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閑話 団員同士に出来た子供

今回は短めとなってしまいました。

1044年50日目

魔物を討伐する度に、入団希望者が酒場の紹介でやって来る。中には団員同士で結婚した間に生まれた子供が来る事もある。そして子供は、必ず両親の長所を持っている。例えば戦士と神官の間に生まれた子供が神官になった場合、体力と素早さが並の神官より高い。エイドはどうかと言われたら、父ガルドの長所を持っているとしか言えない。

「団長殿、娘が今日で3つになりました。」

「そうか。魔物がいつ出るか分からない時代だが、元気に育つといいな。」

「はい!実は妻が女神様の神託を受けたと言うのです。」

「神託?」

「何でも娘は、類い稀なる才能を秘めていると言われたらしいのです。これから少しずつ、妻の技を覚えさせようと思うのです。」

「おいおい。幾ら入団希望者が欲しいからって、子供を無理矢理入団させるなよ!」

「しかし団長殿。今の世は戦わなければ、明日を切り拓けません。どうかお許しを!」

サムライは深々と一礼して部屋を出た。俺は団員同士の結婚も、子供を産む事も認めている。それはその2人の幸せを思っての事であり、入団希望者を手に入れる為ではない。もしレイラが故意に子供を入団させるような事があれば、直ちに止めるように言わなくてはならない。しかし親が入団を勧め、子供がその道を歩む事を決めたのであれば、止める事は出来ないな...


1044年100日目

「何と!王都に魔物が来るじゃと!?」

「はい。我々聖炎騎士団が迎え討ちますが、王都の騎士団も城下町の警備をお願いします。」

「分かった。ではそのように...ゴホッ、ゴホッ!」

「大丈夫ですか?」

「あぁ。最近体調が悪くてな。スカイ団長はいつ見ても若々しいですな。」

「そ、そうですかね?ではお大事に。」

俺は国王との謁見を済ませ、騎士団本部に戻った。すると机の上に一通の手紙が置いてあった。差出人はフランからだった。

「まさか!?」

俺は恐る恐る取り出すと、予感が的中した。

"聖炎騎士団団長 スカイ=フィールドへ

父に続いてとうとう母が亡くなりました。父も母も、最期までエイドの事を心配していました。私は2人の跡を継いで、バルトウェイをより強固な街にしようと思います。何十年、何百年も残る様に頑張ります。

フランより。"

これで遂に、バルトウェイ自警団の団員は、俺を残して亡くなってしまった。するとエイドが本部に入って来た。

「スカイ団長、ちょっと良いすか?」

「な、何だ!?」

俺は手紙を急いで引き出しにしまった。ベルフェザードとの戦いの前に、エイドの戦意を喪失させる訳にはいかない。

「そんなに慌てなくてもいいじゃないすか?」

「あ、あぁ...そうだな。それで要件は何だ?」

「今度の予言が来る頃には、俺かヤエのどっちかが衰えるのかなってさ。団長の見立てじゃどうなんだ?」

そうだ...ウォルターから今日まで、俺はエイドとヤエに支えられて来た。俺は2人が自分から退団願を出さない限りはギリギリまで手元に置きたい。しかし...

「俺の見立てじゃ、2人ともまだ平気だ。それとも何かあるのか?」

「いや。ちょっと気になっただけさ。ライは体にガタが来たって理由で退団したから。俺もそのくらいになるまで、聖炎騎士団に残ろうと思うんすよ。」

「俺はあくまでも団員の気持ちを尊重するぞ。エイドもヤエも、好きな時に団を抜けても良いんだぞ。勿論、俺に一言言ってからな。」

「分かったよ。じゃあ、その時が来たらそうするよ。邪魔して悪かったな、スカイ団長。」

そう言い残すと、エイドは部屋を後にした。

「エイド...今度の戦いが終わったら、俺はお前をバルトウェイに帰そうと思う。もうお前を待っている両親はいないけど、いつか必ず両親の思いを理解する時が来ると、俺は信じている。」

俺は心から、エイドがガルドとケーラの真意を理解する時が来る事を願った。

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