表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/175

フェルメアの監獄塔

1043年12日目

フェルメアは市庁舎、住民区の他に、監獄塔と呼ばれる場所がある。元々規則に厳しいこの街では、ここへ収容される者は1日に最低1人はいるくらいだ。だが最近は4.5人もこの塔へ連れて来られ、厳しい拷問を受けているという噂が立っている。そして今、1人の女性が牢屋に入れられていた。

「何故私が牢屋に入れるのですか!?」

「それがこの街での規則だからだ。酒場でその様な格好は、公共良俗違反の対象となる故な。」

彼女がいる牢屋の前には、親衛隊のサムライ...ツルギがいた。

「アリア殿に感謝するのだな。もしラパンに見つかっていれば、そなたは拷問にかけられていたぞ。」

「私はその様な事をされる覚えはありません。」

「では酒場で何をしていた?」

「世界を救う者を探していました。」

「...戯言はよせ。」

ツルギの問いに対してはっきりと答えた彼女の発言を、彼は即刻切り捨てた。

「いいえ...事実です。」

牢屋の中にいた女性は...女神レイラだった。彼女はスカイ達が魔物を討伐している別の場所で、少しでも協力してくれる存在を探していたのだ。

「世界は、そこに住まう人間全ての努力によって、ようやく存続出来るのです。協力が必要でしょう?」

「...拙者には分からぬ。」

「いいえ、分かっている筈です。ツルギ、あなたの信じるものは掟ですね?」

「!?貴様、何故拙者の名を...」

レイラがツルギと話すのは勿論、会うのもこれが初めてだ。

「では掟の中身は何?規則ですか?...違う筈ですよね?」

「貴様...何者だ!?返答次第では...お主を斬る。」

「私は女神です。ツルギ、あなたの本当の掟とは何か考えてごらんなさい?きっと答えが出る筈です。」

「...失敬する。」

ツルギはレイラを牢屋に入れたまま、監獄塔を後にした。


聖炎騎士団がフェルメアへ着き、スカイはレイラが収容されている監獄塔の近くへと来た。するとそこにはテトが待っていた。

「遅いじゃないか!待ちくたびれたぞ!」

「ごめん。レイラは無事か?」

「早く早く!こっちの牢屋だ...おっと、マズイ!」

テトは何かに気づき姿を消した。するとアリアが俺の元へ来た。

「今度はどんな厄介事を持ち込んで来たのかしら?」

「アリア...監獄塔に収容されている女性を釈放して欲しい。」

「...やっぱり、あなた達の知り合いだったのね?道理で変な女だと思ったわ。」

「頼む!この通りだ。」

俺は深々と頭を下げた。最悪レイラが拷問にかけられる時は、俺が身代わりになる覚悟もした。以前ならレイラがどうなろうと構わなかったが、俺達への助力をしてくれている彼女を放ってはおけなかった。

「いくらあなたが誠意を見せても、罪人を罰するのが規則です。彼女にはちゃんと罪を償ってもらいます。」

すると住民区の方から、老婆の叫び声が聞こえた。

「やめておくれ!爺さんは何もしていないんじゃ!」

「何だろう?」

「放っておけ...あたしらに出来る事は何も無い。」

「そんな事無いだろ?団長、俺ちょっと見て来ます。」

「あぁ、頼むよ。ヤエ、エイドを頼む。」

「分かった。」

エイドとヤエは住民区の方へと走り出した。

「ちょっとあなた達!この街で騒ぎを起こせば、民政争乱罪にかけられるわよ!」

「騒ぎが起これば反応するのが必然だ。」

「街の安心は法律が作ってくれてます。」

「拷問の恐怖まで必要があるのか?」

「...それは...私だって...」

アリアの表情が険しくなった。彼女も本当は拷問は必要無いと思っているのだろう。

「アリア、一つ言わせて貰おう。この街の安心が法律によって作られているのなら、何故法律を守る?」

「何故って...」

「人が法律を守るんじゃなく、法律が人を守るべきなんじゃないのか?」

「アリア殿!魔物が街の正門に向かって迫って来ております!」

ツルギが俺達の元へ来て、アリアに緊急事態を伝えた。

「何ですって!?直ちに正門へ向かいます。」

「待てよ!相手は魔物だぞ。俺達に任せろ!」

「魔物と雖も、許可証無しに街への入市を認める訳には行きません!」

「お待ち下され、アリア殿!」

2人は正門に向かって走り出した。そしてテトが再び、俺の前に現れた。

「予言の魔物じゃないけど...お前は行くんだよな?」

「あぁ。魔物は放ってはおけないからな。テト、必ずレイラを助け出す。だから少し待っててくれ!」

俺は団員達と共に、正門へ向かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ