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聖炎騎士団と女神、それぞれの場所で

1044年150日目

この日は王都から少し離れた村に現れた魔物を討伐した。現時点での騎士団は、戦士2名、ニンジャ・サムライ・巫女・聖騎士・アーチャー・神官・僧侶・騎士・冒険者1名ずつだ。ベルフェザードとの戦いに向けて、もう少し戦力を整えたい。特に巫女と聖騎士の代わりが欲しい。

「あのぅ。聖炎騎士団ですか?」

村の若者が声を掛けて来た。

「もし良かったら、俺も騎士団に入れてくれませんか?」

若者は剣を抜いて入団を希望したが、彼は戦士や騎士には見えなかった。するとヤエが彼の剣を見て、何かに気づいた。

「...。お前の剣は錆びている。どれ程腕があろうとも、武器を泣かす者に勝利は無い。」

「あはは。バレちゃいましたか。実は俺、この村の不審者を取り締まるのが仕事で、魔物とは1度も戦った事が無いんです。気持ちだけでも聖炎騎士団に協力したいなぁ...なんてさ。あはは。」

若者は作り笑いで俺達から去って行った。そしてさっきの若者について、エイドとヤエが呟い。

「"自分達の仕事はここまでだから"か...相変わらずだな。」

「少しずつ変わっていくさ。」

「だと良いけどさ。」


1044年250日目

聖炎騎士団に1人の入団希望者が来た。漆黒の鎧とボロボロのマントを着け、聖騎士と違って顔の一部も晒していない兜を付けていた。

「我は聖炎騎士団の活躍を聞き、最北の地より参った。」

彼の言う最北の地とは、文字通りこの大陸の最北に位置する土地で、そこにある村は年中雪が降っていると噂がある。

「我が名はデューク、職業は魔騎士。兜は鎧と同一であるが故に外す事が出来ぬ。」

魔騎士...聖騎士の男性職と言える物だろうか?そして彼の職業から、忌々しいゼオンを思い出してしまったが、雑念を払って彼の採用を見極めた。

「あなたは聖騎士と同じ長所をお持ちですか?実は今、うちには聖騎士が1人おりまして。」

「能力は同じだ。しかし我らは支援力が聖騎士より秀でており、補助力が少し劣る。」

聖騎士とほぼ同じと言うのは幸いだ。しかも彼は8年間は衰える事は無い。

「丁度加入枠は空いているから、今日から騎士団の一員となってくれるかな?」

「我が力を求められているのであれば、是非も無い。」

俺は魔騎士のデュークを騎士団に加えた。後は巫女の後任を探さなければ...


聖炎騎士団が日々魔物討伐の遠征に赴いていると同時に、別の場所でスカイ達とは違う戦いをしている者がいた。

「どうか!私の話を聞いて下さい。」

女神レイラはフェルメアでの一件があった後も、各地で協力を求めていた。

「世界を良くする為には、あなた達一人一人の協力が必要なのです。」

「世界を良くするって言われても...俺今の暮らしに不満無いし。」

村の若者が気怠そうに答えた。

「今は良くても、このままでは...」

「破滅するって言うんだろ?でも...その頃には俺、もう死んでるし...あんま関係無いね。」

「そんな...子供達の未来が無くても良いのですか?」

「その子供も、その頃には死んでるさ。俺達は今の事で精一杯なんだ。そんな何十年先の事なんて考える余裕無いね。」

若者はそう言い残すと、さっさと帰ってしまった。レイラはこれまでに、いくつもの村へ赴き、既に百人くらいの人々に説いてきた。しかしながら、魔物と戦おうとしてくれる者は現れなかった。レイラが一人になった時、何処からか彼女を呼ぶ声が聞こえた。

『何をしておるのだ、レイラ!』

「エルぜシオン様!」

怒りが感じられる老人の声に、レイラはハッとした。エルゼシオン...この世界を創造した神の末裔であり、レイラに予言書を渡し、地上へと向かわせた当事者だ。

『お前に託した"アルバレスの正予言"施行はどうなっておる?』

「それは...」

『人間とは愚かな生き物だ。我ら精霊が導かねばならない。時間が無いのだ!次の<闇の雫>は大災厄と隣合わせだ。』

「分かっております。しかし...」

『しかし?"しかし"とは何だ!?我に口答えするのか?何と言うていたらくだ。今のお前は人間の尻に敷かれておる!』

「申し訳ございません...」

『我を失望させるでないぞ、レイラ。予言書を司る女神よ。己の任を果たすのだ。』

エルゼシオンからの通信が切れ、テトがレイラの元へと来た。

「大精霊様直々の大目玉か...レイラ様、大丈夫ですか?」

「私...今まで一瞬たりとも、自分の使命を忘れた事なんて無いわ。けれども...エルゼシオン様には、その事を上手く説明出来ないの...。私の行動は、間違ってるのかしら?」

レイラが憂いの表情になると、テトは胸を張って答えた。

「正しいと思います。あの異世界人は相変わらずいけ好かないけど、でも...あいつと一緒に頑張っているレイラ様は、なんかとても活き活きとしているから。だから僕...今のレイラ様が正しいと思います。」

「ありがとう、テト。」

テトに励まされたレイラは、再び別の村へ協力を求めに向かった。今の自分の行動が正しいと信じて...

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