違う事も多いでしょうが...どうか皆さん、怖れないで下さい!」

市長の力強い発言に、市民は落ち着きを取り戻した。

「なお、これからも破滅の予言は引き続き様々な災厄を指し示しています。騎士団に協力するか?街の自衛に努めるか?各人、自分の進む道を決めて下さい。法律はありません。義務もありません。...皆、自分で考えるのです!」

市長の演説は、市民の盛大なる拍手で幕を閉じた。


王都の災厄と共に、フェルメアに現れた魔物を倒した俺達聖炎騎士団は、役目を終えて王都へ戻る事にした。正門でアリアが見送りをしてくれた。

「スカイ=ウルメイア=フィールド。そして騎士団の皆さん。ありがとうございました。...フェルメアは生まれ変わるわ。...いえ、変えてみせる!」

「あぁ。楽しみにしてるよ。アリアが市長になれる日も、そう遠くないかもな。」

「私が市長なんて...」

「アリア、お前の決意、しかと受け止めたぞ。」

「お父様!?」

「しっかり頑張りなさい。その心意気があれば、市長にだってなれるだろう。」

「え...だって...私、女だし...」

アリアが困惑すると、オーロは笑って答えた。

「"女性は市長になれない"という法律は、もう無効だ。」

「ありがとうお父様!!私、頑張るわ!」

「うむ...そしてツルギよ。此度のお主の武勲、見事であった。これからはフェルメアの親衛隊長として、皆を率いてくれないか?」

「親衛隊長!?凄いじゃない!」

「あ...」

市長の提案に、ツルギは少し戸惑った。

「...」

「...もう!!無口な男は厄介ね!」

アリアがツルギの反応に苛つき、声を上げた。

「お父様。ツルギは暫くこの街を留守にするそうよ。」

「え...」

「さぁツルギ、続きはちゃんとあなたの口から言って頂戴。」

ツルギは、がばりと地面に付すと、そのまま頭を擦り付けた。

「拙者、騎士団の一員となり、世界を守りたいと考えております!!入市管理局長護衛の任、途中で放棄する事を、お許し下さい!!」

「...お別れね。」

アリアはツルギの真意を知り、寂しそうに言った。

「...」

「私はここに留まって、良い街を作るわ。誰もが誇らしくなるような、素敵な街を作るわ!それが...私の役目だもの。だから、ツルギ...あなたも自分の役目を果たしたら、また、必ず戻って来て頂戴。フェルメアの街に...私の元に...待ってるから!」

「...御意!!」

アリアは瞳から溢れそうな涙を堪えて、ツルギに別れを告げた。そしてツルギは目を閉じて、アリアと約束した。それを見たエイドは、何かを悟ったようだった。

「スカイ団長...俺、分かったかもしれない...。父さんと母さんがバルトウェイに残った意味、やっと分かった...」

「そうか...なら、いつか帰ってやれ。ガルドもケーラもフランも、きっとお前の帰りを待っている筈だ。」

「はい!...もっと早く分かっていれば、ちゃんと謝る事が出来たのになぁ...」

「?」

「団長...実は俺...父さんと母さんが亡くなっているの、知ってるんだ。」

「!?」

「団長がいない時に机の中見たら、手紙を見つけたんだ。団長は俺の事を考えて、今まで黙ってたんだよな?俺もそうだったんだ。騎士団の皆に迷惑かけないように、ずっと堪えてたんだ...」

「ごめんな、エイド...」

「謝んなくていいさ。父さん達の事を誤解してた俺が悪いんだから。」

「エイド...いつでも退団しても良いんだぞ?後の事は俺とツルギに任せろ。」

「ああ。やっとツルギが騎士団に入ってくれて、俺も満足さ!」

「ヤエはどうするんだ?」

「まだ迷ってる。体はまだ動くけど、お前の見立てじゃ長くないんだろ?」

「まぁな...」

「なら、その時が来るまで居てやるさ。お前が私を必要としなくなるまでな。」

「ありがとうヤエ。なるべく早く後任を見つけるよ。」

この日、聖炎騎士団にサムライのツルギが正式に入団した。そして、エイドとヤエが退団希望を出した。もうすぐ俺は、この世界に来て50年目を迎える。そして大災厄まで、残り50年となった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ