"漆黒の緑"での戦い
1043年10日目
長いようであっという間に過ぎた年月。俺達は予言書の記す場所に合った森で、魔物を迎え討つ準備を整えた。
「団長、この森で合ってるのかい?もし違う場所に現れたら...」
「予言書にあった"漆黒の緑"は、この森で合っている。これは国王とルートスの裏付けがある。」
すると、森の奥から魔物の雄叫びが聞こえて来た。
「スカイ団長!あれがそうなのか?」
「あぁ。あれが予言書通りなら、王都を壊滅させる気だ!ここで仕留めて、未来を変えるぞ!」
俺達の前に現れた魔物は、空想上の存在とも言えるグリフォンにそっくりだった。頭は鷹の様であり、胴体は4本の手足を持ち、背には大きな翼を有していた。
【ブルートキマイラ 幻獣種 レベル 6】
・体力 320 ・攻撃力 8(石) ・素早さ 4.0 ・回復力 15
・特徴•••通常攻撃のあと煉獄の炎による攻撃を3回する。その炎は4ターン残る。
石化攻撃を常にしてくるとは...しかし問題は煉獄の炎による攻撃だ。4ターン残るという意味も分からない。ともかく、この程度なら今のメンバーで苦戦はしない筈だ。
「今回は全力攻撃の編成で臨む。前線は俺とエイド、サムライ、剣闘士。ヤエはエイドを、魔術師2名はサムライと剣闘士を補助。」
「了解!」
「分かった。」
「妻と娘の為...負けられぬ。」
「師匠、女将さん、俺...負けません!」
こうして、魔物との戦いの火蓋が切って落とされた。
先手はサムライが取り、俺とエイドが続いた。ヤエはエイドが攻撃をする前に、爆薬による支援を行った。すると今度は魔物が雄叫びをあげて両翼に力を溜め、ビームを俺に目掛けて撃って来た。すると俺の体はみるみる石化していってしまった。
「団長!」
石化されたとはいえ、目は見えるし耳も聞こえる。エイドが叫び、他の団員達も困惑した。しかし1人だけ聞こえない声があった...それはヤエだった。
「落ち着け!石化されたからといって、死んだ訳じゃ無い。次はおまえだろ剣闘士!」
ヤエに怒鳴られ、剣闘士は鉄槌で魔物にダメージを与えた。俺達の攻撃で魔物の体力は3分の1になった。まだ前線の補助が残っているから、このままいけば倒せる...問題はその事を他の団員が気づいているかどうかだ。
「どうする。このまま行くか?」
「けど...一度後退して、団長の石化を解いた方が...」
「あたしらの編成は、最後列での回復を捨てた様なものだ。まだエイド以外は補助が残っているから、このまま押し切るぞ!」
「ヤエ殿の言う通りでござる。拙者らならば行けようぞ。」
再びサムライが攻撃してエイドが攻撃した後、魔物は口から炎を吐き出して来た。そしてその攻撃は運悪く、俺に向けられた。石化された事により、威力を増した攻撃を受けた事を実感した。そして最後は剣闘士がトドメを刺し、魔物を倒す事が出来た。
俺は石化が解け、団員達も一安心した様だ。
「団長が石になった時は死んだかと思ったよ。」
「悪かったな。けど...石化攻撃を身をもって知る事が出来たよ。相当厄介な攻撃だが、あれを俺達にも出来たら、魔物に対して有効的だと思わないか?」
「転んでもタダじゃ起きない奴だな。」
俺は予言書を確認し、内容が変わった事を確認した。
「よし!それじゃあ王都へ戻るぞ。」
俺は早く、レイラにこの事を伝えたかった。
「おかえり〜秀哉〜。」
王都に戻り、俺達を出迎えてくれたのは、なんとレダだった。
「レダ!?今度は王都にいたのか。」
「レダさん!まさか俺に会いに来てくれて...」
「ねぇ秀哉。せっかくの再開を喜びたいんだけど...急いだ方がいいわよ?」
「何をだ?」
「レイラがフェルメアで捕まったのよ。」
俺はレダの言葉を聞き、雷に打たれたかの様な衝撃を受けた。
「レイラが!?何で!?」
「さぁ。なんかやらかしたんじゃない?彼女...世間知らずのお嬢様だから。」
「団長...レイラって、誰ですか?」
エイドが興味津津で聞いて来た。
「何でもない。ただの...友人さ。」
「まっさか〜。もしかして団長...その人と...」
ドスッ! レダがエイドに1発入れた。
「ただの友人なの!」
「すんません...」
「早いとこ助けに行った方が良いわよ。下手すりゃ拷問もあり得るかもね。」
「皆!魔物討伐で疲れているところすまないが、これからフェルメアへ向かうぞ。」
俺は団員達に鞭打って、フェルメアへと向かった。




