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秘書の陰謀

1049年1日目

遂に予言の年となった。リゼルの人々は魔物による被害から家屋を守る為の補強をしている。王都の騎士団も常に厳戒態勢で王都周辺を警備している。そして俺達聖炎騎士団のメンバーは以下の通りだ。

・スカイ17歳(∞)・エイド38歳(7)・ヤエ35歳(9)サムライ・祈祷師・魔騎士・アーチャー・神官・僧侶・魔術師・術者・魔女・冒険者・1名ずつだ。前線は俺とヤエ・サムライ・祈祷師にして、魔術師はサムライを、神官は祈祷師を補助。後列はエイドにして、祈祷師に補助させようかと思う。しかし祈祷師の石化攻撃に固執するあまり、団員達の命を失う事になってしまわないか...

「相変わらずの編成だな。」

「ウワッ!!」

ヤエが俺の編成に意見し、俺は突然の事で後ろに反り返り、その勢いで転倒した。

「そこまで驚くか?」

「いきなりだったからな...。それで"相変わらず"って言うのは?」

「お前に補助が付いていない事だ。」

「別に良いだろ。俺は体力があるんだし。」

「魔物の攻撃が当たり易い位置にいる事もか?」

「あぁ。すまないが、ヤエも俺と同じ位置だ。祈祷師とサムライに攻撃が向かない様にする為にな。」

「あたしは構わないさ。ある程度なら、自力で回復出来るからな。」

「そう言ってくれると助かるよ。あと...」

「まだ何か?」

「ベルフェザードを倒したら、フェルメアへ行くぞ。」

「またか?」

「嫌な話を聞いたんだ...。アリアが市民に"秘書が市長を殺そうとしている"って言ってたらしいんだ。」

「所詮噂だろ?」

「事実だ。けど市民は皆、"秘書がそんな事する筈がない"って。」

「スカイはどう思うんだ。」

「あの秘書ならやり兼ねないな...。とにかく、予言の魔物を討伐したら、フェルメアへ行くぞ。」

「その時まで何も起こらないと良いけどな。」


1049年105日目

フェルメアの市長室に、秘書のラパンが酒瓶を持って入って来た。

「市長。本日は誕生日おめでとうございます。これは私からの贈り物です。」

「これはすまんな。ありがとうラパン。お前は良くやっている。本当はお前の様な息子が欲しかった...。市長職は法律で世襲、男子継承と決められているからな。」

「...私は、秘書で十分です。では、乾杯を。」

「うむ...」

2人がグラスを合わせ、オーロが飲もうとしたその時だった。

「お父様!飲んではいけない!」

アリアが市長室に入り、オーロを押し倒した。グラスはオーロの手から離れ、床に落ちた。

「アリア!?何をするんだ。折角の酒が...」

「それは毒よ!ラパンはお父様を殺して市長になろうとしているの!気をつけて!」

「市長舎への無断侵入及び、市長秘書に対する侮蔑...見逃せません。市長、ご判断を。」

「お父様!私を信じて!」

オーロは目を閉じて、数秒間黙った。そして口を開き、放たれた言葉は...

「法律を施行する。この者を捕らえよ!」

「お父様!?」

「アリア...私は情け無いぞ。...然るべき刑に服しなさい。」

市長室に警備達が入り、アリアを捕らえた。アリアは必死に無実を訴えたが、オーロは沈黙したままだった。

「すまんが私は少し休ませてもらう。後は頼むぞ、ラパン。」

オーロは自室に戻ると、市長室にはラパン1人だけとなった。そして市長室の椅子に座り、静かにほくそ笑んだ。

「...残念だったな、お嬢さん。」


一方王都では、魔物が未だに現れず、不気味なくらい静かであった。

「街の様子は、どこも変わり無いな。」

「ヤエはベルフェザードとの戦いは、今回が初めてだよな。この感じ...ウォルターでもあったぜ。」

「どういう事だ?」

「予言の年になっても、一向に魔物が現れない事さ。予言の魔物って、この"待ち"が辛いんだよな。」

「だが奴は必ず王都に来る。エイド、ヤエ、気を引き締めろよ。」

するとレイラが慌てて俺達の元へやって来た。

「スカイ!フェルメアでアリアが捕まったわ!」

「何だって!?」

「秘書の陰謀です。...早く行ってあげて。ツルギだけでは救えないわ。」

「そりゃあ大変だ。団長、早く行こうぜ!」

「けど...魔物は王都に現れる。フェルメアへ行ってる間に魔物が来たら...」

「王都の騎士団だけでは守り切れないな。」

「魔物が現れる前に戻って来れば良いじゃないか!」

「スカイ、お前が決めろ。私はお前の判断に従おう。」

アリアを助けたい気持ちはあるが、王都に現れる魔物の事が心配だった。確かにエイドの言う通り、魔物が現れる前に戻って来れば良いのだが、俺はバルトウェイで同じ事を経験した。あの時はガルドとフランを救えた代わりに、ゴードンとバルトウェイを失ってしまった。俺はもう...あんな思いをしたくないし、繰り返したくなかった。どちらを選ぶべきか悩み苦しむと、レイラは俺に言ってくれた。

「魔物はまだ現れてません。危機は今、フェルメアにあります。だから早く行ってあげて...そしてすぐに戻って来て下さい。待ってるわ。」

「レイラ...分かった。必ず戻って来る。エイド、ヤエ、フェルメアへ行くぞ!」

「了解!」

「分かった。」

俺達は急いでフェルメアへ向かった。そして俺達が去った後、テトがレイラの元に来た。

「...レイラ様、いいんですか?」

「えぇ。これで良いのです。」

次回、いよいよベルフェザードとの戦いが始まります。

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